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猫精霊の国1

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 アルセナを討伐して、リザードマンの国の危機が去ってから二日後のこと
「それでミアちゃん、うちと一緒に猫精霊が集まるケルヌヘリオンに行くってことで言いっすね?」
「うん」
 二日間ずっと考えてたんだ
 アルセナを倒したクロや英霊の力はすさまじいものだった
 私も、あの高みへ行って、皆を守れるようになりたいもん
「ミアが強くなってる間、私達ももっと強くなるからね!」
 フィオナちゃんはひとまず自身の勇者の力の原点へ帰ってみるとのこと
 バララスラ王国の勇者だからね。あそこに帰れば、未だ不明なフィオナちゃんの勇者としての本当の力が分かるかも
 実を言うとフィオナちゃんとタルニャはその力の本質がどういうものなのかを理解していない
 タルニャは盾を自在に操ってるから、守りの勇者とか守護の勇者って言われたりするけど、実際彼女は盾を武器として扱っている
 あれは勇者としての能力じゃなくて、タルニャのドワーフとしての特殊技能に近い
 盾としての力を最大限引き出してるらしい
「わたくしも、国に帰ってもう一度自身の力と向き直ってみますわ」
「僕とメアリーはフィオナに付きそうよ」
「フィオナのことは任せて!」
「拙は一旦トガツメヒメ様に報告するでござる。姫様ならもう色々と知っていそうではござるが」
 確かにあのトガツメヒメならありうる
 
 準備も整って、いざ出発
 クロに掴まると、クロは精霊魔法を使った
「異空転移」
 グニャリと周囲の景色が歪むと、一瞬クラっとして景色が変わった
「おお、すごいねこれ! 一瞬だ・・・。うっぷ、オロロロロロロ」
 転移した瞬間は平気だったのに、いきなり気持ち悪くなって吐いちゃった
「だ、大丈夫っすかミアちゃん!?」
「ら、らいじょうぶ」
 フラフラだけど、私はスッと立ち上がって、猫精霊国ケルヌヘリオンの美しい景色を目に焼き付けた
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