234 / 1,022
妖怪族の国37
しおりを挟む
腰骨湿地帯には大きな蓮の花が咲き乱れていて、極楽浄土を思わせるような光景になっている
さらにレンコン農家なのか、何人かの妖怪族がせっせと作業していた
泥や田んぼの扱いについては右に出る者がいない泥田坊族を始め、鳥を払ってくれる九十九族の化け案山子、害虫を食べるために集まってくれた大百足族、レンコンを掘るのを手伝ってくれる大オケラ族など多種多様な妖怪族が集まってるみたいだ
「みなさーん、精霊様がいらっしゃってくださいました。少し作業を止めて休憩にしませんかー?」
シャクナゲさんが大きな声で呼びかけると、湿地帯の中から相当数の妖怪族が現れて僕らを取り囲んだ
「ほぉえぇ、こちらが精霊王女様だかぁ。おらぁ泥田坊のダンゴっつぅんだぁ」
泥田坊族のおじさん、ダンゴさんはこのレンコン畑の管理をしているらしい
ここで取れるレンコンは煮つけにてんぷら、フライにからし連根などなど、広い用途につかわれる。すりおろすと粘り気が出てご飯にかけてしょうゆで食べても美味しいらしい
そんな話をダンゴさんたちとしばらく談笑して、お茶を飲んで休憩した後にレンコンの収穫が始まった。当然僕らも手伝う
あと、観光客の人達も体験できるみたいだから結構な人数になった
しばらくするとレンコンが山のようにうずたかく積みあがった
高さにして三メートルはあるね
でもさすが、巨人族と肩を並べれるほど大きな種族のガシャドクロ族の人達
一人で何十本と収穫するから早い早い
それにしてもこれだけ収穫したのにまだ十分の一も収穫できていないと言うから驚きだよ
「それではこちらを調理してまいりますのでしばらくお待ちくださいね」
シャクナゲさんを筆頭に女性陣がその場で一斉に調理を始めた
どこから出したのか調理器具がたくさん用意されてる
「まずは生そのもののお味を味わってください」
綺麗な水で泥を洗い流すと、真っ白に輝くレンコンが現れた
それを素早く輪切りにして皿に乗せ、しょうゆをサッとかけ、削りカツオをまぶして僕たちに渡してくれた
箸でつまんで口に運び、シャクッと齧ると、醤油の塩味とカツオの香りのあとにレンコンとは思えないほどの甘みが広がった
「次はフライとてんぷらにしてみました。こちらのてんぷらはレンコンのみで、こちらはからし連根です」
なるほど、てんぷらは二種類あるってことか
早速それぞれを味わって食べてみた
フライは外の衣のサクサク感とレンコンのシャクシャク感がたまらなくマッチしていて、かけてある野菜ベースのソースも素材の味を引き出してて美味しい
てんぷらはシンプルに塩で。レンコンの甘さ際立つ味だ
からし連根。これは辛い! すごく辛いけど癖になるような辛さだね
「お次はこちらです。レンコンとろろ麦ごはんです」
麦とお米の混ざったご飯にレンコンをすりおろしたとろろがかかってて、さらにだし醤油が上からまわしがけされている
ご飯のほかほかとした湯気に乗って甘い香りがして食欲を掻き立てられる
箸で一口食べてみると、ご飯にこんなに合うのかと言うくらいベストマッチしていた
自然薯などのとろろと違って口についても痒くならないし、このだし醤油によってご飯が進む進む
「最後はこちらです。雪女族の方に協力していただいて作ってみました」
今まで気づかなかったけど、シャクナゲさんの後ろには妖怪族の国中央に位置する氷雪山に住む雪女族の人が何人か立っていた
雪女族は女性しか生まれなくて、多種族と交わることでその子孫を増やすらしい
そのため、様々な特徴を持った人が多い
例えば、猫耳の生えた少女、この子は妖猫族の男性が父親だ
翼の生えた女性は翼人族の男性が父親、百足の下半身を持つ女性は大百足族の男性が父親と、妖怪族のみならず世界中の種族とのハーフが多い
それでも雪女族の血が途絶えないのは、3世代に一度必ず雪女としての特徴しか持たないいわゆる先祖返りがいるかららしい
さて、最後に出されたのはレンコンシロップのかき氷とレンコンアイスだ
これはこの白骨レンコンの糖度が高いから出来るスイーツで、ガシャドクロ族の里の一番人気の名産らしい
ここでしか食べれないというのもその人気に拍車をかけているっぽいね
「どれどれ」
まずかき氷を食べてみる
見た目は練乳をかけたかき氷みたいだけど、味はほのかにレンコンの香り香る甘いかき氷だった
レンコンっぽさはなくなってるけど、ちゃんとスイーツとして完成された味
次はレンコンアイス
ちゃんとコーンに乗ってるところがポイントが高いね
舐めてみると、昔ながらのアイスのような味わいで、舌がとろけているのかと錯覚するくらいにすぐ溶けてしまった
そこから口いっぱいに広がる味はバニラアイスよりも風味豊かで甘かった
「いかがでしたか? ここは食材が多く、様々な国に輸出もしているんですよ。転移装置も普及していますし、これからはよりいっそういろいろな方に食べていただけるので楽しみです」
そう言ってにっこり笑うシャクナゲさんは儚げで美しい。きっと男性に大人気なんだろうなぁ
現に今も顔を赤くしてあこがれの目で見てる観光客の男性が多いしね
ガシャドクロ族の里観光はこれで終わりみたいだ
次に目指すは占いで有名な件族の里
実は結構楽しみにしてたりする
さらにレンコン農家なのか、何人かの妖怪族がせっせと作業していた
泥や田んぼの扱いについては右に出る者がいない泥田坊族を始め、鳥を払ってくれる九十九族の化け案山子、害虫を食べるために集まってくれた大百足族、レンコンを掘るのを手伝ってくれる大オケラ族など多種多様な妖怪族が集まってるみたいだ
「みなさーん、精霊様がいらっしゃってくださいました。少し作業を止めて休憩にしませんかー?」
シャクナゲさんが大きな声で呼びかけると、湿地帯の中から相当数の妖怪族が現れて僕らを取り囲んだ
