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第十章 カトリーズの悪夢
魔封陣を破壊せよ
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魔封陣の中央部に、リィカは凝縮した《火球》を打ち出した。
ユーリも同時に凝縮した《光球》を打ち出す。
すると、中央部の魔力がさらにその濃さを増す。だが、それも一瞬で、すぐに元に戻った。
「「…………………?」」
リィカとユーリは顔を見合わせる。
「もう一度やってみましょう」
「うん」
魔法を打ち込む。
結果は、同じだった。
「……これ、単に魔封陣を強化してるだけじゃない?」
自分たちの魔法の魔力を吸い取って、それを魔封陣の力に代えている。
そういう現象ではないか、とリィカは疑う。
ユーリは思案しているようだが、やがてハッと顔を上げた。
「いえ、いいんです。強化してしまって、いいんです」
「…………は……?」
耳を疑った。
そんなリィカに、ユーリは説明を始めた。
初級魔法に魔力を込めた時、ある程度の所で限界を感じる。
これ以上は込められない、という境がある。
「なぜ、そこを限界と感じるんですか?」
ユーリに聞かれて、リィカは首を傾げつつ答えた。
「なぜって……、それ以上魔力を込めたら、魔法が壊れる……」
言いかけて、ハッと気付いた。
ユーリが頷く。
「どんな魔法にも、込められる魔力には限界があるんです。ですから、その限界を超すと、魔法は魔法として成り立たない。そして、それは魔法だけじゃありません」
リィカも頷いた。
魔封陣にも、魔力の限界があるのだ。
リィカは、魔力の濃くなっている地面に、両手を置く。
魔法を使う必要はない。
魔力を流せばいいのだ。
「メエェェェェェェェェェェェェ!」
「ウオォォォンンンンンンンンン!」
「ギャアアアァァァァァァァァァ!」
魔物の咆哮が響いた。
Cランクの魔物が、向かってきていた。
「そっか。ヒドラが倒れたから……」
言って、リィカが立ち上がろうとするのを、ユーリが留める。
「魔物の相手は僕がします。リィカは、魔封陣をお願いします」
「分かった」
悩むことなく、リィカは頷いた。
悩む余裕はない。
リィカは、魔物のことを頭から追い出し、魔封陣に集中する。
その両手から、魔力を勢いよく流し始めた。
※ ※ ※
リィカは、唇を噛みしめる。
魔封陣に、変化がない。
まったく効果がないとは言わない。だが、魔封陣が大きすぎる。そのせいで、壊すために必要な魔力量が、多すぎるのだ。
もうすぐ、自分の魔力がなくなる。
明らかに魔力が足りなかった。
悔しい。ふがいなさに泣きたくなる。
大きく深呼吸をする。
魔力が足りないなら、別のものを使うしかない。
ククノチとの戦いで使った、生命力だ。
『一度くらいであればまだ回復も望めるが、あまりに生命力を多用しすぎると、寿命が縮み、体が壊れる。人にとっては命取りとなる。程々にしておくことだな』
ククノチとの戦いの後で、出会ったバナスパティに言われた言葉だ。
あの時は世界樹の葉で治った。
でも、今はない。
皆は怒るだろうか。悲しむだろうか。
それでも、それが必要なら、リィカはためらうつもりはなかった。
「リィカ、これを」
ユーリに声を掛けられ、それを見る。
「……マジックポーション?」
ユーリが、旅に出る前に三本、父親からもらったと言って、さらに聖地で一本手に入れていたもの。
「使って下さい。間違っても生命力を使おうとか、考えないように」
「……………………」
なぜ、自分の思考を読み取られたのか。
リィカは無言で目を逸らすしか、できなかった。
※ ※ ※
目を逸らせたリィカに対して、ユーリは思うところはあるものの、それは後回しだ。
リィカは、片手を地面から離してマジックポーションを受け取る。
飲もうと口元に持っていくが、そこで動きが止まった。
「リィカ?」
「この状態だと飲めない。でも、魔力を流すのもやめられない。やめたら、また最初からやり直しになっちゃう」
マジックポーションは、飲み口が細くすぼまっているから、呷るようにして飲まないと飲めない。
片手に地面をついたままでは、それは難しい。
魔力を流しつつ、飲むという動作をするのも、難しい。
「……分かりました」
ユーリは、渡したマジックポーションを一度受け取った。
近づいてきた魔物を倒す。
「リィカ。今から僕がリィカにマジックポーションを飲ませて差し上げます。何があっても、リィカは魔力を流すことだけに集中して下さい」
ユーリは覚悟を決めた。
これがおそらく、一番いい方法だ。
(――アレク、すいません)
心の中だけで、友人に謝る。
「分かった」
一瞬戸惑いを見せたが、すぐ何かに気付いたようにリィカが頷いた。
それを確認して、ユーリは自分がマジックポーションを呷る。
ユーリは、口に含んだそのまま、リィカの顎に手を当てて顔を上げる。
リィカと視線が交わる。
ユーリは、リィカに顔を近づけ……そして、口付けた。
口移しで、マジックポーションをリィカに飲ませたのだ。
リィカは目を瞑っている。
動揺した様子もなく、魔力を流すことだけに集中していた。
ゴクッとリィカが嚥下したのが分かる。
そして、リィカの魔力が、半分近くまで回復した。
瞬間、リィカは魔力を流す量を、一気に増した。
魔封陣の紫色の光が、強く輝く。
「いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
リィカが叫んだ。
さらに輝きが増す。
――バァァァァン!!
上空で何かが弾けるような音がした。
ユーリが見上げる。
上空を覆っていた紫色のドームに、罅が入っていた。
その罅があっという間に全体に広がり……そして、溶けるように消えてなくなった。
――魔封陣を壊した。
その瞬間、ユーリは両手を上に上げる。
「《範囲回復》!!」
込められるだけの魔力を込めて、魔法を発動させる。
広い範囲の回復を行える魔法。
その魔法を、この街全体にかける。
もう間に合わない人もいるだろう。
でも、この回復魔法で助かる人もいるはずだ。
そして、人間だけを回復するように。
魔物や魔族には効果がないように。
成功しているかは分からない。けれど、その願いを込めた。
ユーリは、ガクッと片膝をついた。
「……街全体にかけるのは、さすがにキツかったですかね」
苦笑が漏れた。
「ユーリ、やったね」
リィカは疲れた顔をしているが、やりきった満足感も浮かべていた。
リィカに頷き、手をパンと打ち合わせた。
マジックポーションをもう一本取り出して、リィカに渡した。
「また魔力が空になってるじゃないですか。飲んで下さい」
「……もったいない」
「皆の所に駆け付けるのに、リィカが魔力なしじゃ困ります。つべこべ言うと、また口移しで飲ませますよ」
「……飲みます」
最初からそう言え、と思いつつ、ユーリは自分の残りの魔力量を確認する。
先ほどの《範囲回復》でかなり使ったが、まだ半分近くは残っている。自分は何とかなるだろう。
ほっとけば回復するのに、とブツブツ言いながらリィカがマジックポーションを飲んでいた。
飲み終わると、リィカは立ち上がる。
そして、どちらからともなく走り出した。
今度こそ、仲間の元へと向かうために。
※ ※ ※
リィカとユーリが走り去っていくのを、数名の街の住人が見ていた。
半年ほど前から、街に住んでいる人たちだ。
「これは、いけませんね」
「はい、教主様」
「まさか勇者様のお仲間ともあろうお方が、無詠唱など。神を冒涜するような真似をするとは」
さて、どうやってお仕置きをしましょうか。
教主と呼ばれた男が、冷淡に笑った。
ユーリも同時に凝縮した《光球》を打ち出す。
すると、中央部の魔力がさらにその濃さを増す。だが、それも一瞬で、すぐに元に戻った。
「「…………………?」」
リィカとユーリは顔を見合わせる。
「もう一度やってみましょう」
「うん」
魔法を打ち込む。
結果は、同じだった。
「……これ、単に魔封陣を強化してるだけじゃない?」
自分たちの魔法の魔力を吸い取って、それを魔封陣の力に代えている。
そういう現象ではないか、とリィカは疑う。
ユーリは思案しているようだが、やがてハッと顔を上げた。
「いえ、いいんです。強化してしまって、いいんです」
「…………は……?」
耳を疑った。
そんなリィカに、ユーリは説明を始めた。
初級魔法に魔力を込めた時、ある程度の所で限界を感じる。
これ以上は込められない、という境がある。
「なぜ、そこを限界と感じるんですか?」
ユーリに聞かれて、リィカは首を傾げつつ答えた。
「なぜって……、それ以上魔力を込めたら、魔法が壊れる……」
言いかけて、ハッと気付いた。
ユーリが頷く。
「どんな魔法にも、込められる魔力には限界があるんです。ですから、その限界を超すと、魔法は魔法として成り立たない。そして、それは魔法だけじゃありません」
リィカも頷いた。
魔封陣にも、魔力の限界があるのだ。
リィカは、魔力の濃くなっている地面に、両手を置く。
魔法を使う必要はない。
魔力を流せばいいのだ。
「メエェェェェェェェェェェェェ!」
「ウオォォォンンンンンンンンン!」
「ギャアアアァァァァァァァァァ!」
魔物の咆哮が響いた。
Cランクの魔物が、向かってきていた。
「そっか。ヒドラが倒れたから……」
言って、リィカが立ち上がろうとするのを、ユーリが留める。
「魔物の相手は僕がします。リィカは、魔封陣をお願いします」
「分かった」
悩むことなく、リィカは頷いた。
悩む余裕はない。
リィカは、魔物のことを頭から追い出し、魔封陣に集中する。
その両手から、魔力を勢いよく流し始めた。
※ ※ ※
リィカは、唇を噛みしめる。
魔封陣に、変化がない。
まったく効果がないとは言わない。だが、魔封陣が大きすぎる。そのせいで、壊すために必要な魔力量が、多すぎるのだ。
もうすぐ、自分の魔力がなくなる。
明らかに魔力が足りなかった。
悔しい。ふがいなさに泣きたくなる。
大きく深呼吸をする。
魔力が足りないなら、別のものを使うしかない。
ククノチとの戦いで使った、生命力だ。
『一度くらいであればまだ回復も望めるが、あまりに生命力を多用しすぎると、寿命が縮み、体が壊れる。人にとっては命取りとなる。程々にしておくことだな』
ククノチとの戦いの後で、出会ったバナスパティに言われた言葉だ。
あの時は世界樹の葉で治った。
でも、今はない。
皆は怒るだろうか。悲しむだろうか。
それでも、それが必要なら、リィカはためらうつもりはなかった。
「リィカ、これを」
ユーリに声を掛けられ、それを見る。
「……マジックポーション?」
ユーリが、旅に出る前に三本、父親からもらったと言って、さらに聖地で一本手に入れていたもの。
「使って下さい。間違っても生命力を使おうとか、考えないように」
「……………………」
なぜ、自分の思考を読み取られたのか。
リィカは無言で目を逸らすしか、できなかった。
※ ※ ※
目を逸らせたリィカに対して、ユーリは思うところはあるものの、それは後回しだ。
リィカは、片手を地面から離してマジックポーションを受け取る。
飲もうと口元に持っていくが、そこで動きが止まった。
「リィカ?」
「この状態だと飲めない。でも、魔力を流すのもやめられない。やめたら、また最初からやり直しになっちゃう」
マジックポーションは、飲み口が細くすぼまっているから、呷るようにして飲まないと飲めない。
片手に地面をついたままでは、それは難しい。
魔力を流しつつ、飲むという動作をするのも、難しい。
「……分かりました」
ユーリは、渡したマジックポーションを一度受け取った。
近づいてきた魔物を倒す。
「リィカ。今から僕がリィカにマジックポーションを飲ませて差し上げます。何があっても、リィカは魔力を流すことだけに集中して下さい」
ユーリは覚悟を決めた。
これがおそらく、一番いい方法だ。
(――アレク、すいません)
心の中だけで、友人に謝る。
「分かった」
一瞬戸惑いを見せたが、すぐ何かに気付いたようにリィカが頷いた。
それを確認して、ユーリは自分がマジックポーションを呷る。
ユーリは、口に含んだそのまま、リィカの顎に手を当てて顔を上げる。
リィカと視線が交わる。
ユーリは、リィカに顔を近づけ……そして、口付けた。
口移しで、マジックポーションをリィカに飲ませたのだ。
リィカは目を瞑っている。
動揺した様子もなく、魔力を流すことだけに集中していた。
ゴクッとリィカが嚥下したのが分かる。
そして、リィカの魔力が、半分近くまで回復した。
瞬間、リィカは魔力を流す量を、一気に増した。
魔封陣の紫色の光が、強く輝く。
「いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
リィカが叫んだ。
さらに輝きが増す。
――バァァァァン!!
上空で何かが弾けるような音がした。
ユーリが見上げる。
上空を覆っていた紫色のドームに、罅が入っていた。
その罅があっという間に全体に広がり……そして、溶けるように消えてなくなった。
――魔封陣を壊した。
その瞬間、ユーリは両手を上に上げる。
「《範囲回復》!!」
込められるだけの魔力を込めて、魔法を発動させる。
広い範囲の回復を行える魔法。
その魔法を、この街全体にかける。
もう間に合わない人もいるだろう。
でも、この回復魔法で助かる人もいるはずだ。
そして、人間だけを回復するように。
魔物や魔族には効果がないように。
成功しているかは分からない。けれど、その願いを込めた。
ユーリは、ガクッと片膝をついた。
「……街全体にかけるのは、さすがにキツかったですかね」
苦笑が漏れた。
「ユーリ、やったね」
リィカは疲れた顔をしているが、やりきった満足感も浮かべていた。
リィカに頷き、手をパンと打ち合わせた。
マジックポーションをもう一本取り出して、リィカに渡した。
「また魔力が空になってるじゃないですか。飲んで下さい」
「……もったいない」
「皆の所に駆け付けるのに、リィカが魔力なしじゃ困ります。つべこべ言うと、また口移しで飲ませますよ」
「……飲みます」
最初からそう言え、と思いつつ、ユーリは自分の残りの魔力量を確認する。
先ほどの《範囲回復》でかなり使ったが、まだ半分近くは残っている。自分は何とかなるだろう。
ほっとけば回復するのに、とブツブツ言いながらリィカがマジックポーションを飲んでいた。
飲み終わると、リィカは立ち上がる。
そして、どちらからともなく走り出した。
今度こそ、仲間の元へと向かうために。
※ ※ ※
リィカとユーリが走り去っていくのを、数名の街の住人が見ていた。
半年ほど前から、街に住んでいる人たちだ。
「これは、いけませんね」
「はい、教主様」
「まさか勇者様のお仲間ともあろうお方が、無詠唱など。神を冒涜するような真似をするとは」
さて、どうやってお仕置きをしましょうか。
教主と呼ばれた男が、冷淡に笑った。
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