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白黒鬼姉妹の冒険2
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ここはリザードマンの国、お姉ちゃんもなんだか興奮しているように見える
なんだ、結局お姉ちゃんも旅行したかったんじゃない
「ハクラ様、クロハ様、あっちに魚料理を提供しているお店があります。そちらでお食事でも」
「そうね、そろそろお昼だしそこで食べていきましょう。それと宿も取っておきたいわ」
「任せてくださいっす! あたしがちょちょいと取ってくるっすよ!」
キキは食事処を、アカネは宿を見つけてきてくれた
アカネが宿のチェックインを済ませるのを待って魚料理屋に入ってみる
「うわぁ、良い匂い」
「香ばしい香りですね~」
席に着くとさっそくメニュー表を見て注文
私はアクアパッツァという魚介がたくさん入った料理に白ご飯!
白ご飯と言えば私!
あぁ、幸せのふっくらご飯
お姉ちゃんは焼き魚尽くしで、あの体のどこにこれだけの量が?ってくらいにたくさん頼んでる
ん?アカネも同じくらい焼き魚の山もり・・・
二人ともすごいなぁ
キキはペスカトーレという麺料理?
何だろう、見たことない料理
ソウカは鰤の照り焼き、これも美味しそう
アクアパッツァに続いてみんなの料理も運ばれてきて、料理のいい香りがお腹を刺激してくれる
「おいしそ~。お姉ちゃん、少し交換しよ」
「そうね、私もそれ食べてみたいわ」
焼き魚一匹とアクアパッツァ一口を交換
ユヤという魚の塩焼き
ひと噛みすると、ふっくらとした白い身がホクホク美味しい
アクアパッツァの方も食べてみると、魚介のうまみが凝縮された味が口いっぱいに広がる
ご飯とよく合いますねぇ
私が食べ終わると同時にお姉ちゃんも食べ終わってる
あれだけあった魚を骨も残さず・・・
アカネも骨が残ってない
すごいなこの二人
しかもお姉ちゃんは食べ方がおしとやかだから余計にすごい
「さて、今日はリザードマンの格闘家の道場へ行くことにしてるから、少し食休みをしたら行きましょう」
お姉ちゃんはどうやらその道場に連絡を取ってたらしい
昔少し習ってたって聞いたことがある
道場は小さくて、やっていけるの?って疑問が思わず口をついて出そうになった
「ここが昔私がお世話になったベイザさんの道場よ」
扉をたたく
「はーい」
出てきたのは温厚そうな女の人
とても格闘家をしていそうな感じじゃない
「あら~、クロハちゃんじゃない、久しぶりね」
ニコニコと微笑む女性。ほんわかして心地いいかも
「お久しぶりですベイザさん」
「え? じゃぁこの人が?」
「そうよ。こう見えてベイザさんはすごく強いの。多分リザードマンの中でもトップクラスね」
「あら、そんなことないわよ。私より強い人なんてこの国にはたくさんいるわよ」
「またまたご謙遜を。格闘技大会の10回連続優勝は未だ破られてないらしいじゃないですか」
うわ、すごい
リザードマンの格闘技大会と言えば世界中から腕に自信のある人達が集う大きな大会
その優勝者となると本当に世界的に強いってことになる
しかもこの大会は武器の使用は無し
単純に腕っぷしだけってこと
「お姉ちゃん、凄すぎる人だけど、こんな人に習えるの? 弟子とか多いんじゃ・・・」
「大丈夫、この人の唯一の弟子は私だけだから」
「え、そうなの?」
お姉ちゃんはまだ私が幼いころにこの人に弟子入りしたらしいけど、詳しくは聞いたことなかったな
その頃修行のためにいろいろな技を学んでたお姉ちゃん
その過程でベイザさんにも弟子入りを志願したらしいけど、当時のベイザさんは一切弟子を取らないことで有名だった
それでも熱意を伝え、私を守るために強くなりたいと言ったお姉ちゃんを仕方なく弟子に取ったらしい
「当時は仕方なくでしたけどね。今ではよかったと思ってますよ。あなたほど真面目で優秀な弟子は後にも先にもいないでしょうし」
「それはベイザさんがあの時以来弟子を取ってないからじゃないですか」
「だって、めんどくさいんだもん」
なるほど、そういう性格の人だからずっと弟子を断ってたんだ
「まぁ、なたの頼みだから稽古、つけてあげるわ」
「ありがとうございます!」
みんなで頭を下げた。どんな修行何だろう?
