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タルニャ8

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 剣の数は十二本
 その剣は空中を自在に浮き、龍を絶え間なく斬りつけ続けた
「グギャアアアアアアアアアア!」
 叫ぶ龍
 炎を吐くが、大量の盾に阻まれてタルニャまで届かない
 その間も傷ができた同じ個所を正確に剣が斬り続けていたため、硬い鱗すらも砕き、やがて傷が広がり、そして首が落ちた
「はぁ、はぁ」
 勇者として完全に覚醒したタルニャ
 ここに空想の勇者タルニャが生まれた

 龍を倒したことで次なる階層が開かれる
 第三階層
 そこにはドワーフの男が立っていた
「よく来たな我が子孫よ」
 ドワーフの男は首をゴキリと鳴らし、タルニャを見つめる
「ほぉ、勇者の力を宿した者か。クカカカ! これは楽しそうだ」
「あなたは?」
「わしはな、数千年前に神に任命され、ここに配属された英霊、ダルトンだ」
「ダルトン・・・? もしや、初代ドワーフ王の!?」
「ふむ、そう呼ばれておるのか今は。クカカカ、お主を見ていると我が娘を思い出す。よく似ておるわ」
「娘様、ですか?」
「ああ、あやつも勇者に選ばれておったな・・・。さて、昔話をしに来たわけではあるまい。いざ、いざ尋常に」
「はい!」
 ダルトンが大斧を構える
 その斧からはかなりの魔力を感じた
「ここが最後の試練、第一階層は恐怖を克服し、第二階層は何物にも負けない勇気と根性。そして、最後は単純に力じゃ」
 斧を回すと、地面から大岩が浮き上がった
「わしはダルトン! 重力無双の大英雄と呼ばれし者! ゆくぞ子孫!」
「ファンタズムレイ!」
 大量のレーザーを岩に向かって撃ち、岩を砕くが、それを一斉にこちらに向けて飛ばしてくるダルトン
 その岩に紛れて一気に接近し、斧を振り回してタルニャを斬り裂こうとするが、卿かな盾で防いでさらにその盾でダルトンの頭を穿った
「ぐお! なかなかにやりおる」
 斧が地面を穿つと今度は鉄の塊が浮き出し、タルニャに向けて飛んできた
「スライス!」
 細胞レベルで切り裂く粒子の剣
 タルニャに細胞という知識はなかったが、ここでは最適解だったようで、鉄は簡単に斬り裂かれて落ちた
「む、これも駄目か」
「なれば」
 再び地面を打つと、ミスリル、オリハルコンで出来た巨人が現れた
「わしの全力じゃ。これをしのいでみせい!」
 タルニャはイメージをふくらませ、巨人たちを迎え撃った
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