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魔王との戦い27

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 状況は予想以上に深刻だった
 すでに街の一部が崩壊してて、そこから操られた魔物や魔獣、さらには冒険者がなだれ込んできてる
 怖いのが、彼らは殺されて死体を操られてるわけじゃなくて、生きてる状態で死ぬまで戦わされる
 彼らにはちゃんと意識もあって、自分が何をさせられているのか理解している分かなりたちが悪い
 冒険者の中には涙を流し、必死で自分を抑えようとしてる人もいたけど、ドールズの力は相当強いみたいで抗えないみたい
 でも大丈夫、ドールズの力には対処法があるって伝わってる
 魔力で出来た糸、これを斬っちゃえばいいんだ
「見えた!」
 魔力糸は通常細過ぎて全く見えない
 それでも私にはくっきりはっきり見える
 私が仙猫になったからっていうのもあるだろうけど、こういうものに敏感になってて、感知や探知能力を使わなくても見極めれるようになったのよね
 そんな糸を手当たり次第に切り裂いていき、さらに分体を大量に生成
 数で一気に押し切った
 糸が斬られた冒険者たちを避難誘導しつつ、解放された魔物は危険なものは同時に倒した
「ミア、すご・・・」
 はっはっは、見てるがよい見てるがよい
 私は強くなった力を存分に振るいつつ、ドールズ本体の位置を探る
 ドールズは操れる範囲が決まっていて、半径三キロまで
 つまりここから三キロ以内にはいるはず
「おっと、結構強い魔物もいるみたいね」
 魔物たちの中にはAランクに相当する魔物もいる
 こいつらは私本体が相手しないと倒せなそう
「よしっ! 気合入れて行くよ! 仙術、天斬り!!」
 パンッっと両手を合わせて仙術を使う
 妖術ほど使い勝手はよくないけど、威力は段違い
 この天斬りという仙術は周りに太陽の光があれば出せる術で、結界などでの防御が不可能な斬りつけを行える
 それによってAランクの魔物を切り裂く
 でも相手も黙ってやられてはくれない
 私を噛み砕き、斬りつけ、踏みつぶそうと必死に食らいついてくる
 それを辛くも避ける
 かなり危なかったけどなんとかその猛攻を避けきってからさらに天斬りで切り裂いた
 Aランク魔物たちは私を強敵と見て最初から連携を組んで戦ってる
 これこそAランクと言われるゆえんで、知恵が回るのよね
 まったく、ドールズはどこからこんな厄介なのを集めてきたのやら
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