ちょっとワクワクしちゃう
はい、案の定地獄のような修行でしたって言いたかったんだけど、ベイザさんの教え方は的確
無駄な筋肉をつけないような効率的な運動と、よくわかる技の伝授で比較的体に負担がかからなかった
この人、教えるのも天才的だ
「体幹です。要はバランス。バランスは格闘技において最も重要な要素の一つ。これを鍛えることによってどんな体勢からでも技を繰り出せます。地に根を張った格闘術。それが私の戦い方です」
たまに実戦のようにベイザさんと打ち込みをすることがあったけど、うまく手加減されていて私たちの弱点がよく見えて、直すところが分かる
ほんの二週間ほどで、ベイザさんの修行は終わった
「うん、基礎はだいぶ身についたと思うわ。あとは体幹を鍛えることを忘れないでね。一番いい修行は転がってくる別々の大きさの石の上に素早く片足で立つ特訓かな」
「ありがとうございました!」
リザードマンの国での修行も終わってベイザさんにお礼を言った
「またいつでも来てね。歓迎するから。それとハクラちゃん。あなた、お姉さんを超える素質があるわ。できればもうちょっとここにいて欲しいけど・・・」
「ありがとうございます。また来た時にぜひ!」
お姉ちゃんを超える素質、か
嬉しいかも
だって、お姉ちゃんのことだって守れるってことだもん
「ハクラは私が守るのだからこれ以上強くならなくていいわよ」って言ってるけど、やっぱり私は強くなりたい
いつも私を守ってくれるお姉ちゃんに迷惑をかけたくないし
自分の身は自分で守れるくらいに!
なんだ、結局お姉ちゃんも旅行したかったんじゃない
「ハクラ様、クロハ様、あっちに魚料理を提供しているお店があります。そちらでお食事でも」
「そうね、そろそろお昼だしそこで食べていきましょう。それと宿も取っておきたいわ」
「任せてくださいっす! あたしがちょちょいと取ってくるっすよ!」
キキは食事処を、アカネは宿を見つけてきてくれた
アカネが宿のチェックインを済ませるのを待って魚料理屋に入ってみる
「うわぁ、良い匂い」
「香ばしい香りですね~」
席に着くとさっそくメニュー表を見て注文
私はアクアパッツァという魚介がたくさん入った料理に白ご飯!
白ご飯と言えば私!
あぁ、幸せのふっくらご飯
お姉ちゃんは焼き魚尽くしで、あの体のどこにこれだけの量が?ってくらいにたくさん頼んでる
ん?アカネも同じくらい焼き魚の山もり・・・
二人ともすごいなぁ
キキはペスカトーレという麺料理?
