上 下
288 / 487

魔王の王34

しおりを挟む
「俺から話せるのはこんだけ。まあ襲ってきたりとかはないみたいだからさ、危険はないと思うぜ」
「ありがとう」
 料金を払い終えて早速果汁園へ乗り込んだ
 途中果物をもいで食べたりもしたけど、目的はマスクとかいう魔物
 まあ魔物かどうかもわからないし、もしかしたらゴーストとか幽霊とかかもしれないけどね
 
 しばらく色々見て回って食べて回ったけど全然出てこないニャ
 ともかく足で探すしかない
 この果汁園も一応弱い魔物が出るみたいで、私の感知じゃ数が多くてとらえきれないんだよね
 マスクだけを狙っては見つけれないってこと
「もぐもぐ、そこ、何かいるでござる」
 果物を両手いっぱいに持ってる上に口いっぱいに頬張っているアラマキさんが何かを見つけたみたい
 凄いなこの人、探知や感知系の力を使わずに自身の感覚だけで知覚してる
「何がいるの?」
「分からぬ。でも悪意はなさそうでござる。スライムあたりじゃないかな?」
 それほど弱い魔物ってことかな?
 とりあえずそれがいる気の後ろを見てみた
 すると、仮面?を被った小さな人型の生物が怯えるようにしてうずくまっていた
「大丈夫だよ、傷つけたりしないよ」
 私はゆっくり近づいてその生物に話しかけてみた
「プルリフルラ、セレヴェハリナン」
「え、なんて?」
「ヒュエロエタルヘルカ、ナムフィリオ、マシュロヘライトル」
 全く何を言ってるか分からない。それにこの子、魔力を全く感じない
 まぁ魔力がない人間も結構いるからそこは別に不思議じゃないんだけど、体が異質
 視たところ、仮面は確かにかぶってる
 下に顔があるみたい
 その子は顔にハマった仮面をはずす
 え、可愛い
「エシュルフル、ヘラトケリラ。アム、ティクラ・ビオン。ティクラ」
 なんとなくだけど、名乗ってる?
「ティクラ?」
「ム! アムティクラ! ティクラ!」
 喜んでるってことは、名前はティクラちゃん?
 この世界の、なんて言うか、この世界独特の匂いや雰囲気がない
 多分異世界の人? それも地球とかじゃなくて、なんて言っていいのか、ううんわかんないけど!
 ともかく違うんだ他の異世界人とは
 そう! 言葉が通じないってことは、世界というか、他の世界から来たとかなんとかじゃなくて
 私の力で翻訳できないってことは、女神の力が及んでいない世界から来たってこと
 たとえば、別の宇宙みたいな、たくさんの世界が集まったものを大きな一つの世界として、そのまた別のたくさんの世界が集まった別の大きな世界の方から来たヒト?みたいな感じ
 うまく説明なんてできないけど、そういう言い方が正しいと思うんだ
 とりあえずなんか私を抱っこして懐いてくれたみたいだから、連れて帰ることにした
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

リッチさんと僕

神谷モロ
ファンタジー
 異世界から転生された勇者は冒険のすえについに魔王を倒した。    しかし、彼はその後、人里を離れダンジョンで暮らし始め、そこで天寿を全うした。  彼の最後を看取ったは、このダンジョンで出会った一人の少年とメイドのみだった。 ……時はたち、少年は久しぶりに勇者の墓へ訪れた。  その墓の前で、ローブをまとった骸骨が一人立っていた。 「驚かしてしまったかな、私は……そうだな、リッチと呼ばれるものだ。安心してほしいこう見えても以前は教師だった。自分で言うのも何だが悪いモンスターではない」

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成! この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。 戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。 これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。 彼の行く先は天国か?それとも...? 誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。 小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中! 現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

婚約者が不倫しても平気です~公爵令嬢は案外冷静~

岡暁舟
恋愛
公爵令嬢アンナの婚約者:スティーブンが不倫をして…でも、アンナは平気だった。そこに真実の愛がないことなんて、最初から分かっていたから。

処理中です...