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猫の力29

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 ひとまず彼女はうちで面倒を見ることが決まった
 これはちゃんと王様にも報告されてる
 王様は快く了承してくれたんだけど、横にいたヴァレスクさんは情報を聞き出したら断固監禁して監視をつけるべきと訴えた
 でも王様は彼女の話を真摯に聞いて、受け止めたうえでそう判断した
 それでヴァレスクさんも黙ったけど、彼女は自身の魔法で一応監視はさせてもらうと言った
 もちろんアリュエナ自身も了承済み
 そういうことでとりあえずは落ち着いたかな

 数日後、いよいよフィオナちゃんは学校へ、メアリーの方はヴァレスクさんの元へ通う日になった
 あ、私学校学校って言ってたけど、正確には王立学園だって
 ここは貴族も平民も例外なく入れる学費のいらない学園で、子供達に教育は必要という方針からかなり昔に建てられたんだって
 一応通うのは勉強がしたい希望者だけ
 年齢は十歳から通えるようになるんだけど、フィオナちゃんはちょうど十歳
 元々の教養はターナーさんの教えから学んでるとはいえ、本格的な勉強はしたことがないから楽しみみたい
 私は前世勉強は好きでも嫌いでもなかったかな?
 得意科目は運動と文系全体かな?
 私は文学が大好きな上に体を動かすのも好きだったのよね
 そんな思い出を思い出していると、フィオナちゃんの準備が整った
 まあ制服はないからお出かけ用普段着に着替えて、カバンにお昼御飯用のお弁当を入れただけなんだけどね
 教材は学園で渡されるみたい
 今日は初日だからクラス決めくらいだろうとのこと
 実はターナーさんもこの学園出身だったりする
 ターナーさん、脳筋のような見た目だけど、実は博識
 まあフィオナちゃんにずっと勉強を教えてたんだからそれもそうか
「気を付けて行くんだぞフィオナ」
「うん!」
「ああいや、でも心配だな。やはり俺もついて行こうか?」
「大丈夫だよお父さん。メアリーだって一緒に行くし、それにミアが護衛してくれるって言ってるし」
 当然、わたくしフィオナちゃんのナイトですので
「んなーお!」
「ほらね」
「うむ、そうか・・・。ミア、くれぐれも頼んだぞ」
「ほら、お父さんもしたくしないと。今日は副都へ行くんでしょう?」
「あ、ああそうだな。じゃあ気をつけてな」
「うん!」
 ターナーさんはこれから副都で昔の仲間との話し合いがあるみたい
 夕方には戻るって言ってたけど、ここから副都って結構離れてた気がするんですが?
 フィオナちゃんと私、そしてメアリーは歩きだした
 一応ターナーさんがどうやって副都に行くのか気になったから、ちび猫ちゃんんを介して見てみると、突然魔剣ラプネスを取り出した
「頼んだぞラプネス」
「ギシャアア!!」
 一声あげたラプネスはその形態を変化させた
 なんと翼が生えちゃったのですよ
 そしてそのままターナーさんを持ち上げて、あっという間に飛んで行ってしまった
 あの魔剣、どれほど能力を持ってるんだろう?
 ま、まあ向こうは大丈夫そうだから、私はフィオナちゃんの護衛に徹しようっと
 あ、ちなみに今アリュエナはヴァレスクさんのとこにいるよ
 なんでもお互い魔法がどの程度なのか見たくなったかららしい
 この二人、正確は似た者同士なのかも
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