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魔王との戦い16

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 現れたのは、小柄な女性だった
 彼女は気を失っているのかそのまま落ちていきそうだったので、タルニャが慌ててキャッチ!
「ニャイスキャッチ!」
 女性、だよね? 少女と言うには顔立ちは二十代前半くらいに見える
 でも身長は150センチくらいかな?
 女性の見た目はどう見ても冒険者で、短剣を腰に差している
 綺麗と言うより可愛い顔で、多分目を開けばぱっちりおめめ
「この人誰だろう? 絶対大気の魔王じゃないよね?」
「取りあえず連れて行きましょう。眠っているのなら起きるまで待てばいいんですわ」
 私達は下に降り、妖精たちに一気に囲まれた
「だれ? だれ?」
「女の人だ」
「女王様見て―、知らないお姉さん」
「寝てるー」
 小さな妖精たちは眠る女性を囲んで興味津々と言った感じだけど、女王様が来ると一気に引いた
「大気の魔王、ではないみたいですね」
「大気の魔王は男性ですもんね」
「一体誰なのかしら?」
 ともかく彼女が目を覚まさないことには話が進まないってことで、介抱することになった
「ここに寝かせて頂戴な」
 女王様が地面に魔力を注ぐとポンと大きな芽が出て、一気に成長し、花のベッドへ早変わり
「素敵!」
 皆大興奮
 確かにこんなベッドで寝てみたい
 香りも優しい甘い香りで、寝つきがよくなりそう
 そのベッドに女性を寝かせる

 一時間くらい経ったころ、妖精たちと遊んでいると
「皆様、こちらへ」
 ワースさんが声をかけてくれた
 どうやら女性が目を覚ましたみたい
 女性は既に花のベッドの端に座っていた
「ここは・・・? 僕はいったい・・・。あれ? 何だか手が小さいような」
 ボクッコだ
 でも、なんだか様子がおかしい
「あの、僕はどうなったんですか? あのあと、僕と勇者は、一緒に」
「勇者? 貴方のことですか?」
「いや、僕は魔王・・・。魔王エアロス」
 え? 魔王エアロスって男性だったはずじゃ?
 伝承が違うのかな?
「勇者は!? 勇者メアロンと強大な魔獣ガーロを倒して、それで僕もメアロンも力尽きたはず、なんだけど」
 なんだか話もおかしい
 もしかしてって思って、私は水魔法で鏡のようなものを作り出した
「え、あれ? この姿、僕が、勇者メアロン・・・?」
 これで確信した
 魔王エアロスは、魂が勇者メアロンの体に入っちゃってるんだ
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