猫になったから気ままに暮らしたい

魔王との戦い26

　はっやい！！
　あまりにも速すぎるこの乗り物！
　多分反重力とかそんな感じの力な気がする
　魔力は感じないから多分そう！
　しかも静かで揺れないから乗り心地も最高
　寝っ転がって移動できるってのも最高
　飲み食いできるように色々と置いてくれてるのも最高
　なにこの移動するビップルーム
　至れり尽くせりで次の街へ一時間ほどで着いちゃった
　本来歩くと三日かかるからかなり早く移動出来たよ
　まあそれだけ切羽詰まってるのかも
　この国の勇者、機械人の勇者マーキナって言うんだけど、女性型機械人で、体に搭載された兵器を使って戦うみたい
　兵器・・・。物理最強なんじゃないかな？
　重火器に加えてブレードなど近接での戦闘もお手の物
　機械の体ならではの戦い方ができるから、変形、変な角度からの意表を突いた攻撃
　ともかく強くてかっこいいって言うのがこの国の人達の印象なんだって
　そんな彼女は周辺国の勇者たちと一緒に雷の魔王ギガウスを討伐しに行ってる
　この魔王もかつていくつもの街や国を滅ぼした最強魔王の一角に数えられていて、それこそ当時もたくさんの勇者が協力して討ち取ったほどの相手
　それが復活したんだからそれは大騒ぎになるってもんですよ
　車を降りると直ぐに機械人の冒険者たちが集まって来た
「バララスラの勇者様！　アースランドの勇者様、そしてお仲間の皆さん、お待ちしておりました」
　みんなが頭を下げて迎えてくれる
　私達みたいな小さな勇者パーティーにこうして頼まなきゃいけないほどに切羽詰まってるってことかな？
「到着早々申し訳ないのですが、こちらへ」
　冒険者たちについてギルドの方へ
　ギルドにはすでにこの国の主力っぽい冒険者たちが集まっていた
「おお、勇者様が来てくれたぞ！」
　見た感じSランクはいないかな？　よくてBランク下位くらい
　私達は今パーティーでAランク中位くらい
　ここにいる人たちよりも強い
「現在勇者マーキナは不在ということは聞いていますね？」
「はい」
「実はマーキナが出立した直後に、まるでそれを狙ったように人形の魔王ドールズが現れて、魔物たちを率いて襲撃してきたのです」
「ドールズ！？　行方不明になってたんじゃ」
「はい、ですがあれはドールズに間違いありません。伝承の通りです」
　人形の魔王ドールズは、自らが倒した相手を人形にして操ることができる
　操られた死体を使って敵を倒せばさらにそれを人形へ
　こうやって大量の自軍を作り上げて街を滅ぼす最悪な魔王
　しかも嗜虐心が強くて、相手をいたぶるのが好き
　それがもし、完全な状態で復活しているのだとしたら・・・
　一刻も早く倒さなくちゃ！