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イレギュラーメルカ2
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封印をされている間にいくつか分かったことがあった
時折神々のみがここを訪れて話をしてくれたから
私は封じられていても退屈じゃなかった。それは私を哀れんだ神々のおかげだ
封印をした張本人たちだけど、私のことを気にかけてくれる神ばかりだった
そんな彼らから聞いた話に私はとても驚いたわ
私は原初と呼ばれる始まりの知性、その娘であることが分かった
原初は全ての始まり。お父さんがいつも話していた綺麗で優しいお母さん
死んだと言っていたお母さんがその原初だった
原初、お母さんは数億年に渡って何もすることなく、古の支配者や光や闇などが生まれるのを見ていたって聞いた
そんな中世界が生まれ、生命が、動物が、知恵ある生き物が、人という存在が生まれ始めた
目まぐるしく変わっていく世界にお母さんも興味を持ち、やがて自ら体を創り出して世界をその目で見、肌で感じ始めた
そこで出会ったのがお父さんだった
私のいた世界は魔物たちが跋扈するお世辞にも平和とは言い切れない世界
お父さんはその世界で人々を守る仕事をしていた
お母さんはそんなお父さんを見て猛アタックの末に夫婦になったってお父さんがいつも言ってた
誰にも気づかれることなくひっそりと二人は愛し合って、私は生まれた
私は、原初の力を持った世界にとってのイレギュラーだった
神の中でも特別に仲良くなれた人がいる
それが愛の女神アズリアと太陽の女神アマテラス、そして力の女神エイシャ
彼女たちは私にいろいろな話をしてくれた
特にエイシャは私と同じくらいの歳に見え、話しも合った
でも、ある日を境に神々は誰も来なくなった
寂しい時間を何百年も過ごし、一人でずっと泣いていた
そんな時に突然アズリアがやってきて、何が起こったのかをすべて話してくれた
神々の争い
エイシャ率いる神々と、ラシュア率いる神々の戦いで、エイシャは死んでしまったと
私は泣いて、泣いて、アズリアは慰めてくれた
それからまた数百年後、時々アズリアが会いに来てくれる以外誰も来ないこの空間に、闇が来た
「お前のこと、忘れてたよ。封印を、解いてやるから、俺とこい!」
ボロボロの闇は私の封印を解こうと手を振れた
「な!」
封印は彼を弾き飛ばし、致命的なダメージを与えた
「馬鹿な! 駄目だ駄目だ! ここで消えるわけには! 俺には、まだやる、こと、が・・・」
闇は封印に勝てなかったのか、その存在が消滅してしまった
でも今ので少し封印が緩んだみたい
まだ出れそうにないけど、もう少し
もう少しで私は外へ
それから数百年後
アズリアすら来なくなった
いえ、あの女神はそんな薄情な性格じゃないと今までの長い付き合いからわかる
きっと何かあったんだ。そうだ、いつか会いに行こう
アズリアにも、アマテラスにも、そして、生きていたあの子にも
感じる
私は、イレギュラー、ゆえに世界は私を見ない
それなら、私がここにいることを教えよう
でも決して世界を混乱させないように、ゆっくりと
私はメルカ
ただのメルカ
お父さんはいない
お母さんに会いたい
お友達が欲しい
普通に生きたい
美味しいご飯が食べたい
あったかいお布団で寝たい
お父さんにもらったようなクマのぬいぐるみが欲しい
綺麗な星を見ながら良い匂いの草の上で寝転がりたい
やりたいことはいっぱいあって、私のこの滅びない体でその全部をやってみたい
まずは、かつてのお友達に会って、新しいお友達を
私を受け入れて、愛してくれるアズリアやアマテラスやエイシャみたいなお友達を作ろう
私はこの封印の世界にメッセージを残す
視えちゃったから
闇が干渉したことで偶然つながったこの世界に物凄い力を秘めた子がいる
優しい力を持った子
この子ならきっといいお友達になれる
だから、メッセージを残そう
よろしくね、リディエラちゃん
メルカは封印の世界から外の世界へ
