263 / 627
第九章 聖地イエルザム
深まる謎
しおりを挟む
「「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
暁斗とリィカは、悲鳴を上げて逃げ出した。
その後を、紅い目をした老爺が追い掛ける。
「なんで? あいつ、追い掛けてくるよ!」
「暁斗、男の子でしょ!? 何とかしてよ!」
「男女差別反対!」
二人とも目に涙をにじませて、責任を押し付け合いながら走る。
だが、相手は早かった。
「年寄りなのに、すごく早いよぉ……!」
暁斗の泣き言を漏らす。
腹をくくったのはリィカだった。
「――ああ、もうっ! やってやるわよ! ――《火炎弾》!」
自棄気味に叫んで不死《アンデッド》に向き合うと、弱点である炎の魔法を放つ。中級魔法だ。
だが、紅い目をした老爺が、ニタァと笑った。
斧を振り下ろす。
「「えっ!?」」
暁斗とリィカが同時に疑問の声を上げる。
――振り下ろした斧が、リィカの魔法を断ち切った。
もちろん、ただ振り下ろしただけで魔法を断ち切れるわけがない。
「……今の、剣技?」
斧に、剣技と同じように魔力が纏っていたように感じた。
「うん、そんな感じがする。斧でできるなんて知らなかったけど……」
リィカの疑問に、暁斗が半分疑問を織り交ぜつつ答えた。
剣技と言うだけあって、剣のみで発動できる技だ、と聞いた事がある。
もう一度確認するべく、今度は暁斗が魔法を発動させた。
「《火柱》!」
下から出てくる、火の柱。
それが、今度は老爺を直撃した。
「――やっ……?」
やった、と言いかけて、暁斗が黙る。
相手が不死なら、例え倒せなくても少なくないダメージを与えられるはず。
だが、再び斧が振られる。
火の柱が、二つに断たれる。
そこから姿を現した老爺は、ほとんどダメージを受けていなかった。
「――なんで!?」
暁斗が思わず声を上げる。
「………………あいつ、もしかして不死じゃないのかも」
リィカから、予想外の言葉が飛び出した。
「……どういうこと?」
どこからどう見ても、見た目は完全に不死だ。
リィカも、確信はないのか、悩むように言った。
「なんか違和感があるの。不死とは、違う気がする。でも、確かに魔物の魔力を感じる。けど、どこかちぐはぐな気がするんだけど」
「……ちぐはぐ?」
リィカの言葉は、暁斗には意味が分からない。
リィカは、老爺を見つめたまま言った。
「イグナシオ様に話を伺おう? けどその前に、あいつを何とか追い返さないと……」
少し考えて、リィカは魔法を唱えた。
「《紅炎》」
炎の中級魔法。中級魔法ながら、広域に効果のある魔法だ。
二人と老爺の間に、炎の壁ができる。
「……キキッ……キハハッ……!」
それを見て、老爺が口から出したのは、笑い声にも聞こえた。
何かしてくるかと身構えた暁斗とリィカだが、老爺は炎を凝視するだけだ。
やがて諦めたようにその場で踵を返して、古い教会へと向かっていった。
「「……………………はぁ……」」
それを見て、暁斗もリィカも大きく息を吐いた。
だが、安心してばかりもいられない。
みんながいる古い教会に、行かせてしまったのだ。
「暁斗、話を聞きに行こう」
「うん」
二人は闇の教会へと走り出した。
※ ※ ※
泰基が風の手紙での話を終えると、疑問の視線が突き刺さった。
「何を頼んだんだ?」
「今の何? リィカやアキトと話してたの? どうやって?」
とは言っても、アレクたちの疑問と、ダランの疑問とは全く違うものだったが。
泰基は、まずダランに目を向ける。
「仲間同士で、離れていても話ができる道具、みたいのがあってな。それで話をしたんだ。それで納得してくれ」
目を輝かせて、さらに細かく聞きたそうにしているダランに、泰基はそれだけ説明する。
ダランは不満そうだが、泰基はそれには答えずにアレクたちに目を向けた。
「推測……と呼ぶのもおこがましい、下手すれば妄想と言ってもいい部類の話だけどな。
俺たちの世界で……過去に凄惨な事件が起こった場所で、その時の被害者なりが不死となって復讐劇を巻き起こす、みたいな話があって」
疑問を浮かべている三人を見つつ、泰基は続ける。
「あの現れた女の霊も何か意味ありげだったからな。もしかして、過去この教会で何か人の死に関わるような事件が起きていないか、と思って、話を聞いてこいと頼んだんだ」
なおも疑問を浮かべる三人だが、ユーリが首を傾げつつも泰基の意図を確認する。
「……人の死、ということは、あの女が魔物ではなく、元は人だった、ということですか? 人が何らかの形で死んでも残って、何かを成し遂げようとしている……?」
「ああ。――この世界でそういう話ってないか?」
泰基の問いに、ユーリは悩む様子を見せた。
それを不思議そうに見たアレクとバルが交互に答える。
