上 下
8 / 487

お勉強2

しおりを挟む
 宿に帰るとすでにご飯が用意してあった
 私のためにわざわざ猫用のお魚を用意してくれてて、しかもこれがまた美味しいんですよ
 程よく脂がのっていて、人間用の味付けをしていないナチュラルなもの
 それでいてしっかりとうまみがある
 この魚なんて言う魚なんだろう? アジに似てる気がするけど、生臭さはあまりない
 それにこんなに新鮮そうな魚が出せるってことは海と近いってことだ
 地図で見る限り確かにこことアルト村の道中の分かれ道に海へと続く道があった
 魚は結構普及してるみたいね
「んなーお!」
「お、うまいかミア、ここの魚は新鮮だからな。朝とって来たものを店主が転移魔法で運んでるんだ」
「んなぁ?」
「はは、転移魔法なんて言っても分からないか」
 分からないわけじゃないけど、がぜん興味が湧いてる
 転移魔法か
 私が使う転移系の能力は分体がいないと使えないし、私以外が多分移動することはできない
 転移魔法覚えたいなぁ
 ステータスに魔力があるから多分魔法も使えるんだよね
 能力を使っても魔力は減ってないから、能力はやっぱり魔法とは違うみたい
「んにゃ~わ」
 お腹いっぱいになったから眠くなった
 今日はいっぱい勉強したけど、明日は街がどんな感じなのか見て回ろうと思うんだ
 貴族と平民の関係とかも知っておきたいしね
「眠くなったかミア。ほら、フィオナの横に寝床を用意しておいたぞ」
「一緒に寝よ、ミア」
「んなあああお!」
 私はぴょんとフィオナちゃんの横に行くとその横で丸まった
 ああ、気持ちいいなぁ
 フカフカの寝床にフィオナちゃんの温かさ
 すぐに、眠く、にゃ

 翌朝私はフィオナちゃんと一緒に起きて、毛づくろいをした後に、フィオナちゃん、ターナーさんと朝ごはん
 朝は昨日の魚のフレークをご飯にのっけてくれたもの
 え、ご飯? 白米、だと?
 白米だとぉ!!!
 むしゃぱくむしゃむしゃ!
「あ、ミア、そんなに急いで食べちゃだめだよ」
「んにゃ! んみゃいんみゃい」
 なにこの白米! 美味しすぎるよこれ!
 魚合いすぎでしょ!
 ぺろりと平らげで、お腹もぽっこり
「けぷぅ」
「アハハ、可愛いげっぷ。今日も出かけるの?」
「んにゃ!」
 出かけるむねを意思表示すると、窓をカリカリと引っ掻く何か
 振り向くと、昨日の猫たちが窓の外にいた
「んな!」
「もう友達が出来たの? それじゃあ行ってらっしゃい。気を付けてね」
「んにゃん!」
 何の用だろう?
 私は窓から外に出て、猫たちに合流した
「んにゃあ! おはようリーダー」
「どうしたの? てかリーダーって」
「うにゅ、これからいろいろお世話になるから、リーダーって呼ばせてもうにゃ。すでにこの街の猫たちはみんにゃ傘下に入ったにゃ。」
「傘下て・・・。まあいいや。それで用って?」
「実はにゃ、ホネガミってオス猫がいるんにゃけど、そいつが突然暴れ始めたんだにゃ。おとなしくて気の弱いやつだったからおかしいにゃ」
「ふむふむ、一度見てみるから連れてって」
「わかったにゃ!」
 私と話していた猫、彼女は図書館で話した猫で、名前をオシバナ
 野良だけどどこか気品があって、皆からは姉御と呼ばれてるらしい
 で、暴れてるホネガミってオス猫は、鳥の骨が好きで、よくガジガジと噛んでたからホネガミって名前になったんだとか
 普段はゆったりとしたおとなしい性格で、全然怒ったりしないのに、今朝から突然暴れ出して、仲間が止めようにも力が強すぎて止められなかったみたい
 ひとまず彼女についてそのホネガミを探しに行った

 街の東門近く
 そこの広場でホネガミは大暴れしていた
 なんと魔法まで使って周囲を凍らせている
 その氷によって逃げ遅れた男の子が攻撃されようとしていた
 これはまずいと私はすぐに男の子とホネガミの間に入って、猫パンチで氷を全て叩き落とした
「何してんの! 危ないでしょう!」
 そのまま麻痺の猫パンチを使い、ホネガミをペチンと叩いた
 効果は絶大で、ホネガミはコテンとその場に倒れる
 すぐに私はホネガミのステータスを見てみた
 するとなんと、呪いの状態異常が発生してるではないですか
「何で呪いなんかに・・・。ひとまずホネガミを連れてにげるよ」
「んにゃ! 分かったにゃ」
 私はホネガミの首根っこを咥えてその場から一目散に逃げた
 幸いにも人間の怪我人はいないみたいだから一安心

 人気のないところに来ると、痺れてるホネガミの解呪を始めた
 と言っても回復の猫パンチでペチンとやると解呪できるんだけどね
 この力万能ですわ
「んにゅあ、あれ? ボクどうしてこんにゃところに?」
「覚えてにゃいのかにゃ?」
「あ、姉御、ボクどうしちゃってたんにゃ?」
 どうにか正気に戻ったらしいホネガミに、意識がなくなる前のことを聞いてみた
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...