自らを理解し、原初の力を使いこなす
そして、その大きすぎる気配を消して旅立った
時折神々のみがここを訪れて話をしてくれたから
私は封じられていても退屈じゃなかった。それは私を哀れんだ神々のおかげだ
封印をした張本人たちだけど、私のことを気にかけてくれる神ばかりだった
そんな彼らから聞いた話に私はとても驚いたわ
私は原初と呼ばれる始まりの知性、その娘であることが分かった
原初は全ての始まり。お父さんがいつも話していた綺麗で優しいお母さん
死んだと言っていたお母さんがその原初だった
原初、お母さんは数億年に渡って何もすることなく、古の支配者や光や闇などが生まれるのを見ていたって聞いた
そんな中世界が生まれ、生命が、動物が、知恵ある生き物が、人という存在が生まれ始めた
目まぐるしく変わっていく世界にお母さんも興味を持ち、やがて自ら体を創り出して世界をその目で見、肌で感じ始めた
そこで出会ったのがお父さんだった
私のいた世界は魔物たちが跋扈するお世辞にも平和とは言い切れない世界
お父さんはその世界で人々を守る仕事をしていた
お母さんはそんなお父さんを見て猛アタックの末に夫婦になったってお父さんがいつも言ってた
誰にも気づかれることなくひっそりと二人は愛し合って、私は生まれた
私は、原初の力を持った世界にとってのイレギュラーだった
神の中でも特別に仲良くなれた人がいる
それが愛の女神アズリアと太陽の女神アマテラス、そして力の女神エイシャ
彼女たちは私にいろいろな話をしてくれた
特にエイシャは私と同じくらいの歳に見え、話しも合った
でも、ある日を境に神々は誰も来なくなった
寂しい時間を何百年も過ごし、一人でずっと泣いていた
そんな時に突然アズリアがやってきて、何が起こったのかをすべて話してくれた
神々の争い
エイシャ率いる神々と、ラシュア率いる神々の戦いで、エイシャは死んでしまったと
私は泣いて、泣いて、アズリアは慰めてくれた
それからまた数百年後、時々アズリアが会いに来てくれる以外誰も来ないこの空間に、闇が来た
「お前のこと、忘れてたよ。封印を、解いてやるから、俺とこい!」
ボロボロの闇は私の封印を解こうと手を振れた
「な!」
封印は彼を弾き飛ばし、致命的なダメージを与えた
「馬鹿な! 駄目だ駄目だ! ここで消えるわけには! 俺には、まだやる、こと、が・・・」
闇は封印に勝てなかったのか、その存在が消滅してしまった
でも今ので少し封印が緩んだみたい
まだ出れそうにないけど、もう少し
もう少しで私は外へ
それから数百年後
アズリアすら来なくなった
いえ、あの女神はそんな薄情な性格じゃないと今までの長い付き合いからわかる
きっと何かあったんだ。そうだ、いつか会いに行こう
アズリアにも、アマテラスにも、そして、生きていたあの子にも
感じる
私は、イレギュラー、ゆえに世界は私を見ない
それなら、私がここにいることを教えよう
でも決して世界を混乱させないように、ゆっくりと
私はメルカ
ただのメルカ
お父さんはいない
お母さんに会いたい
お友達が欲しい
普通に生きたい
美味しいご飯が食べたい
あったかいお布団で寝たい
お父さんにもらったようなクマのぬいぐるみが欲しい
綺麗な星を見ながら良い匂いの草の上で寝転がりたい
やりたいことはいっぱいあって、私のこの滅びない体でその全部をやってみたい
まずは、かつてのお友達に会って、新しいお友達を
私を受け入れて、愛してくれるアズリアやアマテラスやエイシャみたいなお友達を作ろう
私はこの封印の世界にメッセージを残す
視えちゃったから
闇が干渉したことで偶然つながったこの世界に物凄い力を秘めた子がいる
優しい力を持った子
この子ならきっといいお友達になれる
だから、メッセージを残そう
よろしくね、リディエラちゃん
メルカは封印の世界から外の世界へ
自らを理解し、原初の力を使いこなす
そして、その大きすぎる気配を消して旅立った
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