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猫の力2

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 ターナーさんが帰るのを見てからちび猫ちゃんを戻し、とりあえずフィオナちゃんに寄り添って眠った
 
 そして引っ越し当日のこと
 荷物をまとめ終えてこれからさあ出発だというところで、突然ん上空から炎の塊がいくつも落ちてきた
「これは、炎上位魔法のフルフレア! フィオナ、こっちだ!」
「お父さん! メアリーちゃんが!」
 まずい、メアリーが逃げ遅れてる
 助けないと!
 でもそこに炎の塊が迫る
「ひっ、助け」
 メアリーを炎が包み込んだ
「メアリーちゃん!!!」
 フィオナちゃんが火を消そうと走り出した
「待つんだフィオナ!」
 フィオナちゃんにも炎が迫るけど、なんとそれを上回るような水魔法が炎の塊を打ち消した
 水の出所を見ると、驚いたことにたった今炎に包まれたはずのメアリーが手から水塊を出してフィオナちゃんを守ったのだ
「水の上位魔法、ウォーターハザード、だと。まさかメアリーにここまでの魔法の才能が」
 今まで魔法を教わったことがないはずのメアリーがいきなりの上位魔法
 図書館の本にも書いてあったけど、稀にそういう魔法の才能を発現する子がいるらしい
 まさかそれがメアリーだとは思わなかったけど、そのおかげでメアリーもフィオナちゃんも無事だった
 私は上空を見上げる
 今魔法を打って来た奴がそこにいた
 帝国騎士が着ていたような鎧を着た何者か
「ほお、これを防ぐか。その少女、中々魔法の才があると見える。連れて帰るとしよう」
 顔は鎧で覆われてて見えないけど、声から女性であることが分かる
「何者だ! 帝国の手のものか?」
「答える義理はない。お前たちはここで死ぬのだから。そこの勇者の小娘と共にな」
 女性は杖を向ける
「魔術師・・・。まいったな。俺の苦手とする相手だが、まあ久しぶりの戦闘相手としては不足なしだな」
 ターナーさん、丸腰だよ? そんなこと言って大丈夫なの?って思ってたら、肩越しから大剣を取り出した
 なにそれすごい
 その大剣には一目見ただけで分かるほどの強大な魔力が宿っている
 ターナーさんはその大剣を一振りする
「魔剣ラプネス」
 名前を呼ばれて答えるかのように、その魔剣は黒い炎を吹き出す
 か、かっこいいい
「・・・。聞いていた話と違うな。魔剣士ターナーはもはや戦えないただの男だと聞いていたが・・・。しかし本調子ではなさそうだな。これなら私でも殺せる」
 女性は杖を向け、そこに魔力が集中してるのが分かる
「エリアプロージョン」
 ターナーさんの周囲五メートルほどが突然爆発した
「お父さん!」
 フィオナちゃんが叫ぶけど、煙が晴れたそこには全くの無傷でターナーさんが立っていた
 そして魔剣がケプッとげっぷをしている
 何その剣生きてる?
「久しぶりの魔力はうまいだろうラプネス」
 魔剣は喜ぶように震え、黒い炎をさらに燃え上がらせた
「ダークロードスラッシュ」
 魔力が跳ね上がる
 空間が捻じれたかのような気配がして、周囲で燃えていた炎が消え去り、女性に大きな剣戟が飛んだ
「く、分が悪い、か。何が苦手な相手だ」
 女性はシュンと消えた
 ふう、突然すぎるよ
 まあ奇襲ってのは突然やるもんなんだけど・・・
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