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黒の国13

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 ルニアと久しぶりに一緒に冒険をしてる
 あの頃以来
 みんな元気にしてるのかな?
 あの頃は必死だった
 追われて、戦って、救って、殺されかけて
 でもみんながいたから私は乗り越えることができたんだと思う
 平和になったすべての世界、まだ小さな争いはあるものの、アレの脅威はもうない
 そう思っていたのに、操られていた頃の闇が眷属を生み出していたなんて・・・
「お姉ちゃん? 大丈夫?」
「ん、ごめんルニア、考え事してた」
「もう、相変わらずね。一人で抱え込んじゃダメよ? もう私とお姉ちゃんは同化してないんだから私がすぐに助けれるとは限らないもん」
「そうねルニア、でも大丈夫よ。私たちは二人で一柱の神様だもの」
「うん!」
 ルニアは本当に姉思いの良い子ね
 私達が神様たちと兄妹関係にあることには驚いたけど、同じ大神様から生まれたんだからそうなるのかな?
 それに、お姉様もお兄様もみんな私たちを可愛がってくれてる
 昔は敵対していたエイシャお姉様にもよくしてもらってるし、今すごく幸せだな
「お姉ちゃん、近いみたい」
「うん、気を引き締めていきましょう」
 まもなく人間族の国、精霊の王女が作った街。シルフェインお姉様の娘と言うことは私達の姪にあたる子、絶対に守ってあげたい
 私達の姪と言えばもう一人のあの子はどうしてるのかな?
 私達が神として迎えられた後、忙しいのか会えてない
 まぁ光の女神様だから仕方ないのかな?
「ここが、メロー。綺麗な街並み」
「あるね気配。それもかなり強力な・・・」
「あの一番大きな屋敷からね」
 その屋敷とは、リディエラたちの屋敷だった
 当然中には妖精たちが暮らしている
「闇人以外の気配が十ほど、お姉ちゃん、中に妖精がいるみたいよ」
「うん、先に転移させないと」
 私は転移の力を発動し、中にいる十体の妖精を一気に外へ転移させた
「な、何事ですか!?」
「カスミさん、また何かやらかしたのですか!?」
「私じゃないですよぉ!」
 妖精たちは何が起こったのか理解できずに慌てている
「おとなしくして。危害は加えないから」
「な、なんなのです! はっ、もしや、リディエラ様を亡き者にしようと画策して私たちを妖精質に!? でもカスミは屈しませんよ! 利用されるくらいならここで死んでやるのです!」
「何この子、妄想たくましいわね。とりあえずこの結界の中にいなさい。今からこの辺り一帯が戦場になるから」
「? 何する気ですか! 私たちは断固としてあなたたちと戦いますよ!」
 カスミは結界の内部を蹴りつけているが、その程度では何の傷も与えれないほどに結界は固い
「ぐぅ、だめなのです」
「この中、妖精魔法が全く使えないよ。どうしようもないね・・・」
 コルトも何もできずあきらめている
「いいからおとなしくしてなさいって。リディエラから頼まれてここに来たんだから」
「へ? そうなのですか?」
 素直ね、この子たち
「そうよ。あんたたちを守ったげるからお利口に待ってなさいっての」
「わ、わかりましたです!」
 全員おとなしく正座してこちらを見始めた
「さてと、次は街の住人を避難させますね」
 再び転移の力を使うと今度は街の住人を全て近くの山に避難させた
「もう異変に気付いたみたい。ルニア、準備して」
「うん、こっちは大丈夫よお姉ちゃん」
 突如リディエラの屋敷のあった場所からブラックホールのようなものが現れ、周囲の建物を吹き飛ばした
「何で神がこんなとこに来てるのよ! クウダ、戦闘準備、消し飛ばしてやるわよ」
「そうだねミヤ、たった二人、楽勝だよ」
 サニアとルニア二人に対し、相手の闇人は千人ほど
 それも一人一人が神に匹敵している
「数なんて問題じゃないわ。私達のかわいい姪っ子をいじめた罰は受けてもらうから」
「それに、あなたたちは邪悪すぎます。再び世界に混乱を招く闇人、全て排除させてもらいます」
 サニアとルニアは力を開放した
 その力は闇人達をはるかに上回っており、たとえ一万人でかかったとしても勝てないことがすぐに理解できた
「なによ、これ・・・。話が違うじゃない。あんなのどう転んでも勝てっこない・・・」
「そりゃそうよ。あんたたちの思ってる神ってのはどうせ下位の神のことでしょう? あたしたちとは文字通り格が違うのよ」
 サニアとルニアは手を合わせ、光を放った
 圧倒的な浄化の光
 妖精や人間たちに影響は一切ないが、至近距離で浴びた闇人達は跡形もなく消え去った
「ふぅ、浄化完了っと」
 ルニアは額の汗をぬぐう動作をして、壊れた建物を見る
「お姉ちゃん、これ直せる?」
「うん、問題ないと思う」
 サニアは自身の神力を使って崩れた建物を元に戻して見せた
「終わったよルニア、帰ろう」
「うん!」
 妖精たちをその場に降ろし、二柱の女神は黒の国へと帰っていった
 一部始終を少し後ろから見ていた黒族のベリウスは何もする暇もなく終わったことで驚いたが、この双子なら当然だと思い、共に戻った
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