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魔王の王10

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 取りあえず宝玉は拾っておいて、皆の様子を見に行く
 フィオナちゃんとタルニャは流石勇者だけあってもうほとんど回復してる
 エルヴィスは手の再生が終わって呼吸も落ち着いてた
 ただメアリーは右目に針を受けていて、毒が脳にまで回っていた
 本当に少しずつ回復はして行ってるけど、しばらくは昏睡状態が続くかも
 何にせよみんな生きていてくれてよかった
 私は巨大化すると、皆を背中にのっけて街まで走り出す

 街に着くとちょうどメアリーとタルニャが目覚めた
「ミア、あいつは?」
「何とか倒せたよ。正直余裕なかった。強すぎたよ」
「うん、私達、弱いね・・・」
 あれは相手が強すぎたせいでフィオナちゃんたちが弱いってわけじゃないけど、それじゃあ本人は納得しないよね
「強くなるしかないよ。近道なんてないからね」
「ええ、そうですわ! こんなことでくじけていてはいけませんわよ! 命があったのですから、これからまた強くなればいいんですわ」
 タルニャは本当に前向きだね。そのおかげで私達も救われる思いだよ
 ひとまずまだ眠っている二人を宿に寝かせて、ギルドに報告しに行った
 ネームドモンスターのポイゾナを倒した事をね
「え? すみません聞き取りにくかったのでもう一度言っていただけますか?」
 小人、ホビット族の可愛い受付のお姉さんがあっけにとられた顔でそう聞き返した
「ですから、ポイゾナに追われて、やむなくこの子が倒したんです」
「猫ちゃん、か? ちょっと理解が」
「んにゅ、私が倒したよ。ほら、これ討伐の証拠」
 私は閉まっていた宝珠を差し出した
「しょ、少々お待ちください!」
 お姉さんは奥へ引っ込んだ
 しばらくして戻ってくる
「確認いたしました・・・。まさかAランクの冒険者でも討伐できなかったネームドを倒してしまうなんて」
 多分あの宝珠が本物かどうかを確認しに行ったんだと思うけど、どうやって分かるんだろうね?

 それから暫くギルドに聴取を受けて、他ギルドへも通達が行った
 まあ討伐にSランクの冒険者たちが派遣されてたからね
 行き違いにならないようにだろうね
「本当にありがとうございました! 猫ちゃんがいなかったらこの街は悲惨なことに・・・。考えただけでも身の毛がよだちますよ」
 現在ギルドマスターは出かけているらしく、戻って来次第報酬をくれるとのこと
 泊ってる宿を言って、私達はゆっくり休むために二人が眠ってる宿へ向かった
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