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72話
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メナの目を使って見ていたが、シアンには確実に人間に与えられた力が与えられている。それが七英雄に関係する物なのは分かるがここまで温存してきた意味が分からない。
マルスのことを考えるに慎重に事を運びたかったのか?もしそうなら功を奏して俺とマルスの先頭までは庭にも気づかれていなかった。
力を含めその辺りの話を聞きたいと思っていたら都合のいいことにシアンとグラがここに向かっているようだ。前の貸しもあるしマルスと揉めているなら話くらいは聞けるだろう。
それに向こうからの接触、会話で情報も流すのだから庭もこの件については何も言ってこないだろう。
そう城の外で待っているとシアンと引き摺られたグラが来た。おいおい、せめて布とかに包んでやれよ…
「ゼギウスがお出迎えとは珍しいね」
「まぁな。俺も聞きた___」
「ゼギウスー!ナナシはどこ?」
急に元気になって立ち上がったグラに言葉を遮られる。前に完膚なきまでにやられてからグラはナナシにご執心だ。ナナシの方はうざいとしか思っていなかったが。
「ここにはいねぇよ」
「な~んだ。つまんないの。ナナシはゼギウスの魔力と同じ味で美味しいのに。じゃあゼギウスがおいらにスキルを撃ってよ」
相変わらず脈絡がないが、グラは薄々気づいているのかもしれない。いや、気づいてないか。グラには考える頭がないからな。
「アホか。俺はシアンと話しがあるんだよ」
「グラ、話が終わったらゼギウスもアタイもスキルを食わせてあげるから待ってな」
「分かった」
シアンがグラを宥めるとグラはおとなしくなる。その条件に俺のスキルも含まれているのは不満だが、我が儘なグラに待てをできるのは流石シアンと言ったところだろうか。俺もそうやってメナやララに待てを覚えさせたいものだ。
「それでゼギウスの聞きたいことって何さ。前の借りを返せないままだったからね。そっちが先でいいよ」
「その力の正体は何だ?」
「メナドールの目で見てたんだね。ってゼギウスもこの力を持ってたんじゃないの?」
「は?何で俺が持ってるんだよ。俺は最後に七英雄に…今は違うか、になったんだぞ。その俺が何でシアンが知らないことを知ってるんだよ」
普通に考えれば分かりそうなものだが、シアン視点はそうなるのか。まぁ、そうでも考えないと俺の力の説明がつかないのか。
「それもそうだね。じゃあゼギウスは何でそんなに強いのさ?弱くなったゼギウスを笑いに来たのに」
「おい、俺の質問に答えるんじゃなかったのか?」
「そうだった。でもゼギウスと話すと聞きたいことばっかなのさ。それで、この力のことだったね。これは真継承とかいうので元老院って場所でできる儀式?みたいなので七英雄の力を増幅させるらしい。アタイもさっき試してきたところだけど相当凄いよ」
元老院、庭みたいなものか。人間は庭みたいな場所を所有していながら母さんを管理しなかった?それにシアンの言葉からしてシアンも知ったのは皇城でのようだ。そうなるとその存在を予め知っていたのはマルスだけ。
気になることはあるが、人間の力は継承か。魔物はそれを模してスキルの継承程度はできるようになったと。
しかし、今のシアンでも庭に太刀打ちできるとは思えない。それにマルスが反発しているシアンに真継承をしたのも謎だ。仮にシアンが裏切っても力を回収できる自信があったということになるが、そうなるとシアン以上の何かがマルスにはあることになる。
何となくは分かっていたが、結局はマルスに聞かないと分からないようだ。
「そうか。じゃあ気をつけて帰れよ」
用件も済み城の中に戻ろうとするが、腕を掴まれる。チッ、普段かけないような言葉をかければ思考停止している間に誤魔化せると思ったが駄目だったか。
シアンの用事は想像がつくが相当に面倒くさい。だから早いうちに逃げたかったが無理だったか。はぁ…
「アタイの用が済んでないよ」
「借りを返しに来たんだろ?それならもういいから帰っていいぞ」
それでも諦めずに城の中へ戻ろうとするがやはり止められる。ん?肉体的な強さも上がっているのか。
掴まれる力の強さが以前までのシアンとは比べ物にならない。そのことからも察するに真継承とやらは肉体も強化できるもの。それだけでただの継承とは違う。
しかし、それなら余計に庭には太刀打ちできない。俺の《滅雷》でマルスの腕を消せたということはそれに対応できていないということ。真継承を以てしても庭の足元にも及ばない証明になる。
そんなことを考えていると力技でシアンに座り込まされた。
「それだけな訳ないでしょ。この力の制御の仕方を教えてほしいのさ」
「は?何で俺がそんな面倒くせぇことしなきゃいけねぇんだよ。自分でやれ」
ここに来た目的はやっぱりそれか。柱には力押しで通用したがその先、庭を相手には通用しないと分かっているようだ。
「ゼギウスもやがては庭と戦うつもりなんだろ?だったらアタイが強くなった方が都合はいいと思うけど?」
「あのなぁ…そんな単純に俺が釣れると思うな」
「やっぱりダメか。じゃあ何をすればいいのさ」
「メナに真継承をさせるくらいのことはしてもらわねぇとな。そしたらメナに教えるついでに教えてあるよ」
これはシアンに頼んだところで無理だろう。どうせ実権はマルスが握っている。だからこれは暗に断るという返事だ。
万が一、メナが真継承をできるならそれはそれで都合がいい。
「それならアタイが力を使いこなせるようにならないと無理だよ」
「どういうことだ?」
「真継承をした後は力を上手く扱えないことが多いらしいよ。だから1度に複数人に真継承をすることはないんだってさ。今回はアタイともう1人に真継承をしたけどその子は戦力に数えてないからね。だからアタイが力を使いこなせるようにならないとメナドールには話が回らないのさ」
「俺が聞きたいのはそっちじゃねぇ。メナに真継承をする予定なのか?」
もう1人の真継承の方も気になるが優先事項はこっちだ。
「するよ。少なくとも元老院はそのつもり」
元老院は場所ではなく組織の名称でマルスはその命令に従うようだ。それなら話は少し変わってくる。だが、マルスがただの操り人形になっているとは考えにくい。いや、それだと慎重なマルスが新人に真継承をするという判断をすることに説明がつかない。
やっぱ自分の目で確かめないと駄目な案件か。だけど俺がこの場所を離れるのは難しいんだよな。
「一応アタイもリスクを負ってるだけどなー。その辺りも考えてくれると嬉しいかなー」
考えているとシアンがチラチラと視界の端に入るように言葉を投げかけてくる。それはお前が勝手に負ったリスクだろ、っていうか鬱陶しい。
「分かった。なら七英雄を全員ここに呼べ。そうしたら結果がどうなろうと教えてやるよ」
「ほら来た!やっぱりゼギウスはいいね。胡散臭さがない」
「俺は自分に正直に生きてるからな」
懸念すべきはこれを庭が許容するかどうか。流石に七英雄全員との接触は看過されないかもしれない。そうなったら最悪、七英雄と共闘か。
おい、それって俺が時間稼ぎになるじゃねぇか。面倒くせぇ。
「じゃあまた来るね」
そうシアンはグラを引き摺って足早に去って行く。俺の考えが変わっていくのを察知したのだろう。勘のいい奴だ。
引き摺られているグラは不満そうにしているが、ここじゃないなら好きに暴れてくれ。っていうか暴れろ。
そう淡い期待を込めつつシアンが戻ってこないことを祈る。
「はぁ…メナ、全員を俺の部屋に集めてくれ」
近くで話を聞いていた蠍に向かってそう告げると部屋に戻った。
マルスのことを考えるに慎重に事を運びたかったのか?もしそうなら功を奏して俺とマルスの先頭までは庭にも気づかれていなかった。
力を含めその辺りの話を聞きたいと思っていたら都合のいいことにシアンとグラがここに向かっているようだ。前の貸しもあるしマルスと揉めているなら話くらいは聞けるだろう。
それに向こうからの接触、会話で情報も流すのだから庭もこの件については何も言ってこないだろう。
そう城の外で待っているとシアンと引き摺られたグラが来た。おいおい、せめて布とかに包んでやれよ…
「ゼギウスがお出迎えとは珍しいね」
「まぁな。俺も聞きた___」
「ゼギウスー!ナナシはどこ?」
急に元気になって立ち上がったグラに言葉を遮られる。前に完膚なきまでにやられてからグラはナナシにご執心だ。ナナシの方はうざいとしか思っていなかったが。
「ここにはいねぇよ」
「な~んだ。つまんないの。ナナシはゼギウスの魔力と同じ味で美味しいのに。じゃあゼギウスがおいらにスキルを撃ってよ」
相変わらず脈絡がないが、グラは薄々気づいているのかもしれない。いや、気づいてないか。グラには考える頭がないからな。
「アホか。俺はシアンと話しがあるんだよ」
「グラ、話が終わったらゼギウスもアタイもスキルを食わせてあげるから待ってな」
「分かった」
シアンがグラを宥めるとグラはおとなしくなる。その条件に俺のスキルも含まれているのは不満だが、我が儘なグラに待てをできるのは流石シアンと言ったところだろうか。俺もそうやってメナやララに待てを覚えさせたいものだ。
「それでゼギウスの聞きたいことって何さ。前の借りを返せないままだったからね。そっちが先でいいよ」
「その力の正体は何だ?」
「メナドールの目で見てたんだね。ってゼギウスもこの力を持ってたんじゃないの?」
「は?何で俺が持ってるんだよ。俺は最後に七英雄に…今は違うか、になったんだぞ。その俺が何でシアンが知らないことを知ってるんだよ」
普通に考えれば分かりそうなものだが、シアン視点はそうなるのか。まぁ、そうでも考えないと俺の力の説明がつかないのか。
「それもそうだね。じゃあゼギウスは何でそんなに強いのさ?弱くなったゼギウスを笑いに来たのに」
「おい、俺の質問に答えるんじゃなかったのか?」
