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エルフの国7
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次の日のこと、影の精霊シノノから連絡があった
どうやら鬼ヶ島で出会った魔族の女性の情報を手に入れたようだ
すぐにベッドから飛び起きてその報告を聞いてみる
「結論から言うと、彼女の正体は不明でやす。ジューオンに問い合わせても彼女の情報が一切ないようなんでやす。魔族なのは間違いないので一応引き続き調査をしてみやす。それとっすね、気になることを聞きやした」
シノノが魔族に聞いた話によると、どうやら今魔王が命を狙われているらしい
魔族も犯人を捜しているようで、あの女性はその犯人である可能性が高いというのだ
ここは魔族たちと情報共有して調査することになった
朝から物騒な話を聞いたけど、シノノたちに任せよう
今はまだ先の話だけど、近い未来に魔族国とも同盟を結んで仲良くするつもりだ
今の魔王は先代と違って平和と友好を望み、様々な種族と同盟を結んでいると聞いた
そのうちジューオンの観光もできるといいな
さて、気を取り直して今日は虹の泉へ行こう
虹の泉は世界樹を通り過ぎた先にあった
それも世界樹のすぐ近くだ
なるほど、これは確かに七色に輝いている
日光に照らされてきらめく泉、中に沈んでいる鉱石が輝いているみたいだ
他にも観光客が来ていて、皆泉を見て驚いている
ん? なんだか驚きようがひと際激しいような
彼らが指さす方向を見てみると、水面にうねりができていた
「なになに? 何かいる」
うねりはこちらに向かってきているみたいだ
正体不明のものが水中に蠢く姿は結構怖い
ドキドキしながら見ていると、水面からクリッとした目の大きな蛇が這い出してきた
すごく大きい
20メートルはありそうだ
その蛇は僕たちに頭を垂れた
「この子はどうやら聖獣のようですね。ここに住んでいるようです」
「だ、大丈夫? 噛んだりしない?」
「大丈夫ですよ。頭を撫でてあげてください」
テュネに促されるままにその蛇の頭を撫でてあげると、蛇はうっとりと目を閉じた
周りの人たちはかなり驚いているみたいだ
ここの聖獣はなかなか姿を見せないみたいで、今この場にいた観光客たちはみんなその幸運に喜んでいた
しばらく撫でてあげると、蛇はゆっくりと泉の中に戻って行った
手触りはなかなかに気持ちよかったなぁ
泉ではボートの貸し出しや、泳いだりもできるので、水着を借りてきて早速泳いでみることにした
ちなみに水質はすごくきれいなので直接飲むこともできるんだって
貸し出されている水着に着替えると、僕らは泉に飛び込んだ
水着は全員スクール水着のようなタイプ
これしかなかったからしょうがないね
ここの管理人はどうやら地球人の青年みたいだ。この水着、彼の趣味なんじゃなかろうか
泉は冷たくて気持ちよかった
僕たちを見ている人たちが多くて視線が痛かったけどね
泳いでいると、下からまた蛇がせりあがって来た
どうやら僕を乗せてくれるみたいだ
水面を滑るように進み、まるでジェットスライダーのようだ
まぁジェットスライダーなんて乗ったことないから知らないけど
少なくともくねくねはしないとは思う
それからたくさん遊んで疲れた僕は、水着から着替えて近くの休憩所で休んでから帰ることにした
休憩所では聖獣のぬいぐるみや泉で取れた鉱石を加工した宝石がお土産として売られていた
泉の水を汲んだミネラルウォーターまである
僕は聖獣のぬいぐるみを買ってもらい、それを持って歩いた
周りから微笑ましい目で見られてるのが少し恥ずかしい
休憩所を出ると、あの蛇が僕らを待っていた
「どうしたの?」と聞くと、蛇は僕にスリスリとすり寄って来た
「どうやら名前を付けてほしいみたいです。せっかくなのでつけてあげましょう」
蛇はそれを聞いて嬉しそうな顔をしている
蛇って表情あったの?
「そうだなぁ、セルズクは梟みたいだったからフクちゃんだったから。君はミーちゃん!」
テュネ、何その顔、あれ? なんかだめだったかな?
でも蛇は喜んでいるみたい
僕に顔をこすりつけて鳴いている
あれ? 蛇って鳴くんだったっけ?
