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魔王との戦い33

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「しょうがないから奥の手だ! クーロン!!」
 ドールズは乗っていた魔物に声をかける
 どうやらこのクーロンとかいう魔物は操られているんじゃなくて、単純に懐柔されているみたい
 そしてクーロンはドールズから魔力をもらうとその姿を変容させた
 九つの頭を持つ竜
 それがクーロンの真の姿と言わんばかりに禍々しい
「さあクーロン、殲滅の時間だよ」
「グガアアアアアアアアアアアアア!!」
 吠えるクーロン
 その口からは炎、氷、水、毒、風、岩石、雷、闇、光、無属性魔法
 九つのエレメントの魔力を持った息吹を吐き出している
 ざっと私が見た判断だけど、Sランクの魔物と言っていい
 私達じゃ絶対に勝てない
「ふーん、結構強いね! でもさっきも見たでしょ? 私の兵器は世界一!」
 ガシャンガシャンとマーキナが変形した
 なんと兵器が全て合体し、一つの砲台になった
「いっくよーーー!! グランレールレイ!!」
 ヒュオオオオオオオオオオオという大きな音が響いて
 シュンッっていう音がしたと思うと、砲台の先端から一筋の光が出た
「あえ?」
 ドールズの何とも間の抜けた声がしたかと思うと、クーロンは何もすることなく地上から消え去っていた
 巨大な魔物が一瞬で蒸発するほどの火力・・・
「あ、嘘、僕の、僕の最強の・・・。手ごま」
 ドールズはその場にへたり込み、仮面がカランと落ちる
 その顔はまだあどけなさの残る少女だった
 体格が大きく見えたのは、どうやら何かに乗っていたからみたい
「あ、ああ、せっかく、せっかく蘇ったのに、もっともっと遊びたかったのに、人間たちの悲鳴、聞き、たか・・・」
 え? あれ?
 ドールズの様子がおかしい
 体が、ドロドロに溶けて、全体が泥の塊のようになって、サーッと崩れていった
「倒した?のかな?」
 ドールズはもう起きあがっては来ない
 最後の言葉からも分かるように、もしこのまま倒さずに放置してたらたくさんの被害が出てたと思う
 一体魔王はあと何体甦らされているんだろう?
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