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獣人の国2
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カルン大瀑布には一つのうわさがあった
滝の流れ落ちる巨大な泉には古来より龍が住む―――
その龍は滝を訪れた者の願いを気まぐれに叶えるのだそうだ
ただのうわさ話と思いきや、つい最近も龍を見たという幾人かの目撃証言もあるため何かが住むのは間違いないみたいだね
龍、前世ではお話の中にしか登場しない空想上の生き物とされてきた
僕も目が見えなくなる前に母さんによくそういう話を読んでもらっていたからもし滝に本当にいるのなら会ってみたい
翌朝早朝、ミューニアを出て森の中を歩いていく
観光名所なだけあって道もちゃんと整備されており、観光客らしき人々が滝へと向かっている。僕らもその流れに乗って滝へと向かった
一時間ほどで滝のある泉へとたどり着くと、目を疑う光景がそこに広がっていた
滝がその流れを止めていたのだ
現在管理人たちが原因を調査しているのだけど滝の流れ落ちる崖の上には強い魔物が出現するため難航している
そこで観光に来ている冒険者に報酬を出して調査を依頼することにしたらしい
管理者が冒険者たちを募り始めたので僕らもそれに参加することにした
せっかく滝の流れるさまを見れると思ったのに・・・。絶対に解決してやる
でもここでまた一つ問題が起きてしまった
僕たちは新米の冒険者だ。それがほかのベテラン冒険者をいら立たせてしまったみたいなんだよね。というわけで現在絶賛絡まれ中である
「おいおい嬢ちゃんたち、遊びじゃねぇんだよ。どうせ観光気分で参加する気だろ? 悪いことは言わねぇからおとなしくここで待ってな」
ガラの悪そうな男が笑いながらそう言ってくる
彼らはCランクの実力者だそうで、この辺りでは名の通った冒険者、“梟の目”というチームらしい
リーダーの男オウルは馬鹿にするように笑っている
他の冒険者たちも同じように笑っているのでかなりムッとしたけど、そこは大人な対応(無視)で乗り切ろうと思う
「どこいくんだ! 待ちやがれ!」
あ、ダメだった。 聞かなかったことにして自然に行こうとしたけど回り込まれてしまった。と言うか僕の腕をつかんでいる
ふいに僕のすぐ後ろで殺気が膨れ上がった。やばい、エンシュたちが精霊の姿に戻りそうだ
「不届き物が、リディエラ様の腕を放せ!」
彼女は一瞬のうちにオウルの後ろに回り込むと拳で黙らせた。つまり、殴って気絶させたのだ
周りはあっけに取られて動けないでいる
そんな彼らもフーレン、テュネ、アスラムが叩き気絶させていく。一瞬すぎて彼らは何もわからなかっただろうが僕には見えた
本当に一瞬だけど精霊の姿に戻ってしまってたよ。ばれると面倒なのでやめてほしいんだけど、すっきりしたのでまぁよしとしよう
「すまねぇ、実力者とは知らず馬鹿にしちまって」
オウルはこちらの実力を分かって謝ってくれた。まさに平謝りだ
誰も僕らが精霊だというのは気づいていないようでなにより
ひと悶着はあったが彼らとも和解して一緒に原因を調査することになった
話してみると彼らは案外気さくで、いろいろと楽しい冒険談を話して聞かせてくれたよ
危険な依頼、ダンジョンでの宝探し、初心者の頃の話など、非常に面白い話ばかりだった
せっかく僕らも冒険者になったのでそう言う冒険談を語れるくらいにはなりたいなぁ
そんな話をしていると崖の上、滝が流れ落ちるところまで上がって来た
やはりというか、上流までいかないと原因は分からないようだね
道中には危険な魔物も出るそうなので気を引き締めて向かうとしよう
滝の流れ落ちる巨大な泉には古来より龍が住む―――
その龍は滝を訪れた者の願いを気まぐれに叶えるのだそうだ
ただのうわさ話と思いきや、つい最近も龍を見たという幾人かの目撃証言もあるため何かが住むのは間違いないみたいだね
龍、前世ではお話の中にしか登場しない空想上の生き物とされてきた
僕も目が見えなくなる前に母さんによくそういう話を読んでもらっていたからもし滝に本当にいるのなら会ってみたい
翌朝早朝、ミューニアを出て森の中を歩いていく
観光名所なだけあって道もちゃんと整備されており、観光客らしき人々が滝へと向かっている。僕らもその流れに乗って滝へと向かった
一時間ほどで滝のある泉へとたどり着くと、目を疑う光景がそこに広がっていた
滝がその流れを止めていたのだ
現在管理人たちが原因を調査しているのだけど滝の流れ落ちる崖の上には強い魔物が出現するため難航している
そこで観光に来ている冒険者に報酬を出して調査を依頼することにしたらしい
管理者が冒険者たちを募り始めたので僕らもそれに参加することにした
せっかく滝の流れるさまを見れると思ったのに・・・。絶対に解決してやる
でもここでまた一つ問題が起きてしまった
僕たちは新米の冒険者だ。それがほかのベテラン冒険者をいら立たせてしまったみたいなんだよね。というわけで現在絶賛絡まれ中である
「おいおい嬢ちゃんたち、遊びじゃねぇんだよ。どうせ観光気分で参加する気だろ? 悪いことは言わねぇからおとなしくここで待ってな」
ガラの悪そうな男が笑いながらそう言ってくる
彼らはCランクの実力者だそうで、この辺りでは名の通った冒険者、“梟の目”というチームらしい
リーダーの男オウルは馬鹿にするように笑っている
他の冒険者たちも同じように笑っているのでかなりムッとしたけど、そこは大人な対応(無視)で乗り切ろうと思う
「どこいくんだ! 待ちやがれ!」
あ、ダメだった。 聞かなかったことにして自然に行こうとしたけど回り込まれてしまった。と言うか僕の腕をつかんでいる
ふいに僕のすぐ後ろで殺気が膨れ上がった。やばい、エンシュたちが精霊の姿に戻りそうだ
「不届き物が、リディエラ様の腕を放せ!」
彼女は一瞬のうちにオウルの後ろに回り込むと拳で黙らせた。つまり、殴って気絶させたのだ
周りはあっけに取られて動けないでいる
そんな彼らもフーレン、テュネ、アスラムが叩き気絶させていく。一瞬すぎて彼らは何もわからなかっただろうが僕には見えた
本当に一瞬だけど精霊の姿に戻ってしまってたよ。ばれると面倒なのでやめてほしいんだけど、すっきりしたのでまぁよしとしよう
「すまねぇ、実力者とは知らず馬鹿にしちまって」
オウルはこちらの実力を分かって謝ってくれた。まさに平謝りだ
誰も僕らが精霊だというのは気づいていないようでなにより
ひと悶着はあったが彼らとも和解して一緒に原因を調査することになった
話してみると彼らは案外気さくで、いろいろと楽しい冒険談を話して聞かせてくれたよ
危険な依頼、ダンジョンでの宝探し、初心者の頃の話など、非常に面白い話ばかりだった
せっかく僕らも冒険者になったのでそう言う冒険談を語れるくらいにはなりたいなぁ
そんな話をしていると崖の上、滝が流れ落ちるところまで上がって来た
やはりというか、上流までいかないと原因は分からないようだね
道中には危険な魔物も出るそうなので気を引き締めて向かうとしよう
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