ミーちゃんはこの泉の守りてなのでフクちゃんみたいには連れていけないけど、また会いに来よう
その後帰る途中の飲食店で夕ご飯を食べることにした
どうやら泉で取れた魚を扱うお店らしい
メニューをみると、ガン重という料理が目に入った
絵が描いてあるんだけど、どう見てもうな重だ
説明にはガンルチアという魚をかば焼きにしてご飯に乗せたものと書かれている
異世界人が伝えた料理を再現したものらしい
よし、これに決めた
注文して訳二十分、ガン重が出てきた
食欲を誘う香りでもうたまらないよ
お箸がなかったのでスプーンですくい取って食べる
身は脂がのっててフワフワ、骨はとろけるように柔らかい
かなりしっかりとしたかば焼きだ
お店の人の説明によると、煮て焼いて蒸して焼いてを繰り返して柔らかく仕上げるらしい
たれは異世界人の特製で、そのたれを分けてもらって継ぎ足し継ぎ足しの秘伝のたれなんだとか
一気に食べ進めて大満足
そして宿に帰り、次の日の予定を考えながら眠った
どうやら鬼ヶ島で出会った魔族の女性の情報を手に入れたようだ
すぐにベッドから飛び起きてその報告を聞いてみる
「結論から言うと、彼女の正体は不明でやす。ジューオンに問い合わせても彼女の情報が一切ないようなんでやす。魔族なのは間違いないので一応引き続き調査をしてみやす。それとっすね、気になることを聞きやした」
シノノが魔族に聞いた話によると、どうやら今魔王が命を狙われているらしい
魔族も犯人を捜しているようで、あの女性はその犯人である可能性が高いというのだ
ここは魔族たちと情報共有して調査することになった
朝から物騒な話を聞いたけど、シノノたちに任せよう
今はまだ先の話だけど、近い未来に魔族国とも同盟を結んで仲良くするつもりだ
今の魔王は先代と違って平和と友好を望み、様々な種族と同盟を結んでいると聞いた
そのうちジューオンの観光もできるといいな
さて、気を取り直して今日は虹の泉へ行こう
虹の泉は世界樹を通り過ぎた先にあった
それも世界樹のすぐ近くだ
なるほど、これは確かに七色に輝いている
日光に照らされてきらめく泉、中に沈んでいる鉱石が輝いているみたいだ
他にも観光客が来ていて、皆泉を見て驚いている
ん? なんだか驚きようがひと際激しいような
彼らが指さす方向を見てみると、水面にうねりができていた
「なになに? 何かいる」
うねりはこちらに向かってきているみたいだ
正体不明のものが水中に蠢く姿は結構怖い
ドキドキしながら見ていると、水面からクリッとした目の大きな蛇が這い出してきた
すごく大きい
20メートルはありそうだ
その蛇は僕たちに頭を垂れた
「この子はどうやら聖獣のようですね。ここに住んでいるようです」
「だ、大丈夫? 噛んだりしない?」
「大丈夫ですよ。頭を撫でてあげてください」
テュネに促されるままにその蛇の頭を撫でてあげると、蛇はうっとりと目を閉じた
周りの人たちはかなり驚いているみたいだ
ここの聖獣はなかなか姿を見せないみたいで、今この場にいた観光客たちはみんなその幸運に喜んでいた
しばらく撫でてあげると、蛇はゆっくりと泉の中に戻って行った
手触りはなかなかに気持ちよかったなぁ
泉ではボートの貸し出しや、泳いだりもできるので、水着を借りてきて早速泳いでみることにした
ちなみに水質はすごくきれいなので直接飲むこともできるんだって
貸し出されている水着に着替えると、僕らは泉に飛び込んだ
水着は全員スクール水着のようなタイプ
これしかなかったからしょうがないね
ここの管理人はどうやら地球人の青年みたいだ。この水着、彼の趣味なんじゃなかろうか
泉は冷たくて気持ちよかった
僕たちを見ている人たちが多くて視線が痛かったけどね
泳いでいると、下からまた蛇がせりあがって来た
どうやら僕を乗せてくれるみたいだ
水面を滑るように進み、まるでジェットスライダーのようだ
まぁジェットスライダーなんて乗ったことないから知らないけど
少なくともくねくねはしないとは思う
それからたくさん遊んで疲れた僕は、水着から着替えて近くの休憩所で休んでから帰ることにした
休憩所では聖獣のぬいぐるみや泉で取れた鉱石を加工した宝石がお土産として売られていた
泉の水を汲んだミネラルウォーターまである
僕は聖獣のぬいぐるみを買ってもらい、それを持って歩いた
周りから微笑ましい目で見られてるのが少し恥ずかしい
休憩所を出ると、あの蛇が僕らを待っていた
「どうしたの?」と聞くと、蛇は僕にスリスリとすり寄って来た
「どうやら名前を付けてほしいみたいです。せっかくなのでつけてあげましょう」
蛇はそれを聞いて嬉しそうな顔をしている
蛇って表情あったの?
「そうだなぁ、セルズクは梟みたいだったからフクちゃんだったから。君はミーちゃん!」
テュネ、何その顔、あれ? なんかだめだったかな?
でも蛇は喜んでいるみたい
僕に顔をこすりつけて鳴いている
あれ? 蛇って鳴くんだったっけ?
ミーちゃんはこの泉の守りてなのでフクちゃんみたいには連れていけないけど、また会いに来よう
その後帰る途中の飲食店で夕ご飯を食べることにした
どうやら泉で取れた魚を扱うお店らしい
メニューをみると、ガン重という料理が目に入った
絵が描いてあるんだけど、どう見てもうな重だ
説明にはガンルチアという魚をかば焼きにしてご飯に乗せたものと書かれている
異世界人が伝えた料理を再現したものらしい
よし、これに決めた
注文して訳二十分、ガン重が出てきた
食欲を誘う香りでもうたまらないよ
お箸がなかったのでスプーンですくい取って食べる
身は脂がのっててフワフワ、骨はとろけるように柔らかい
かなりしっかりとしたかば焼きだ
お店の人の説明によると、煮て焼いて蒸して焼いてを繰り返して柔らかく仕上げるらしい
たれは異世界人の特製で、そのたれを分けてもらって継ぎ足し継ぎ足しの秘伝のたれなんだとか
一気に食べ進めて大満足
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