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新しい旅2

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 まずどこへ行こうかと二人でキャピキャピ相談しながら、トガツメヒメさんに会いにサミダレへとやって来た
「さて、トガツメヒメさんに話を聞きに行こっか」
「うん」
 何故この国に来て、トガツメヒメさんに会いに来たのかと言うと、彼女はこの世界に来た時からかなり長い間世界中を回っていたからだ
 彼女が来たのは数千年前って話らしくて、まだ古代の魔王が生きていた時代でもある
 彼女自身が来たばかりのころ、魔物のゴーストだったこともあって、彼女自身が討伐対象になったこともあったみたいだけど、世界中で様々な問題を解決していき、呪霊から呪霊姫、呪いの女帝など、数多くの進化を果たして、その当時の国々に認められた
 その後は呪霊や怨霊やゴースト、レイスなどをまとめ上げ、アンデッドたちの女王となってからは国を持ち、一大王国を築き上げた
 この世界で最も大きな国で、異世界人たちの技術も最近では取り入れ始めているため、爆発的な発展を遂げていっている
 あの時は忙しくてほとんど観光できなかったけど、今回は気ままな二人旅
 そして・・・

 城に入るとちっちゃなアラマキちゃんが出迎えてくれた
「よく来たでござる! こっちこっち!」
 ああ、可愛い。狂おしいほどに!
 私はアラマキちゃんを抱っこしてそのままトガツメヒメさんの元へ
 そう、抱きかかえたのだよ
 今回の旅は私、人間形態で行こうと思います
 何せ観光目的に重きを置いているからね
 この体じゃないとできないことってやっぱり多いからね
「ぬふふん」
 抱っこされてご機嫌なアラマキちゃん可愛い
 さて、トガツメヒメさん居室の襖を開けると
「ぐがああああ」
 とんでもない姿で寝てた
 これは、見てはいけないものを見てしまった気がする
「ぐごおおががが」
「母上! 母上起きてー」
 アラマキちゃんがトガツメヒメさんのお腹にドスンと乗っかった
「ふぐぉおおお!」
 あ、起きた
「ぬあ! なんじゃなんじゃ! 敵襲か!」
「母上、お客人来たでござる」
「なんじゃこら! 乙女の寝姿を無断で見るとはどこの不敬者・・・。なんじゃお主らか」
 取りあえずそばにあった着物を羽織るヒメ
 そう、この人裸で寝てたのである
「何の用じゃ? お主らの頼みなら割と聞いてやるぞ」
 おお、破格の申し出
「実は、今回また新しく旅に出ようと思いまして、それでですね」
「ちょっと待て、今気づいたが、その声、ミアか? 話に聞いておったが、なんとまぁ愛らしい出で立ちよのぉ」
「あ、ありがとうございます」
「あ、すまん、話を遮ってしもうた。じゃがあい分かった。あれじゃろ、観光地とかの情報が欲しいんじゃろう? お安い御用じゃ。ほれ」
 トガツメヒメさんは空間から本を一冊取り出して私によこした
「わらわがかつて旅をしていた時の諸国漫遊記、のようなものじゃ。千年以上前のものじゃが、最新版に常に更新しておいてある。役に立つじゃろう」
「ありがとうございます!」
「してミア、お主その体なら何か武器や防具が必要なんじゃないか? 良ければこれを持っていけ」
 また空間から刀を取り出す
「これはこの国で産出されたヒヒイロカネを鬼人たちが打って作られた業物じゃ。鬼人族のオーブ生成技術によって内部にオーブが埋め込まれておる。お主の精霊の力に反応しての魔法発動装置にもなっておる。魔法をその刀に溜めて放つことも出来るぞ」
「それは、便利そうですね」
「うむ、それをやる。頑張ったご褒美じゃ」
「ありがとうございます!」
 すごくいいものを二つももらった
 これを参考にしていろんな国を回ってみよう
 フィオナちゃんも楽しみなのかワクワクしてる
「気を付けてな。また来たら顔を見せてくれ」
「何から何までありがとうございました!」
 二人で頭を下げてトバツメヒメ様の部屋を出ると、その足でまずこの国の行ってない観光名所へと歩き出した
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