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転生者3

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 ようやく目的地も見えてきた
 険しかったから毛に草が絡まったりして割とボロボロ
 フィオナちゃんなんてスカート部分が少し破けちゃったし
 でも、目の前にツリーハウスが見える
 間違いなくここが森エルフたちの村
 というかすでに、囲まれてる
「あの、敵ではないので出てきてほしいのですが」
 私がそう言うと、フィオナちゃんたちは驚く
 森エルフたちの気配は全くしていない
 にもかかわらず私が分かったのはもちろん能力のおかげ
 見えてるんだよね
「まさか我らに気づくとは、さすが勇者というべき・・・。猫が喋ってる?」
「ああ、この猫がバステト様が言っていた巫女様でしょう。話は聞いています。歓迎しますよ」
 戦闘態勢だった森エルフから敵意が消えて、次々と木々から現れた
「うわ、こんなにたくさんいたの!?」
 エルヴィス君が驚くのも無理はない
 木の上に五十人くらいの森エルフがいたんだから
「どうぞこちらへ。私はこの村の長、テリュシュです」
 凄く美人のお姉さんがお辞儀して挨拶してくれる
「わ、私は、バララスラの勇者、フィオナです!」
「僕は仲間のエルヴィスです」
「私は同じく仲間のメアリーです」
「んにゃ、猫のミアです!」
 村長のテリュシュさんがすっと私を抱え上げた
 うそ、なんのモーションもなくいきなり抱きかかえられてるんだけど
 何この速さ
 この人、出来る。ゴクリ
 私は抱えられたまま、フィオナちゃんたちはテリュシュさんの後に続いて村に到着
 まあ目の前だったから歩いて十メートルもなかったんだけどね
「ようこそおいでくださいました勇者様、巫女様」
「あの、その巫女様って?」
「もちろんバステト様の巫女様という意味です。やはり神聖な気配を感じます。それに、とてつもなく可愛いです!」
 ああうん、この人も猫大好きなんだね
 まあこの世界の人達ほとんどが猫好きなんだけどね
「まずはゆっくりおくつろぎ下さい。すぐにアシュトを呼んできます」
「アシュト?」
「転生者です。十年ほど前に生まれました」
 びっくりだ。転生者ってことはもうわかってるんだね
 まあバステト様に知らされてたのかも
 ハーブティーを出され、それを飲んでいると、扉が開いてテリュシュさんと、男の子が入って来た
「ど、どうも、アシュトです。えっと、ミアさん?も転生者なんですよね! 僕日本ってとこから転生したんですけど、ミアさんはどこの出身ですか!?」
 うっわぐいぐい来る
「これアシュト! 失礼ですよ」
「あ、申し訳ないです。つい同郷だったらと思うといてもたってもいられなくて」
「私も日本だよ」
「マジすか! 僕もっす!」
 うっわ、確実に素が出てきてるよこの子
「これ!」
「も、申し訳ないです。反省します」
 フフ、面白い子だ。あとでゆっくりお話しようね
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