27 / 57
26.監禁
しおりを挟む
「……はぁ」
監禁生活三日目。
ため息が出た。
*****
目のつり上がった妹と義母は何やら喚きながら、私の腕を強引に掴んで倉庫代わりになっていた屋根裏部屋に押し込んで、外からカギをかけた。
二人がかりで来られては、私も抵抗しきれなかった。途中で使用人たちとすれ違ったけど、助けてくれるような人もいなかった。
朝食と思われる物がさっき届いたけど、水一杯に微妙にかび臭いパンが一個。ちなみに、監禁された当日も、昨日も同じメニューだった。
かび臭いのは、諦める。
昨日も食べてお腹が痛くなったから、自分で《状態回復》をかけた。
問題は、こんな食生活ではあっという間に動けなくなってしまうということだ。
そもそもなぜ私がこんな目にあっているのか。
『帰って来たわね! 嘘つきのお姉様!』
『まあ、嘘はいけないわね。それで皆を騙したりして。私の可愛いピーアが聖女と呼ばれることが、そんなに気にくわなかったの?』
『お母様、お姉様にはお仕置きが必要です! あたしは騙されたみんなを助けなきゃ!』
『まあ、優しいわね、ピーアは。どうしようもない姉の、尻拭いをしてあげるなんて』
何の茶番だと言いたくなるようなやり取りがされた後、私はこの部屋に閉じ込められたのだ。
そういえば、父も義母もあの謁見の間にいなかった。妹がさっさと家に帰っていたから、城に行く必要性を感じなかったんだろうか。
思い出したら、またため息が出てきた。
何も嘘などないし、別に聖女と呼ばれたかったら勝手にしてろ、というのが本音だ。
学校でも妙に聖女に拘ってたけど、何かあったんだろうか。
聖女と呼ばれた人の伝説がある。
ダンジョンが誕生し、魔獣が襲来した。為すすべなく、一人また一人と兵士たちが倒れていく。
絶望が支配する中、一人の女性が敢然と立ち上がった。
死者すらも蘇らせたその女性の強い回復魔術は、絶望する兵士たちに強い希望を与えた。
そうして魔獣を駆逐し、ダンジョンをも消滅させたのだ、というのがその内容である。
ちなみに、この話は事実じゃない。
ありがちだけど、伝聞で伝えられていく話というのは、大体が大げさになっていくものである。
回復魔術で死者を蘇らせることなど、できるはずがない。
ただ、魔獣に追い詰められていた事は事実で、沢山の重症者がいる中、その女性は相手の貴賎関係なく、多くの人を救ってみせたのだ。
ダンジョンが消滅してすぐ、女性は倒れた。
そして、自分の限界を超えて魔術を使い続けたせいなのか、次に目を覚ました女性は、魔術を扱う力を失っていた。
そんな彼女の事を、救われた人たちが敬意と感謝を込めて「聖女」と呼ぶようになったのだ。
間違っても、十五歳で上級の回復魔術を使えたからという理由で、聖女になったわけではない。
そんな事で威張っても、「だから何」と言われてお終いだ。
窓から外を見る。
監禁三日目。
今日から学校が始まっている。姿を見せない私に、ハインリヒ様はきっと異変に気付いて、ここまで来てくれるはずだ。
妹や義母が私をどうしたいのかは分からないけど、この食生活での監禁生活が続くだけで、私は近いうちに限界が来るだろう。
あるいは、私が泣いて謝ることでも期待しているんだろうか。
嘘つきとか言ってたわけだし、案外それが正解かも知れない。
回復術士でしかない私は、ここから脱出すると言っても難しい。
並み居る敵をぶっ飛ばして投げ飛ばして、とかできたら、カッコいいしすっきりするだろうな、とは思うけど、現実はそんなに甘くない。
私が可能な脱出手段は……一つだけはあるけど。
できればあまりやりたくないな、と思いつつ、そのための準備を始めたのだった。
*****
状況は、その日の午後に変わった。
「いらっしゃいませぇ、ハインリヒ様ぁ」
「ピーア嬢、あなたに会いに来たわけではない。マレンに会わせてくれ」
姿は見えないけど、開けた窓から会話が聞こえた。
間違いなく、ハインリヒ様の声だ。
「だからぁ、お姉様はダンジョンと魔獣のせいで、もう怖いから学校に行きたくないって、部屋に籠もっちゃってるの。みんなはちゃんと学校に来たのに、お姉様ってばしょうがないんだから」
「マレンがそんな気弱な令嬢みたいなこと言うわけないだろう。でっち上げるにしても、もう少しマシな理由を考えろ。マレンを出せ」
ブッと吹き出した。
何なんだろう、その理由。
他の人たちはさておき、ハインリヒ様やリスベス先生がそんな理由で納得するはずない。
女としては、図太いと言われた事(そこまで言われてないけど)に腹を立てるべきかも知れないけど、気弱な令嬢だったら、そもそも辺境の地で回復術士なんてやっていない。
