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魔族の国5
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巨大トカゲを倒してから数時間後、魔力の回復した僕たちは周辺を調べてみた
このトカゲの元は近くの森に生息するトカゲで、虫を食べるおとなしい性格のトカゲだ
この辺りにしか生息していないトカゲなので、ついさきほどまで犯人がいたことになる
それも魔王がいるのを知っているかのようなタイミングの良さ
だんだんと魔物化の犯人と魔王襲撃の犯人が繋がってきているような気がしてきた
「そう言えば各地で見たことのない魔物の情報が上がってきています。この国だけではなく他国にも出現しているみたいですね。ただ、ここ最近のこの国での目撃例は各国の比ではありません。あきらかに多いですね」
リドリリさんが報告書を確認しながらそう教えてくれた
「やはり前魔王が生きていたと考えるべきか。しかし一体どうやって・・・。俺たちは確かに死体を確認した。それだけは間違いないんだよなぁ。蘇りか? いやでもそんな魔法聞いたことないしな」
「母さんなら何か分かるかも。聞いてみるよ」
「そうか、精霊女王なら何か知ってるかもしれないな。リディエラ、頼む」
通信魔法で母さんに連絡を取ってみる
すぐにつながり、嬉しそうな母さんの声が聞こえてきた
「リディちゃん、もっと連絡をよこしなさいな。精霊たちの報告だけじゃなくてあなたの声を聴きたいわ」
「ごめなさい母さん。もっと連絡するようにするよ。ところで、母さんは蘇りの魔法って聞いたことある?」
少し考えているのか、間を開けて答えてくれた
「ありますよ。大神様が使う魔法です。しかし神々に魔王を蘇らせるような愚かな者はいません。それに蘇らせるにしても死してすぐのような魂でなくては・・・。そうですね、少し気になることがあるのでこちらで調べておきましょう。それと勇者アイシス、あなたに今一度加護を与えておきます。リディちゃん、お願いね。それから次はいつ帰ってくるのです? 母はいつでもあなたの帰りを待ってますよ」
「う、うん、近いうちにまた帰るよ。ありがとう母さん」
みんなの前で恥ずかしい
でも、これで何かわかるかもしれない
「なんていうか、その、女王変わったな」
「えぇ、リディエラ様に関しては前が見えなくなるほどの可愛がりぶりでして、まぁこれだけ可愛いのですから当然でしょう」
テュネが得意げに僕をよしよしする
やめてください恥ずか死します
母さんからの連絡を待つ間、魔王国で食事をすることになった
高級なレストランにキーラたちと入る
「これは魔王様! お久しぶりです!」
「うむ、今日は友人も来ているので最高の料理を頼むぞ」
「はっ、かしこまりました」
オーナーと思われる魔族の男性がお辞儀をして席に案内してくれた
「ここは異世界の料理を出してくれる中でも吾輩が一番おいしいと思った店なのだ。存分に味わってほしいぞ」
鼻高々に店の自慢をするキーラ。なんてかわいいんだろう
しばらくして料理が運ばれてきた
毒身としてまずリドリリが口をつける
彼女には毒が効かないそうなので適任だね
「大丈夫です。危険な物は混入してません」
最初の料理はネギのポワレ
かかっているのはお酢を基準にしたドレッシングで、油は使ってないらしい
口に入れて咀嚼すると、ほろ苦い味の後にすっきりとした酸味、そして甘みが広がった
おいしい、こんなおいしいネギは食べたことがないかも
次は魚介のテリーヌ。ゼリー状に固められた煮凝りの中にエビや魚の身が入っている
甘辛い煮凝りが魚介とすごく合ってる
「美味しいですね、今まで食べたことがありません」
「そうだろうそうだろう。異世界人の料理人がこの国にはたくさんいるからな。 確かここのシェフはジャンヌという異世界人の女性だぞ」
なるほど、じゃぁこれってやっぱりフランス料理なのかな?
前世でも食べたことないけど、聞いたことはある
確かフランス料理の製法にテリーヌとかいうのがあったはず
次はプロカロというヒラメに似た魚のフリット
骨までカラッと揚げられているのでサクサクおいしい
レモンを絞って食べると最高だ
さらに肉料理
シンプルに牛肉のステーキだった
大きさはそれほど大きくなく食べやすい
口の中で脂がはじけるようにトロけ出てきて甘みが広がった
ソースは濃いんだけど、口当たりは滑らかで肉の味を引き立ててくれる
ドリンク、僕はフルーツジュース、みんなはワインを頼んでいた
魚には白、肉には赤
僕はお酒なんて飲んだことないからわからないけど、皆おいしそうに飲んでいる
「このワインというお酒、口当たりがいいですね。どういうお酒なのですか?」
アスラムの質問にリドリリさんが答える
「それはジューオンで作られた特別製です。最近魔族たちがようやく製法を会得したので出回り始めました。まだまだ異世界の技術には及びませんが、それなりにおいしいものができたと報告が上がってきてますね」
よくわからないけどなんだかすごそうだ
異世界の技術がだんだんといろいろなところに広がっているみたいだね
そして最後に出たのはフルーツのタルト
イチゴや桃、メロンにぶどう、多種多様のフルーツが乗っている
これらはエルフの国との貿易が始まったから輸入が始まったらしい
まだまだ痛みやすい果物はなかなか入ってこないらしいけど、エルフの国の果物は普通より痛みにくいみたいからそのうち入って来るかもね
レストランの料理に大満足して食後の談議に花を咲かせていると、母さんから連絡が入った
どうやら前魔王が使ったのではないかと思われる魔法が分かったらしい
これってやっぱり、前魔王は生きてたってことなのかな?
