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妖精の国4

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「本当にありがとうございます精霊様!」
 ティターニアさんはすぐにララフェルを抱きしめ、私にお礼を言ってくれた
 そして私はさっきの魔物の死体を見せる
「これは?」
「ララフェルちゃんを襲った魔物だよ。多分元々人間」
「これが、人間だったのですか!?」
「あ、いや、ちょっと怒っちゃって、グチャグチャになってるけど、しゃべってたのよ」
「わたくしにはこのような事例、見たことも聞いたこともないので理解が追い付いておりません」
「だよねぇ・・・。こいつ、どうやって魔物化したんだろう? ヒトが魔物になるってそう簡単なことじゃないよね?」
「はい、わたくしの知識によると、よほど強い魔素を浴び、且つその魔素に耐えうる肉体や精神を持っていなければ、ただ死ぬだけかと。そこまでのヒトは、仙人や真人など、ヒトから進化したヒトでなければ無理でしょう」
「お母様、この方はCランクの冒険者だったはずです。とてもではありませんが、そのような肉体も精神もないでしょう」
「だったら、何か手が加えられているのかも」
「それはヒトが人工的に魔物に変えられた、と言うことでしょうか?」
「私達が旅行中に体験した感じだと、それも否めないかな」
 今まで経験した事件、全て繋がっているのかも
 そんな気がしてならない
 ともかく今はこの魔物が他にもいないか警戒しないと
「こいつって仲間がいたの?」
「はい、誰も彼も非常に横柄で、妖精たちを捕まえようとしましたので呪いをかけて追放しました」
「だったら、まだ他にも魔物化した人間がいるかも。他には何人いたの?」
「あと三人です。四人組のパーティーでしたので」
 私は他にもいる可能性を考慮して、分体を放ってこの国中を探索させることにした
「みんなお願いね!」
 私から飛び出した分体は十二匹
 目や鼻、耳を共有し、いつでも異変が感じ取れるようにしておく
「んにゅあああん!」
 猫たちは一斉に国を駆け巡って行った
「ひとまずあの子達に任せよう。異変があればすぐに・・・」
「どうしましたか精霊様?」
「かかった。いきなりかかるとは思わなかった。えっと、この子がいるのは、あっち!」
 東の方に行ったチャトラの猫の探知に引っかかった魔物
 この国は魔物避けの魔法が全体にかかっているので、そもそも魔物がいること自体がおかしい
 そこにかかるってことは、さっきのやつみたいなのがいる可能性があるってことかな
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