あまりやりたくないけど、ハインリヒ様がいる今がチャンスだろう。
用意しておいて良かった、脱出手段。
方法は単純だ。
シーツの端を、無骨で頑丈なだけな取り柄そうなベッドの足に結びつける。
もう片方のシーツの端には、とりあえず見つけた布を片っ端から縛って、長さを伸ばした。
そのシーツに掴まって窓から外に出る、というだけである。
ちなみに解けない縛り方は、辺境にいたときに教わっていた。私の全体重がかかっても、解けることはないはずだ。
問題は、できるだけ長くはしたつもりだけど、これで窓から地上にシーツが届くかどうか。
そして、シーツを掴む私の握力が、どこまでもつのか、という点である。
「お願いしますっ!」
シーツを掲げるように叫んで気合いを入れる。
そして、窓から外をのぞき込んで……その高さに目眩がした。
《士気高揚》は自分自身にはかけられない魔術である事が、残念だった。
でもこうしているわけにはいかない。
シーツを外に放り投げる。
そして、シーツを掴んで、体を窓から外に出したのだった。
「……………!!」
手にかかる負担が、想像以上だ。
歯を食いしばる。
チラッと下を見て……シーツの長さがまるで足りていないことに気付く。
「ハインリヒ様!!」
気付けば、その名前を呼んでいた。
何があっても、信じられる人の名前だ。
「マレン!?」
ハインリヒ様の驚いた声が、私の耳に届いた。
姿を確認できるほどの余裕はないけど、私を見つけてくれたんだろう。
「なっ……! お姉様、何やって……!」
「取り押さえなさい! 早く!」
妹と義母の声もした。
同時にバタバタ走る音も。
うわぁこれ、急がないと、使用人か誰か来ちゃうか。
早く降りないと、と思うけど、力を抜いたら、そのまま地面まで一気に落下しそうだ。
「マレン!! 飛び降りろ!!」
ハインリヒ様の声がした。
「は、ハインリヒ様ぁ、あんなのはいいから……」
「邪魔するな! マレン、俺が絶対に受け止める! だから、飛び降りろ!!」
力強い声だ。
その声に勇気づけられて、私は手の力を緩めた。
同時に、私は落下した。
「っっっ!!」
悲鳴さえ出ない。
来るべき衝撃に備えて、体を硬くする。
でも、その衝撃は思ったより柔らかかった。
「――ってぇぇぇぇ……」
見えたのは、痛そうに顔をしかめたハインリヒ様の顔。
でも、私の視線に気付くと、ニッと笑った。
「ほら、ちゃんと受け止めただろ?」
それでようやく、私はハインリヒ様の両手で支えられていることに気付いた。
ボロボロッと涙が落ちた。
自分が思っていた以上に、監禁生活が堪えていたのだろうか。
「大丈夫だ、マレン。来るのが遅くなって悪かった」
ハインリヒ様の労るような声に、さらに涙が落ちる。
首にしがみついて泣き始めた私を、ハインリヒ様はずっと優しく抱き締めてくれたのだった。
監禁生活三日目。
ため息が出た。
*****
目のつり上がった妹と義母は何やら喚きながら、私の腕を強引に掴んで倉庫代わりになっていた屋根裏部屋に押し込んで、外からカギをかけた。
二人がかりで来られては、私も抵抗しきれなかった。途中で使用人たちとすれ違ったけど、助けてくれるような人もいなかった。
朝食と思われる物がさっき届いたけど、水一杯に微妙にかび臭いパンが一個。ちなみに、監禁された当日も、昨日も同じメニューだった。
かび臭いのは、諦める。
昨日も食べてお腹が痛くなったから、自分で《状態回復》をかけた。
問題は、こんな食生活ではあっという間に動けなくなってしまうということだ。
そもそもなぜ私がこんな目にあっているのか。
『帰って来たわね! 嘘つきのお姉様!』
『まあ、嘘はいけないわね。それで皆を騙したりして。私の可愛いピーアが聖女と呼ばれることが、そんなに気にくわなかったの?』
『お母様、お姉様にはお仕置きが必要です! あたしは騙されたみんなを助けなきゃ!』
『まあ、優しいわね、ピーアは。どうしようもない姉の、尻拭いをしてあげるなんて』
何の茶番だと言いたくなるようなやり取りがされた後、私はこの部屋に閉じ込められたのだ。
そういえば、父も義母もあの謁見の間にいなかった。妹がさっさと家に帰っていたから、城に行く必要性を感じなかったんだろうか。
思い出したら、またため息が出てきた。
何も嘘などないし、別に聖女と呼ばれたかったら勝手にしてろ、というのが本音だ。
学校でも妙に聖女に拘ってたけど、何かあったんだろうか。
聖女と呼ばれた人の伝説がある。
ダンジョンが誕生し、魔獣が襲来した。為すすべなく、一人また一人と兵士たちが倒れていく。
絶望が支配する中、一人の女性が敢然と立ち上がった。
死者すらも蘇らせたその女性の強い回復魔術は、絶望する兵士たちに強い希望を与えた。
そうして魔獣を駆逐し、ダンジョンをも消滅させたのだ、というのがその内容である。
ちなみに、この話は事実じゃない。
ありがちだけど、伝聞で伝えられていく話というのは、大体が大げさになっていくものである。
回復魔術で死者を蘇らせることなど、できるはずがない。
ただ、魔獣に追い詰められていた事は事実で、沢山の重症者がいる中、その女性は相手の貴賎関係なく、多くの人を救ってみせたのだ。
ダンジョンが消滅してすぐ、女性は倒れた。
そして、自分の限界を超えて魔術を使い続けたせいなのか、次に目を覚ました女性は、魔術を扱う力を失っていた。
そんな彼女の事を、救われた人たちが敬意と感謝を込めて「聖女」と呼ぶようになったのだ。
間違っても、十五歳で上級の回復魔術を使えたからという理由で、聖女になったわけではない。
そんな事で威張っても、「だから何」と言われてお終いだ。
窓から外を見る。
監禁三日目。
今日から学校が始まっている。姿を見せない私に、ハインリヒ様はきっと異変に気付いて、ここまで来てくれるはずだ。
妹や義母が私をどうしたいのかは分からないけど、この食生活での監禁生活が続くだけで、私は近いうちに限界が来るだろう。
あるいは、私が泣いて謝ることでも期待しているんだろうか。
嘘つきとか言ってたわけだし、案外それが正解かも知れない。
回復術士でしかない私は、ここから脱出すると言っても難しい。
並み居る敵をぶっ飛ばして投げ飛ばして、とかできたら、カッコいいしすっきりするだろうな、とは思うけど、現実はそんなに甘くない。
私が可能な脱出手段は……一つだけはあるけど。
できればあまりやりたくないな、と思いつつ、そのための準備を始めたのだった。
*****
状況は、その日の午後に変わった。
「いらっしゃいませぇ、ハインリヒ様ぁ」
「ピーア嬢、あなたに会いに来たわけではない。マレンに会わせてくれ」
姿は見えないけど、開けた窓から会話が聞こえた。
間違いなく、ハインリヒ様の声だ。
「だからぁ、お姉様はダンジョンと魔獣のせいで、もう怖いから学校に行きたくないって、部屋に籠もっちゃってるの。みんなはちゃんと学校に来たのに、お姉様ってばしょうがないんだから」
「マレンがそんな気弱な令嬢みたいなこと言うわけないだろう。でっち上げるにしても、もう少しマシな理由を考えろ。マレンを出せ」
ブッと吹き出した。
何なんだろう、その理由。
他の人たちはさておき、ハインリヒ様やリスベス先生がそんな理由で納得するはずない。
女としては、図太いと言われた事(そこまで言われてないけど)に腹を立てるべきかも知れないけど、気弱な令嬢だったら、そもそも辺境の地で回復術士なんてやっていない。
あまりやりたくないけど、ハインリヒ様がいる今がチャンスだろう。
用意しておいて良かった、脱出手段。
方法は単純だ。
シーツの端を、無骨で頑丈なだけな取り柄そうなベッドの足に結びつける。
もう片方のシーツの端には、とりあえず見つけた布を片っ端から縛って、長さを伸ばした。
そのシーツに掴まって窓から外に出る、というだけである。
ちなみに解けない縛り方は、辺境にいたときに教わっていた。私の全体重がかかっても、解けることはないはずだ。
問題は、できるだけ長くはしたつもりだけど、これで窓から地上にシーツが届くかどうか。
そして、シーツを掴む私の握力が、どこまでもつのか、という点である。
「お願いしますっ!」
シーツを掲げるように叫んで気合いを入れる。
そして、窓から外をのぞき込んで……その高さに目眩がした。
《士気高揚》は自分自身にはかけられない魔術である事が、残念だった。
でもこうしているわけにはいかない。
シーツを外に放り投げる。
そして、シーツを掴んで、体を窓から外に出したのだった。
「……………!!」
手にかかる負担が、想像以上だ。
歯を食いしばる。
チラッと下を見て……シーツの長さがまるで足りていないことに気付く。
「ハインリヒ様!!」
気付けば、その名前を呼んでいた。
何があっても、信じられる人の名前だ。
「マレン!?」
ハインリヒ様の驚いた声が、私の耳に届いた。
姿を確認できるほどの余裕はないけど、私を見つけてくれたんだろう。
「なっ……! お姉様、何やって……!」
「取り押さえなさい! 早く!」
妹と義母の声もした。
同時にバタバタ走る音も。
うわぁこれ、急がないと、使用人か誰か来ちゃうか。
早く降りないと、と思うけど、力を抜いたら、そのまま地面まで一気に落下しそうだ。
「マレン!! 飛び降りろ!!」
ハインリヒ様の声がした。
「は、ハインリヒ様ぁ、あんなのはいいから……」
「邪魔するな! マレン、俺が絶対に受け止める! だから、飛び降りろ!!」
力強い声だ。
その声に勇気づけられて、私は手の力を緩めた。
同時に、私は落下した。
「っっっ!!」
悲鳴さえ出ない。
来るべき衝撃に備えて、体を硬くする。
でも、その衝撃は思ったより柔らかかった。
「――ってぇぇぇぇ……」
見えたのは、痛そうに顔をしかめたハインリヒ様の顔。
でも、私の視線に気付くと、ニッと笑った。
「ほら、ちゃんと受け止めただろ?」
それでようやく、私はハインリヒ様の両手で支えられていることに気付いた。
ボロボロッと涙が落ちた。
自分が思っていた以上に、監禁生活が堪えていたのだろうか。
「大丈夫だ、マレン。来るのが遅くなって悪かった」
ハインリヒ様の労るような声に、さらに涙が落ちる。
首にしがみついて泣き始めた私を、ハインリヒ様はずっと優しく抱き締めてくれたのだった。
188
あなたにおすすめの小説
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします
タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。
悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
お言葉ですが今さらです
MIRICO
ファンタジー
アンリエットは祖父であるスファルツ国王に呼び出されると、いきなり用無しになったから出て行けと言われた。
次の王となるはずだった伯父が行方不明となり後継者がいなくなってしまったため、隣国に嫁いだ母親の反対を押し切りアンリエットに後継者となるべく多くを押し付けてきたのに、今更用無しだとは。
しかも、幼い頃に婚約者となったエダンとの婚約破棄も決まっていた。呆然としたアンリエットの後ろで、エダンが女性をエスコートしてやってきた。
アンリエットに継承権がなくなり用無しになれば、エダンに利などない。あれだけ早く結婚したいと言っていたのに、本物の王女が見つかれば、アンリエットとの婚約など簡単に解消してしまうのだ。
失意の中、アンリエットは一人両親のいる国に戻り、アンリエットは新しい生活を過ごすことになる。
そんな中、悪漢に襲われそうになったアンリエットを助ける男がいた。その男がこの国の王子だとは。その上、王子のもとで働くことになり。
お気に入り、ご感想等ありがとうございます。ネタバレ等ありますので、返信控えさせていただく場合があります。
内容が恋愛よりファンタジー多めになったので、ファンタジーに変更しました。
他社サイト様投稿済み。
地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ
タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。
灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。
だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。
ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。
婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。
嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。
その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。
翌朝、追放の命が下る。
砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。
――“真実を映す者、偽りを滅ぼす”
彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。
地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。
パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる