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魔王の王42

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 東の集落は既にグチャグチャで、たくさんの木の魔物が暴れていた
 その中に人型の木の魔物がいて、それが支持を出している
 驚くことにその魔物は以前苦労の末倒したポイゾナに瓜二つだった
「フフフ、全部栄養にするから殺しては駄目よ」
 流暢に話すポイゾナに似た魔物
 恐らくあれが食木の魔王だろう
「待ちなさい! それ以上ここの人達を襲わせない!」
 フィオナちゃんがリザードマンたちを襲っていた木の魔物を斬りながら魔王に叫ぶ
「あら、勇者? なんて矮小なんでしょう。でもそうね、いい栄養分になりそう。美味しくいただくとしましょう」
 魔王はそういうとてをじめんにかざした
 そこからたくさんの木の魔物が生まれ、こっちめがけて襲ってくる
「なんて数ですの!」
 おそらく数百体は生まれたであろう木の魔物
「助太刀いたす!」
 そこにリザードマンの戦士らしき男性が槍で数十体の木の魔物を一気に屠った
 槍は二槍あって、一つは燃え盛っててもう一つは凍えるような冷気を纏ってる
「我は氷炎の勇者ドラスル! 貴殿たちも勇者とお見受けする! 共にこの邪悪の魔王を討ち滅ぼそうぞ!」
 これは頼もしい味方だ
 どうやらリザードマンの今代の勇者らしい
 ドラスルさんは絶技と言えるほどの槍捌きで次々魔物を貫き、燃やし、凍らせていく
 つ、強い
「く、私の子供達をよくも」
 魔王はさらに魔物を生み出し続ける
「行きなさい!」
 さらに巨木の魔物を生み出して、こっちを踏みつぶさせようと指示を出す
「赤熱の風!」
 ドラスルさんが槍を一薙ぎすると、巨木の魔物は一気に燃え上がって炭になった
 さらにすごいのが、これだけ火を使って戦っているのに、魔物以外一切燃えていないってところだ
 どうやら任意の相手しか燃えないみたい
「ああああ!! 蘇れたのに! またヒトどもを喰らえると思ったのに!! なんなんだお前たち!! なんであの勇者より強い者がいる!」
 あの勇者って赤熱の勇者のことかな?
 でも、この魔王が言うってことは、ドラスルさんはその赤熱の魔王より強いってことか
「当然。我は歴代リザードマンの勇者でも最強である」
 ドラスルさんが持っていた日本の槍をやり投げのように構える
「グラングニル!!」
 日本の槍が音速を超えるほどの速度で撃ちだされ、魔王を貫いた
「ギアアアアアアアアアアアアアアア!!」
 凄い悲鳴
 燃え盛った後に凍り、砕け散る魔王
 しかし
「すぐ終わったんじゃ面白くないじゃない」
 声が響いて、黒い雫が砕けた魔王に滴り落ちる
「ぐ、アアアアアアアアアアアアアア!! アアアア!! 力が、漲る!!」
 魔王は再生し、さらに体が変わっていく
「これは、進化しているのか!?」
 ドラスルさんが戻って来た槍を再び撃ちだす
 が、それは魔王の両腕に簡単に止められてしまった
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