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第十三章 魔国への道
リィカの症状の解決に向けて
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北の樹林に到着し、中には入らずに一晩過ごす。
次の日の朝起きた時、リィカはガックリと項垂れた。
「……もしかして、って思ってたけど、やっぱりダメだ。調子悪い……」
「うーん……」
アレクが唸った。唸るだけで、何も言えない。
樹林に入る前にリィカが元の調子に戻ってほしかった、というのが嘘のない本音だったのだが。
「リィカ、もしかして魔力病みたいになってませんか?」
「え?」
リィカが瞬く。
アレクがギョッとした顔をした。
「ま、待て、ユーリ。なんで魔力病って……」
魔力病とは、自分が体の内側に溜めておける容量以上の魔力を持ってしまうために、体を蝕み、体調を悪くしてしまう事だ。
アレクの兄の婚約者であるレーナニアが魔力病で、常に魔力を外に出すための道具を身に付けている。
「よく似ていますよね。昨日、リィカが調子が良くなって魔法を使えたのは、余分な魔力を出すだけ出したからじゃないですか? レーナニア様も魔力を常に外に出しているから、何事もなく日常生活を送れているのでしょう?」
「そ、それはそうだが……」
「一晩経って、リィカに再び魔力が溜まり、具合が悪くなってしまった、と。魔力病の人が自らの器にあった量まで魔力を減らしたらどうなるのかは知りませんが、理屈は合っている気がするんですよ」
「……じゃ、じゃあ、どうするんだ?」
「どうしましょうかね。もっと早くに気付けば良かったんですが」
ユーリが考え込んだ。
魔力病は治せない。ただ、余分な魔力を常に吸収することで、問題なく生活を送ることができる。
余分な魔力を吸収するための道具は、作れる。魔道具と呼ばれているが、実際には魔道具と言えるほどの代物じゃない。作るのは難しくない。
「……時間が、かかるんですよね。どうしても」
魔物から取り出した魔石を、魔物の怨念を取り払うためにする浄化。それは、そんなに時間も掛からずに終わる。
ただ普通に魔石を使うのなら、必要な作業はこれだけだ。
けれど、魔力病の人に使うためには、そこからさらにもう一作業が必要になる。
魔石の、魔力を溜め込む性質を、さらなる浄化によって無くさなければならない。それがどうしても三~四日はかかってしまうのだ。
作るのは難しくないが、掛かってしまう時間だけは、どうすることもできない。
「魔石を持ってるだけでも、効果はあるんだよね?」
「そうですが、昨日までの様子を見ている限り、Aランクの魔石でもそう長くはもちませんよ」
リィカの質問に答えて、さらにユーリは続ける。
「例え、魔道具を作ったとして、それでリィカの調子がどうなるのか分かりません。本当に魔力病かどうかもはっきりしているわけではありませんが……」
リィカが少し目を伏せた。
ここまで来ておいて、この状態ではただの足手まといだ。皆の邪魔にはなりたくない。
「……わたし、いないほうがいいかな」
「い、いえいえ、そういうことを言いたいわけじゃないんですよ。ただ、純粋にそう思っただけで……」
「…………………」
ますますリィカが落ち込んだ。ユーリが慌てるが、何と言えばいいか言葉が出ない。
アレクがジロッとユーリを睨んだ。
「リィカ、俺はお前にいて欲しいからな。いてくれないと困る」
「アレク……」
リィカの、行き場を失ったような頼りない目を見て、アレクはその背に手を回す。そのまま抱き締めた。
「言っただろう。お前の代わりは、誰もいないんだ。魔力病かどうかはさておき、余分な魔力がなくなれば魔法が使えるのは、確かなんだ。ユーリに魔道具を作らせるから、そんなに落ち込むな」
「……作らせるって何ですか。いや、作りますけどね」
ユーリがブツブツと文句を言うが、アレクは取り合わない。今度はリィカの体を離して、その顔をのぞき込んだ。
「それで調子が戻ったら、また魔法をいっぱい使ってくれ。お前が楽しそうに魔法を使っているのを見るのも、結構好きなんだから」
「え、あの轟音と衝撃が好きなんですか」
「いちいち横やりいれるな、ユーリ」
そのやり取りに、リィカは自然に笑いが漏れた。
知らず、笑顔になる。
「……うん、アレク。ありがとう」
「どういたしまして」
アレクも笑うと、何を思ったか、その手の平にキスを落とす。相変わらず、それで真っ赤になるリィカを見て、妙に嬉しそうだ。
そのやり取りを白けた目で見たバルが、「だが」と問題提起した。
「これからどうすんだ? 魔道具は何日か掛かんだろ? その間ここにいるのか?」
目の前は、鬱蒼とした樹林だ。
目的は、樹林の中にあるという洞窟を見つけて、そこにあるであろう魔剣を手に入れること。
「……………」
アレクは、腰に下がっている剣に手を触れる。
旅に出る前に父からもらった剣は、アイテムボックスに入っているが、もう使える代物ではない。今アレクが持っているのは、元々ユーリが持っていた剣だ。
決して悪いものではないのだが、それでも軽くて心許なく感じてしまう。
「ユーリとリィカをこの場に残すのも、ありといえばありか?」
「やめた方が良くねぇか? 何かあっても、対処できねぇ可能性の方が高いと思うぞ」
それもそうだ。どんな魔物が現れるかも分からない。
魔族も、魔国で待っていると引き下がったが、あのカストルのことだ。チャンスと見れば、攻めてくるかも知れない。
「なんでしたら、リィカに《結界》の魔石でも持ってもらいますか? 欠点もありますが、とっさの対処しきれない攻撃を防いでくれますから、有用ですよ」
「ユーリはどうなんだ? 魔道具を作るのに、集中した方がいいだろう?」
「数日間、ずっと集中しっぱなしって訳じゃないですよ。詳しい説明は省きますが、少しずつやらないと駄目なんですよ。一気にできないから数日かかるというだけです」
「そうか……」
アレクはそれだけ言って、考える。
自分のことだけ考えるなら、早く魔剣を手に入れたい。リィカのことを考えるなら、魔道具が出来るまで待つべきだ。
「……やはり、待つか」
「何でそうなるの? 《結界》の魔石があるんなら、それでいいよ。中に入ろう?」
アレクの出した結論に真っ向から反論したのはリィカだった。
「アレクの剣こそ、早くどうにかした方がいいでしょ? 剣がダメになったって、絶対アレクは《結界》の魔石に素直に守られるなんて、しないだろうし」
ブッと吹き出す音が重なった。
バルとユーリ、そして会話に参加していなかった暁斗である。泰基は吹き出してはいないが、苦笑している。
「……なぜ笑うんだ」
「リィカの言うとおりだからだろ」
「まだリィカの方が、素直に守られてくれる気がしますしね」
「うん、オレもそう思う。大丈夫、オレがリィカを守るから」
暁斗の後半の言葉は、はっきり言って不要だったが。
アレクとバルとユーリと、三人が暁斗をギロッと睨むが、当の暁斗は良く分かっていないようだ。
はあ、とアレクは気を取り直すように大きく息を吐いた。
「分かった。じゃあ、リィカは《結界》の魔石を持ってくれ。それで中に入ろう。ユーリも、それで魔道具作りはできるんだな?」
「ええ。まあ中でどういう状況になるかは分かりませんが、落ち着いているときに、少しずつやっていきますよ」
アレクは頷いて、視線を樹林に向ける。
ククノチから話を聞いて、やっとここまで来た。
Aランクの魔物がゴロゴロいるという樹林。果たして、どうなるのだろうか。
次の日の朝起きた時、リィカはガックリと項垂れた。
「……もしかして、って思ってたけど、やっぱりダメだ。調子悪い……」
「うーん……」
アレクが唸った。唸るだけで、何も言えない。
樹林に入る前にリィカが元の調子に戻ってほしかった、というのが嘘のない本音だったのだが。
「リィカ、もしかして魔力病みたいになってませんか?」
「え?」
リィカが瞬く。
アレクがギョッとした顔をした。
「ま、待て、ユーリ。なんで魔力病って……」
魔力病とは、自分が体の内側に溜めておける容量以上の魔力を持ってしまうために、体を蝕み、体調を悪くしてしまう事だ。
アレクの兄の婚約者であるレーナニアが魔力病で、常に魔力を外に出すための道具を身に付けている。
「よく似ていますよね。昨日、リィカが調子が良くなって魔法を使えたのは、余分な魔力を出すだけ出したからじゃないですか? レーナニア様も魔力を常に外に出しているから、何事もなく日常生活を送れているのでしょう?」
「そ、それはそうだが……」
「一晩経って、リィカに再び魔力が溜まり、具合が悪くなってしまった、と。魔力病の人が自らの器にあった量まで魔力を減らしたらどうなるのかは知りませんが、理屈は合っている気がするんですよ」
「……じゃ、じゃあ、どうするんだ?」
「どうしましょうかね。もっと早くに気付けば良かったんですが」
ユーリが考え込んだ。
魔力病は治せない。ただ、余分な魔力を常に吸収することで、問題なく生活を送ることができる。
余分な魔力を吸収するための道具は、作れる。魔道具と呼ばれているが、実際には魔道具と言えるほどの代物じゃない。作るのは難しくない。
「……時間が、かかるんですよね。どうしても」
魔物から取り出した魔石を、魔物の怨念を取り払うためにする浄化。それは、そんなに時間も掛からずに終わる。
ただ普通に魔石を使うのなら、必要な作業はこれだけだ。
けれど、魔力病の人に使うためには、そこからさらにもう一作業が必要になる。
魔石の、魔力を溜め込む性質を、さらなる浄化によって無くさなければならない。それがどうしても三~四日はかかってしまうのだ。
作るのは難しくないが、掛かってしまう時間だけは、どうすることもできない。
「魔石を持ってるだけでも、効果はあるんだよね?」
「そうですが、昨日までの様子を見ている限り、Aランクの魔石でもそう長くはもちませんよ」
リィカの質問に答えて、さらにユーリは続ける。
「例え、魔道具を作ったとして、それでリィカの調子がどうなるのか分かりません。本当に魔力病かどうかもはっきりしているわけではありませんが……」
リィカが少し目を伏せた。
ここまで来ておいて、この状態ではただの足手まといだ。皆の邪魔にはなりたくない。
「……わたし、いないほうがいいかな」
「い、いえいえ、そういうことを言いたいわけじゃないんですよ。ただ、純粋にそう思っただけで……」
「…………………」
ますますリィカが落ち込んだ。ユーリが慌てるが、何と言えばいいか言葉が出ない。
アレクがジロッとユーリを睨んだ。
「リィカ、俺はお前にいて欲しいからな。いてくれないと困る」
「アレク……」
リィカの、行き場を失ったような頼りない目を見て、アレクはその背に手を回す。そのまま抱き締めた。
「言っただろう。お前の代わりは、誰もいないんだ。魔力病かどうかはさておき、余分な魔力がなくなれば魔法が使えるのは、確かなんだ。ユーリに魔道具を作らせるから、そんなに落ち込むな」
「……作らせるって何ですか。いや、作りますけどね」
ユーリがブツブツと文句を言うが、アレクは取り合わない。今度はリィカの体を離して、その顔をのぞき込んだ。
「それで調子が戻ったら、また魔法をいっぱい使ってくれ。お前が楽しそうに魔法を使っているのを見るのも、結構好きなんだから」
「え、あの轟音と衝撃が好きなんですか」
「いちいち横やりいれるな、ユーリ」
そのやり取りに、リィカは自然に笑いが漏れた。
知らず、笑顔になる。
「……うん、アレク。ありがとう」
「どういたしまして」
アレクも笑うと、何を思ったか、その手の平にキスを落とす。相変わらず、それで真っ赤になるリィカを見て、妙に嬉しそうだ。
そのやり取りを白けた目で見たバルが、「だが」と問題提起した。
「これからどうすんだ? 魔道具は何日か掛かんだろ? その間ここにいるのか?」
目の前は、鬱蒼とした樹林だ。
目的は、樹林の中にあるという洞窟を見つけて、そこにあるであろう魔剣を手に入れること。
「……………」
アレクは、腰に下がっている剣に手を触れる。
旅に出る前に父からもらった剣は、アイテムボックスに入っているが、もう使える代物ではない。今アレクが持っているのは、元々ユーリが持っていた剣だ。
決して悪いものではないのだが、それでも軽くて心許なく感じてしまう。
「ユーリとリィカをこの場に残すのも、ありといえばありか?」
「やめた方が良くねぇか? 何かあっても、対処できねぇ可能性の方が高いと思うぞ」
それもそうだ。どんな魔物が現れるかも分からない。
魔族も、魔国で待っていると引き下がったが、あのカストルのことだ。チャンスと見れば、攻めてくるかも知れない。
「なんでしたら、リィカに《結界》の魔石でも持ってもらいますか? 欠点もありますが、とっさの対処しきれない攻撃を防いでくれますから、有用ですよ」
「ユーリはどうなんだ? 魔道具を作るのに、集中した方がいいだろう?」
「数日間、ずっと集中しっぱなしって訳じゃないですよ。詳しい説明は省きますが、少しずつやらないと駄目なんですよ。一気にできないから数日かかるというだけです」
「そうか……」
アレクはそれだけ言って、考える。
自分のことだけ考えるなら、早く魔剣を手に入れたい。リィカのことを考えるなら、魔道具が出来るまで待つべきだ。
「……やはり、待つか」
「何でそうなるの? 《結界》の魔石があるんなら、それでいいよ。中に入ろう?」
アレクの出した結論に真っ向から反論したのはリィカだった。
「アレクの剣こそ、早くどうにかした方がいいでしょ? 剣がダメになったって、絶対アレクは《結界》の魔石に素直に守られるなんて、しないだろうし」
ブッと吹き出す音が重なった。
バルとユーリ、そして会話に参加していなかった暁斗である。泰基は吹き出してはいないが、苦笑している。
「……なぜ笑うんだ」
「リィカの言うとおりだからだろ」
「まだリィカの方が、素直に守られてくれる気がしますしね」
「うん、オレもそう思う。大丈夫、オレがリィカを守るから」
暁斗の後半の言葉は、はっきり言って不要だったが。
アレクとバルとユーリと、三人が暁斗をギロッと睨むが、当の暁斗は良く分かっていないようだ。
はあ、とアレクは気を取り直すように大きく息を吐いた。
「分かった。じゃあ、リィカは《結界》の魔石を持ってくれ。それで中に入ろう。ユーリも、それで魔道具作りはできるんだな?」
「ええ。まあ中でどういう状況になるかは分かりませんが、落ち着いているときに、少しずつやっていきますよ」
アレクは頷いて、視線を樹林に向ける。
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