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リザードマンの国6

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 楽しかった
 久しぶりの水遊びでもあったし、気持ちよかったよ
 ただ、フィオナちゃんは疲れ果てて眠ってしまった
 私は猫の姿になってフィオナちゃんを乗せると、宿まで一緒に帰った
 起こさないようにゆっくりとね
 宿に帰ってからフィオナちゃんをそっとベッドに寝かせ、私も小さくなって彼女の横で眠った

 翌朝
 鳥のさえずりで目を覚ますと、フィオナちゃんがいなくなっていた
「フィオナちゃん?」
 宿の中を探すと、フィオナちゃんが食堂で一心不乱に何かを食べていた
「何してるの?」
「あ! ご、ごめんねミア、昨日何も食べずに寝ちゃったからお腹すいちゃって。目が覚めてすぐ食べに来ちゃった。起こせばよかったね」
「アハハ、そんなにお腹空いてたんだ」
 可愛いなこの子ほんとに
 ハンバーガーのようなものをむしゃついて、口の周りにソースを付けながら
「ミアも何か食べよう」
「うん」
 私も朝食としゃれこんで、トーストセットを頼んだ
 オーソドックスなトースト、エッグベーコン、ココアのセットね
「おいしい! 特にこのココア、すごくおいしいよ」
「私はコークって飲み物にしたの。ほら、このパンによく合うんだよ」
 ハンバーガーのセットだったか
 フィオナちゃんが幸せそうでなにより
 朝食を終えて、私達は次なる観光名所を求めてまたギルドに来ていた
 すると昨日のお姉さんが窓口にいたので早速聞いてみることに
「昨日はありがとう! すごく楽しかった!」
「それはよかったです! では今度はここはどうですか?」
 お姉さんは地図を広げて、この国の少し上、南の方の山を指さした
 デレリアド火山と書かれている
「ここはデレリアド火山と言って、鉱物資源がたくさんとれるのですが、すごくきれいなものを見れるのです」
「すごくきれいなもの?」
「それは行ってみてのお楽しみと言うことで、まあ百聞は一見に如かずです」
「それもそうだね。行ってみるよ、ありがとう!」
 お姉さんにお礼を言ってフィオナちゃんと一緒にその火山を目指し、南の方の出入り口からウキウキと歩き出した
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