このトカゲの元は近くの森に生息するトカゲで、虫を食べるおとなしい性格のトカゲだ
この辺りにしか生息していないトカゲなので、ついさきほどまで犯人がいたことになる
それも魔王がいるのを知っているかのようなタイミングの良さ
だんだんと魔物化の犯人と魔王襲撃の犯人が繋がってきているような気がしてきた
「そう言えば各地で見たことのない魔物の情報が上がってきています。この国だけではなく他国にも出現しているみたいですね。ただ、ここ最近のこの国での目撃例は各国の比ではありません。あきらかに多いですね」
リドリリさんが報告書を確認しながらそう教えてくれた
「やはり前魔王が生きていたと考えるべきか。しかし一体どうやって・・・。俺たちは確かに死体を確認した。それだけは間違いないんだよなぁ。蘇りか? いやでもそんな魔法聞いたことないしな」
「母さんなら何か分かるかも。聞いてみるよ」
「そうか、精霊女王なら何か知ってるかもしれないな。リディエラ、頼む」
通信魔法で母さんに連絡を取ってみる
すぐにつながり、嬉しそうな母さんの声が聞こえてきた
「リディちゃん、もっと連絡をよこしなさいな。精霊たちの報告だけじゃなくてあなたの声を聴きたいわ」
「ごめなさい母さん。もっと連絡するようにするよ。ところで、母さんは蘇りの魔法って聞いたことある?」
少し考えているのか、間を開けて答えてくれた
「ありますよ。大神様が使う魔法です。しかし神々に魔王を蘇らせるような愚かな者はいません。それに蘇らせるにしても死してすぐのような魂でなくては・・・。そうですね、少し気になることがあるのでこちらで調べておきましょう。それと勇者アイシス、あなたに今一度加護を与えておきます。リディちゃん、お願いね。それから次はいつ帰ってくるのです? 母はいつでもあなたの帰りを待ってますよ」
「う、うん、近いうちにまた帰るよ。ありがとう母さん」
みんなの前で恥ずかしい
でも、これで何かわかるかもしれない
「なんていうか、その、女王変わったな」
「えぇ、リディエラ様に関しては前が見えなくなるほどの可愛がりぶりでして、まぁこれだけ可愛いのですから当然でしょう」
テュネが得意げに僕をよしよしする
やめてください恥ずか死します
母さんからの連絡を待つ間、魔王国で食事をすることになった
高級なレストランにキーラたちと入る
「これは魔王様! お久しぶりです!」
「うむ、今日は友人も来ているので最高の料理を頼むぞ」
「はっ、かしこまりました」
オーナーと思われる魔族の男性がお辞儀をして席に案内してくれた
「ここは異世界の料理を出してくれる中でも吾輩が一番おいしいと思った店なのだ。存分に味わってほしいぞ」
鼻高々に店の自慢をするキーラ。なんてかわいいんだろう
しばらくして料理が運ばれてきた
毒身としてまずリドリリが口をつける
彼女には毒が効かないそうなので適任だね
「大丈夫です。危険な物は混入してません」
最初の料理はネギのポワレ
かかっているのはお酢を基準にしたドレッシングで、油は使ってないらしい
口に入れて咀嚼すると、ほろ苦い味の後にすっきりとした酸味、そして甘みが広がった
おいしい、こんなおいしいネギは食べたことがないかも
次は魚介のテリーヌ。ゼリー状に固められた煮凝りの中にエビや魚の身が入っている
甘辛い煮凝りが魚介とすごく合ってる
「美味しいですね、今まで食べたことがありません」
「そうだろうそうだろう。異世界人の料理人がこの国にはたくさんいるからな。 確かここのシェフはジャンヌという異世界人の女性だぞ」
なるほど、じゃぁこれってやっぱりフランス料理なのかな?
前世でも食べたことないけど、聞いたことはある
確かフランス料理の製法にテリーヌとかいうのがあったはず
次はプロカロというヒラメに似た魚のフリット
骨までカラッと揚げられているのでサクサクおいしい
レモンを絞って食べると最高だ
さらに肉料理
シンプルに牛肉のステーキだった
大きさはそれほど大きくなく食べやすい
口の中で脂がはじけるようにトロけ出てきて甘みが広がった
ソースは濃いんだけど、口当たりは滑らかで肉の味を引き立ててくれる
ドリンク、僕はフルーツジュース、みんなはワインを頼んでいた
魚には白、肉には赤
僕はお酒なんて飲んだことないからわからないけど、皆おいしそうに飲んでいる
「このワインというお酒、口当たりがいいですね。どういうお酒なのですか?」
アスラムの質問にリドリリさんが答える
「それはジューオンで作られた特別製です。最近魔族たちがようやく製法を会得したので出回り始めました。まだまだ異世界の技術には及びませんが、それなりにおいしいものができたと報告が上がってきてますね」
よくわからないけどなんだかすごそうだ
異世界の技術がだんだんといろいろなところに広がっているみたいだね
そして最後に出たのはフルーツのタルト
イチゴや桃、メロンにぶどう、多種多様のフルーツが乗っている
これらはエルフの国との貿易が始まったから輸入が始まったらしい
まだまだ痛みやすい果物はなかなか入ってこないらしいけど、エルフの国の果物は普通より痛みにくいみたいからそのうち入って来るかもね
レストランの料理に大満足して食後の談議に花を咲かせていると、母さんから連絡が入った
どうやら前魔王が使ったのではないかと思われる魔法が分かったらしい
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