「そうだった。でもゼギウスと話すと聞きたいことばっかなのさ。それで、この力のことだったね。これは真継承とかいうので元老院って場所でできる儀式?みたいなので七英雄の力を増幅させるらしい。アタイもさっき試してきたところだけど相当凄いよ」
元老院、庭みたいなものか。人間は庭みたいな場所を所有していながら母さんを管理しなかった?それにシアンの言葉からしてシアンも知ったのは皇城でのようだ。そうなるとその存在を予め知っていたのはマルスだけ。
気になることはあるが、人間の力は継承か。魔物はそれを模してスキルの継承程度はできるようになったと。
しかし、今のシアンでも庭に太刀打ちできるとは思えない。それにマルスが反発しているシアンに真継承をしたのも謎だ。仮にシアンが裏切っても力を回収できる自信があったということになるが、そうなるとシアン以上の何かがマルスにはあることになる。
何となくは分かっていたが、結局はマルスに聞かないと分からないようだ。
「そうか。じゃあ気をつけて帰れよ」
用件も済み城の中に戻ろうとするが、腕を掴まれる。チッ、普段かけないような言葉をかければ思考停止している間に誤魔化せると思ったが駄目だったか。
シアンの用事は想像がつくが相当に面倒くさい。だから早いうちに逃げたかったが無理だったか。はぁ…
「アタイの用が済んでないよ」
「借りを返しに来たんだろ?それならもういいから帰っていいぞ」
それでも諦めずに城の中へ戻ろうとするがやはり止められる。ん?肉体的な強さも上がっているのか。
掴まれる力の強さが以前までのシアンとは比べ物にならない。そのことからも察するに真継承とやらは肉体も強化できるもの。それだけでただの継承とは違う。
しかし、それなら余計に庭には太刀打ちできない。俺の《滅雷》でマルスの腕を消せたということはそれに対応できていないということ。真継承を以てしても庭の足元にも及ばない証明になる。
そんなことを考えていると力技でシアンに座り込まされた。
「それだけな訳ないでしょ。この力の制御の仕方を教えてほしいのさ」
「は?何で俺がそんな面倒くせぇことしなきゃいけねぇんだよ。自分でやれ」
ここに来た目的はやっぱりそれか。柱には力押しで通用したがその先、庭を相手には通用しないと分かっているようだ。
「ゼギウスもやがては庭と戦うつもりなんだろ?だったらアタイが強くなった方が都合はいいと思うけど?」
「あのなぁ…そんな単純に俺が釣れると思うな」
「やっぱりダメか。じゃあ何をすればいいのさ」
「メナに真継承をさせるくらいのことはしてもらわねぇとな。そしたらメナに教えるついでに教えてあるよ」
これはシアンに頼んだところで無理だろう。どうせ実権はマルスが握っている。だからこれは暗に断るという返事だ。
万が一、メナが真継承をできるならそれはそれで都合がいい。
「それならアタイが力を使いこなせるようにならないと無理だよ」
「どういうことだ?」
「真継承をした後は力を上手く扱えないことが多いらしいよ。だから1度に複数人に真継承をすることはないんだってさ。今回はアタイともう1人に真継承をしたけどその子は戦力に数えてないからね。だからアタイが力を使いこなせるようにならないとメナドールには話が回らないのさ」
「俺が聞きたいのはそっちじゃねぇ。メナに真継承をする予定なのか?」
もう1人の真継承の方も気になるが優先事項はこっちだ。
「するよ。少なくとも元老院はそのつもり」
元老院は場所ではなく組織の名称でマルスはその命令に従うようだ。それなら話は少し変わってくる。だが、マルスがただの操り人形になっているとは考えにくい。いや、それだと慎重なマルスが新人に真継承をするという判断をすることに説明がつかない。
やっぱ自分の目で確かめないと駄目な案件か。だけど俺がこの場所を離れるのは難しいんだよな。
「一応アタイもリスクを負ってるだけどなー。その辺りも考えてくれると嬉しいかなー」
考えているとシアンがチラチラと視界の端に入るように言葉を投げかけてくる。それはお前が勝手に負ったリスクだろ、っていうか鬱陶しい。
「分かった。なら七英雄を全員ここに呼べ。そうしたら結果がどうなろうと教えてやるよ」
「ほら来た!やっぱりゼギウスはいいね。胡散臭さがない」
「俺は自分に正直に生きてるからな」
懸念すべきはこれを庭が許容するかどうか。流石に七英雄全員との接触は看過されないかもしれない。そうなったら最悪、七英雄と共闘か。
おい、それって俺が時間稼ぎになるじゃねぇか。面倒くせぇ。
「じゃあまた来るね」
そうシアンはグラを引き摺って足早に去って行く。俺の考えが変わっていくのを察知したのだろう。勘のいい奴だ。
引き摺られているグラは不満そうにしているが、ここじゃないなら好きに暴れてくれ。っていうか暴れろ。
そう淡い期待を込めつつシアンが戻ってこないことを祈る。
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