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魔王の王6

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「キュルフルルル」
 そんな声が森の中から聞こえてきた
 そして森のしげみをかき分けて何かが来る
「もしかして・・・」
 シュルリと登場した植物の体を持った女性
 顔はすでにニタリと気持ちの悪い笑顔を浮かべている
 一見すれば美しい女性で、恐らく擬態かなにかで獲物を油断させるための姿なんだと思う
 棘は、生えてない
「シュフルルル」
 大きさは170センチくらい
 スタイル抜群
 本当に見た目は綺麗な女の人
 ヒト族と言われても気づかないけど、その目には明らかに邪悪そうな魔力が宿ってる
「シュルフ、フシュルフル」
 何か喋ってる
 ネームドともなると個性があって、自我が強いものもいる
 毒棘令嬢ポイゾナと呼ばれるこの魔物
 数多の冒険者を毒殺して喰らってきた危険度マックスの魔物
「逃げなきゃ」
 今の実力で勝てるかどうか怪しい
 私に毒物は効かないけど、他のみんなは致死性の猛毒になすすべがない
 一応解毒魔法はあるけど、そこまで強力な毒だと効果がない
「仙術巨大化! みんな乗って!」
 私の背に皆を乗せたところでポイゾナは体中から針をジャキンと出した
 そしてこちらに狙いを定めてる
「振り落とされないでね!」
 私が走り出すと大量の針が尻尾に刺さる
「いたたたたたた!!」
 かなり痛いけど構わず走りぬけた
 幸い走っていた方向はホビットたちの国がある方向
 ホビットの国までは流石に追ってこないでしょ
 ポイゾナは動きは遅いからね
「ミア、大丈夫?」
「うん、私進化してから毒が無効になってるからね。毒物はどんなものだろうと効かないよ」
 尻尾が痛いのは針の痛みがあるから
 毒はもう完全に解毒できてる
 ともかく走って走って、追って来てないのを確認してから私は元に戻った
 刺さった針は戻ったと同時に抜け落ちたからもう大丈夫
「びっくりした。急に出て来るんだもん」
「わたくしまだ心臓がバクバク言ってますわ」
 うんうん、あれは怖いって
 まあでも一気にホビットの国に入ったみたい
 立て看板にホビットの国リトリアって書いてある
「もう少し進めば関所があるみたいだよ。とりあえず街に着いたら休みたいね」
「そうしましょう。疲れたわ、一気に」
 予期せぬポイゾナの出現で一気に心身ともに疲れた私達は、街に到着してすぐに宿に入って眠りについた
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