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旅16

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 滝からの景色を楽しんでいると、滝上流の方が騒がしくなった
 観光客の人達が悲鳴を上げてる
「ないなに!?」
「あれ見て! なんかでっかいのがいる」
 ドゴオンという大きな音をたてて、巨大な人型の何かがこっちに向かってきてる
 その姿はあの時の銅像と似ていた
「あれは・・・。ともかくみんなを逃がそう! 皆さん! こっちです! 私は勇者フィオナ! 私の指示に従って避難してください!」
 フィオナちゃんが逃げ惑う人々に叫ぶ
 人々は勇者がいたことに安どしてか、すぐにその指示に従って皆エレベーターに乗り込めた
 幸いにも襲ってきてる巨大像は動きが遅い
 全員がエレベーターに乗ったところで、私達を残して降下してもらった
「さて、あいつは間違いなくあの異世界人のロボットだよ。見たところかなり頑丈になってる。前みたいにいかないかも」
「それでも戦わなきゃ。このままだと街が危ないもん」
 フィオナちゃんはセイヴハートを抜くと、いきなり大技を繰り出した
「セイヴァークレッシェンド!!」
 巨大像の脚部にフィオナちゃんの一撃が直撃する
 少しだけ傷がついたけど、表面が分厚すぎて内部まで攻撃が通らない
 そんなフィオナちゃんに向かって巨大像の拳が振り下ろされる
 飛び下がるフィオナちゃんにさらに拳が迫る
 下がる、振り下ろされる、下がるを繰り返す
「カード魔法! フレア!」
 業炎が振り下ろされた拳を包み込む
 離れてる私ですら熱いとんでもない熱
 でも拳は少し赤くなった程度で溶けない
「精霊魔法、バイツコールド!」
 うわ、氷の狼が飛び出して真っ赤になった拳に噛みついてる
 これはうまい
 高温で熱した後急激に冷やせば
 バキィイイイン
 右こぶしが砕け散った
 そこで巨大像の動きが止まる
「っち、結構やるねバララスラの勇者。これでもダメなんてね」
 やっぱいた。あのフードを被った何者か
 そいつはフードをスッと取り去る
 まだあどけなさの残る少年だった
「僕はマーセル。能力は発明! この街ってさ、気にくわないじゃん? いけすかないあいつが作った町だってね。だから壊そうと思うんだ。君らがいたのは予想外だったけど、あいつの街ともども鎮めてやるよ」
 あいつって、多分この街を作った異世界人だよね?
 発明家どうし知り合いだったみたいだけど、こいつは悪い方に技術を使ってるわけか
 なんとしてもこの街を守らなきゃ
 今みたいな戦い方なら倒せそう
「さて、遊びはここまでかな?」
 マーセルは手に持ったリモコンのようなもののスイッチを押す
 すると機械音が響いて巨大像が変形し始めた
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