何だろう、見たことない料理
ソウカは鰤の照り焼き、これも美味しそう
アクアパッツァに続いてみんなの料理も運ばれてきて、料理のいい香りがお腹を刺激してくれる
「おいしそ~。お姉ちゃん、少し交換しよ」
「そうね、私もそれ食べてみたいわ」
焼き魚一匹とアクアパッツァ一口を交換
ユヤという魚の塩焼き
ひと噛みすると、ふっくらとした白い身がホクホク美味しい
アクアパッツァの方も食べてみると、魚介のうまみが凝縮された味が口いっぱいに広がる
ご飯とよく合いますねぇ
私が食べ終わると同時にお姉ちゃんも食べ終わってる
あれだけあった魚を骨も残さず・・・
アカネも骨が残ってない
すごいなこの二人
しかもお姉ちゃんは食べ方がおしとやかだから余計にすごい
「さて、今日はリザードマンの格闘家の道場へ行くことにしてるから、少し食休みをしたら行きましょう」
お姉ちゃんはどうやらその道場に連絡を取ってたらしい
昔少し習ってたって聞いたことがある
道場は小さくて、やっていけるの?って疑問が思わず口をついて出そうになった
「ここが昔私がお世話になったベイザさんの道場よ」
扉をたたく
「はーい」
出てきたのは温厚そうな女の人
とても格闘家をしていそうな感じじゃない
「あら~、クロハちゃんじゃない、久しぶりね」
ニコニコと微笑む女性。ほんわかして心地いいかも
「お久しぶりですベイザさん」
「え? じゃぁこの人が?」
「そうよ。こう見えてベイザさんはすごく強いの。多分リザードマンの中でもトップクラスね」
「あら、そんなことないわよ。私より強い人なんてこの国にはたくさんいるわよ」
「またまたご謙遜を。格闘技大会の10回連続優勝は未だ破られてないらしいじゃないですか」
うわ、すごい
リザードマンの格闘技大会と言えば世界中から腕に自信のある人達が集う大きな大会
その優勝者となると本当に世界的に強いってことになる
しかもこの大会は武器の使用は無し
単純に腕っぷしだけってこと
「お姉ちゃん、凄すぎる人だけど、こんな人に習えるの? 弟子とか多いんじゃ・・・」
「大丈夫、この人の唯一の弟子は私だけだから」
「え、そうなの?」
お姉ちゃんはまだ私が幼いころにこの人に弟子入りしたらしいけど、詳しくは聞いたことなかったな
その頃修行のためにいろいろな技を学んでたお姉ちゃん
その過程でベイザさんにも弟子入りを志願したらしいけど、当時のベイザさんは一切弟子を取らないことで有名だった
それでも熱意を伝え、私を守るために強くなりたいと言ったお姉ちゃんを仕方なく弟子に取ったらしい
「当時は仕方なくでしたけどね。今ではよかったと思ってますよ。あなたほど真面目で優秀な弟子は後にも先にもいないでしょうし」
「それはベイザさんがあの時以来弟子を取ってないからじゃないですか」
「だって、めんどくさいんだもん」
なるほど、そういう性格の人だからずっと弟子を断ってたんだ
「まぁ、なたの頼みだから稽古、つけてあげるわ」
「ありがとうございます!」
みんなで頭を下げた。どんな修行何だろう?
ちょっとワクワクしちゃう
はい、案の定地獄のような修行でしたって言いたかったんだけど、ベイザさんの教え方は的確
無駄な筋肉をつけないような効率的な運動と、よくわかる技の伝授で比較的体に負担がかからなかった
この人、教えるのも天才的だ
「体幹です。要はバランス。バランスは格闘技において最も重要な要素の一つ。これを鍛えることによってどんな体勢からでも技を繰り出せます。地に根を張った格闘術。それが私の戦い方です」
たまに実戦のようにベイザさんと打ち込みをすることがあったけど、うまく手加減されていて私たちの弱点がよく見えて、直すところが分かる
ほんの二週間ほどで、ベイザさんの修行は終わった
「うん、基礎はだいぶ身についたと思うわ。あとは体幹を鍛えることを忘れないでね。一番いい修行は転がってくる別々の大きさの石の上に素早く片足で立つ特訓かな」
「ありがとうございました!」
リザードマンの国での修行も終わってベイザさんにお礼を言った
「またいつでも来てね。歓迎するから。それとハクラちゃん。あなた、お姉さんを超える素質があるわ。できればもうちょっとここにいて欲しいけど・・・」
「ありがとうございます。また来た時にぜひ!」
お姉ちゃんを超える素質、か
嬉しいかも
だって、お姉ちゃんのことだって守れるってことだもん
「ハクラは私が守るのだからこれ以上強くならなくていいわよ」って言ってるけど、やっぱり私は強くなりたい
いつも私を守ってくれるお姉ちゃんに迷惑をかけたくないし
自分の身は自分で守れるくらいに!
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