「ほぉえぇ、こちらが精霊王女様だかぁ。おらぁ泥田坊のダンゴっつぅんだぁ」
泥田坊族のおじさん、ダンゴさんはこのレンコン畑の管理をしているらしい
ここで取れるレンコンは煮つけにてんぷら、フライにからし連根などなど、広い用途につかわれる。すりおろすと粘り気が出てご飯にかけてしょうゆで食べても美味しいらしい
そんな話をダンゴさんたちとしばらく談笑して、お茶を飲んで休憩した後にレンコンの収穫が始まった。当然僕らも手伝う
あと、観光客の人達も体験できるみたいだから結構な人数になった
しばらくするとレンコンが山のようにうずたかく積みあがった
高さにして三メートルはあるね
でもさすが、巨人族と肩を並べれるほど大きな種族のガシャドクロ族の人達
一人で何十本と収穫するから早い早い
それにしてもこれだけ収穫したのにまだ十分の一も収穫できていないと言うから驚きだよ
「それではこちらを調理してまいりますのでしばらくお待ちくださいね」
シャクナゲさんを筆頭に女性陣がその場で一斉に調理を始めた
どこから出したのか調理器具がたくさん用意されてる
「まずは生そのもののお味を味わってください」
綺麗な水で泥を洗い流すと、真っ白に輝くレンコンが現れた
それを素早く輪切りにして皿に乗せ、しょうゆをサッとかけ、削りカツオをまぶして僕たちに渡してくれた
箸でつまんで口に運び、シャクッと齧ると、醤油の塩味とカツオの香りのあとにレンコンとは思えないほどの甘みが広がった
「次はフライとてんぷらにしてみました。こちらのてんぷらはレンコンのみで、こちらはからし連根です」
なるほど、てんぷらは二種類あるってことか
早速それぞれを味わって食べてみた
フライは外の衣のサクサク感とレンコンのシャクシャク感がたまらなくマッチしていて、かけてある野菜ベースのソースも素材の味を引き出してて美味しい
てんぷらはシンプルに塩で。レンコンの甘さ際立つ味だ
からし連根。これは辛い! すごく辛いけど癖になるような辛さだね
「お次はこちらです。レンコンとろろ麦ごはんです」
麦とお米の混ざったご飯にレンコンをすりおろしたとろろがかかってて、さらにだし醤油が上からまわしがけされている
ご飯のほかほかとした湯気に乗って甘い香りがして食欲を掻き立てられる
箸で一口食べてみると、ご飯にこんなに合うのかと言うくらいベストマッチしていた
自然薯などのとろろと違って口についても痒くならないし、このだし醤油によってご飯が進む進む
「最後はこちらです。雪女族の方に協力していただいて作ってみました」
今まで気づかなかったけど、シャクナゲさんの後ろには妖怪族の国中央に位置する氷雪山に住む雪女族の人が何人か立っていた
雪女族は女性しか生まれなくて、多種族と交わることでその子孫を増やすらしい
そのため、様々な特徴を持った人が多い
例えば、猫耳の生えた少女、この子は妖猫族の男性が父親だ
翼の生えた女性は翼人族の男性が父親、百足の下半身を持つ女性は大百足族の男性が父親と、妖怪族のみならず世界中の種族とのハーフが多い
それでも雪女族の血が途絶えないのは、3世代に一度必ず雪女としての特徴しか持たないいわゆる先祖返りがいるかららしい
さて、最後に出されたのはレンコンシロップのかき氷とレンコンアイスだ
これはこの白骨レンコンの糖度が高いから出来るスイーツで、ガシャドクロ族の里の一番人気の名産らしい
ここでしか食べれないというのもその人気に拍車をかけているっぽいね
「どれどれ」
まずかき氷を食べてみる
見た目は練乳をかけたかき氷みたいだけど、味はほのかにレンコンの香り香る甘いかき氷だった
レンコンっぽさはなくなってるけど、ちゃんとスイーツとして完成された味
次はレンコンアイス
ちゃんとコーンに乗ってるところがポイントが高いね
舐めてみると、昔ながらのアイスのような味わいで、舌がとろけているのかと錯覚するくらいにすぐ溶けてしまった
そこから口いっぱいに広がる味はバニラアイスよりも風味豊かで甘かった
「いかがでしたか? ここは食材が多く、様々な国に輸出もしているんですよ。転移装置も普及していますし、これからはよりいっそういろいろな方に食べていただけるので楽しみです」
そう言ってにっこり笑うシャクナゲさんは儚げで美しい。きっと男性に大人気なんだろうなぁ
現に今も顔を赤くしてあこがれの目で見てる観光客の男性が多いしね
ガシャドクロ族の里観光はこれで終わりみたいだ
次に目指すは占いで有名な件族の里
実は結構楽しみにしてたりする
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~
SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。
物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。
4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。
そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。
現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。
異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。
けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて……
お読みいただきありがとうございます。
のんびり不定期更新です。
お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる