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第十一章 四天王ジャダーカ

改めて告白を

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リィカとアレクに視線を向けられたジャダーカだが、アレクの事はサラッと無視して、リィカに目を向ける。

その途端に顔が赤くなったのは、まあご愛敬だろう。

「リィカ、好きだ。俺と共に来てくれ。――俺は魔法が好きだ。あんたもそうだろう。やっと見つけたんだ。俺と同じくらい魔法が好きな奴。俺と一緒に魔法の道を進める奴。だから、俺と来てくれ」

赤い顔ながら、どもる事もなく言い切ったジャダーカは、右手を差し出す。
リィカはその手を眺めて、瞬き一つする。

「ごめんなさい。あなたと一緒には行けません」

ジャダーカの顔を見て、リィカはきっぱり言った。

「わたしは手を取るならアレクがいい。確かにわたしも魔法は好きだけど、魔法のためだけに人生を全て捧げようとも思わない。――だから、ごめんなさい」

そういうことだったのか、とリィカは思う。
一目惚れと言っても、顔じゃない。魔法だったのだ。何だかそう言われると、納得できてしまうから、不思議だ。

とは言っても、未だにどうやって一目惚れできたのかは謎のままだが。映像を見たわけでもないだろうし……。

(映像……?)

ふと浮かんだ言葉に、疑問を抱いた。

ジャダーカは何か知っているだろうか。
だが、ジャダーカの目が悲しみに彩られている気がして、言葉を失う。

「……そうか、まあそうだな。あんたに恋人がいるって聞いたときもショックだったが、今はそれ以上だ」

リィカは何も言葉が出てこない。
ジャダーカの雰囲気が、何か変わった気がした。

「クナム! 後は任せるぞ!」
「はい、承知致しました」

ジャダーカは、後方にいる魔族に声を掛ける。
その返事を聞くと、ジャダーカはリィカを真っ直ぐに見た。
先ほどまでのように、顔が赤くなったりはしない。

「あんたが自分の意思で一緒に来てくれないなら、あんたを手に入れる方法は一つだ。――リィカ、望み通りにしてやる」

その言葉の意味するところは、たった一つだ。
リィカの表情も、改まる。
今だ隣にいるアレクを見る。

「アレク、離れて。後はお願い」
「………………………ああ」

長い沈黙の後、ようやくアレクは頷いた。
ためらいを振り切るように、大きく息を吐く。

「勝てよ、リィカ。約束だからな」
「うん」

名残惜しそうに、アレクが離れていく。
その姿を見送って……、そしてリィカはジャダーカを見据えた。

ジャダーカもジッとリィカを見て、その口が動いた。

「<決闘場開場デュエルフィールド・オープン>」

リィカとジャダーカを包むように、黒色の囲いが出現する。
その囲いは、十メートル四方に広がった。


ーーーーーーーーーーーーーー

次回からバトルが始まります……と言いたいですが、完全に置いてきぼりになってる泰基たちの話が一話入ります。

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