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勇者21

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 第四階層に入ってすぐそこが広い広いドームだと分かった
 すでにここが試練場だろうことが分かる
「ここは、もしかして最後のしれんかな?」
「そうみたい、ほら」
 マーナが指をさす方向にはネッシーのような巨大な竜
「竜だ」
「竜ね」
 二人の前にいる巨大な海竜は、静かに息をフーッと吐くとギロリと睨み、口から水球を吐き出した
 その速さは弾丸の如く
 一瞬反応が遅れたが、直撃は免れた
 しかし振動によるダメージは相当なもの
「ぐ、くぅ、いたたたた、これはきつい」
「大丈夫グルリシア!?」
 マーナのおかげで大した怪我はないが、直撃すれば一撃でやられることも考えられる
 海竜はさらに水球を吐き出してきた
 連続する水球攻撃に動きを阻害されて中々攻めきれないが、死角となる場所を探る二人
「あそこ! 首が回ってない!」
 グルリシアが見つけて海竜の隙
 逃げ回っていたおかげで海竜の可動域が分かった
 背後の臀部から斜め下あたり
 そこには首が届いていないため、攻撃が当たらない
「そこだ! 貫け槍よ!」
 巨大化した槍が臀部から背中にかけて海竜を貫く
「グウウガアアアアアアアアアアア!」
 痛みで暴れ出す海竜
 するりと回り込み、再び水球を滅茶苦茶に撃ってきた
 もはや当てようという意志はなく、怒りに任せての攻撃
 意思がない分厄介だった
「く、うわ」
「キャァ!」
 二人はその衝撃で引き離される
 だが海竜は着実に弱っており、水球の威力が落ちていた
「アクアブラスト!」
 水中を回転し、体制を立て直したマーナは、水のエネルギー弾を放った
 それが首に命中し、ゴキリと音をたてて変な方向へ折れ曲がる
 だが海竜はそれでも動き、マーナに狙いを定めて尻尾を叩きつけた
「槍よ!」
 巨大槍がその尻尾を流し、方向を変えてマーナを守る
「シルバーフロスト!」
 銀に輝く氷の塊が現れ、それがガチガチと海竜を囲むとグッと圧縮し、潰しこんでしまった
「はぁはぁ、なんとかなった、のかな?」
 潰れた海竜の体が消える
 そして一気に水が流れ出し、二人は開いた穴に吸い込まれて行った
 流れ流され、二人はぽーんと外に排出され、二人の目の前に宝箱が二つ現れた
「もしかして、ダンジョンクリア報酬かな?」
「開けてみましょう」
 ふたりはせーのでふたを開け、中身を確認して驚いた
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