「俺は聞いた事ないな」
「ああ、おれもだ。不死の魔物は死んだ人間が魔物として蘇った姿だ、って説もあるにはあるが、それだってはっきりそうと分かってる訳じゃねぇし」
不死の生息区域で命を落とした人がいた場合、可能な限り浄化魔法を掛けることが推奨されている。
浄化魔法を掛けないと、不死の数が増えている事が多いためだ。
そのため、死者が不死の魔物となっている、というのは、ほぼ間違いないとされてはいる。
それが確定していないのは、死してそのまま不死になっているなら、衣服など生前のものを身に付けていてもおかしくないはずなのに、そういった不死がいないからだ。
「……あまり言い触らせる事ではありませんが、そういった事例がなくはありません」
ユーリが悩みつつも口を開いた。
泰基の言葉の肯定に、アレクとバルが驚きを見せる。
「あるのか!?」
「ええ。ですが、本当にあまり口外していい話ではないので、ここだけの話にして頂きたいのですが」
言いつつユーリが視線を向けたのは、いわば部外者であるダランだ。
だが、ダランは心外そうだ。
「ボクだって、闇の教会で祝福を受けた神官だよ。そりゃあ、冒険者なんかやってるし、教会での仕事なんてしたことはないけど、それでも守るべき事はちゃんと守るよ」
ダランは、軽い様子もなく、真剣にユーリに向けて言った。
冒険者としても仕事を受けた相手の個人情報なんかを、周囲に言い触らしていいはずがない。
神官であろうと冒険者であろうと、日本で言う所の守秘義務のような意識を持っていなければ、まともな仕事などできないのだ。
「……そうですね。すいませんでした」
ユーリもそれが分かったのだろう。ダランに対して謝罪した。
「人は死んだ後に霊になる。不死のレイスと似ているようでいて、全く違う存在です」
ユーリが語る。
恨みでも何でもいいが、何かしらの心残りや後悔を抱いて死んでしまった人が、死してなお、その心残りや後悔を解消するために行動する、というのは、稀に見られる現象だ。
だが、それは一般には知られていない事柄だ。
教会内部でも、その事実を知る者はごく一部だけ。
王族にすらその事実は伏せられている。
その理由は、混乱が起きてしまうから、というのが最大の理由だ。
それを気にして、あるいはそうなる事を願って、そうした存在が増えてしまうことを危惧しての事でもある。
「そうした存在は浄化魔法で対応できます。言葉を話す者も稀にいるようですが、あの霊のように強い魔力を持っているという話は聞きません。……まあ事例が少なすぎるので、絶対にないとまでは言い切れませんが」
「そうか……」
話を聞いて、泰基が考え込む。だが、答えが出るはずもない。
「暁斗とリィカが、何かしら情報を仕入れてくれることを願うしかないか」
「そうですね……。あの二人の組み合わせで、ちゃんと話を聞けるのかが不安ではありますが」
ユーリの言葉に、泰基も渋い顔をする。
暁斗は当てにならない。
リィカならできるだろう。――相手が身分ある人間でさえなければ。
かなり落ち着いてきたとはいっても、リィカが身分ある人と正面から話ができるとも思えない。
つまりは、暁斗にやり取りをしてもらうしかなく……要するにそれが不安なのだ。
とは言っても、他にどうしようもなかったのだから、しょうがない。
「次にあの女の霊に遭遇したら、浄化魔法を使ってみましょう」
ユーリに言われて頷いた。
そして、さらに奥に進み出して少し経った頃。
アレクとバルが、立ち止まった。
「どうしたんですか?」
ユーリの問いに、二人が戸惑ったように答えた。
「今、何かがこの教会に入ってきた気配がした」
「強ぇ何かの気配だったが、一瞬で消えた」
泰基が目を細める。
「出て行ったではなく、入ってきた……? 何かが最初から外にいたのか……?」
近隣の人たちにも不死らしい存在の被害が出ている。
つまりは、教会の外の活動している不死もいるということだ。
それが中に入ってきた、と言うことは、その不死も、間違いなく何かしらの関係があるということだ。
暁斗とリィカは、悲鳴を上げて逃げ出した。
その後を、紅い目をした老爺が追い掛ける。
「なんで? あいつ、追い掛けてくるよ!」
「暁斗、男の子でしょ!? 何とかしてよ!」
「男女差別反対!」
二人とも目に涙をにじませて、責任を押し付け合いながら走る。
だが、相手は早かった。
「年寄りなのに、すごく早いよぉ……!」
暁斗の泣き言を漏らす。
腹をくくったのはリィカだった。
「――ああ、もうっ! やってやるわよ! ――《火炎弾》!」
自棄気味に叫んで不死《アンデッド》に向き合うと、弱点である炎の魔法を放つ。中級魔法だ。
だが、紅い目をした老爺が、ニタァと笑った。
斧を振り下ろす。
「「えっ!?」」
暁斗とリィカが同時に疑問の声を上げる。
――振り下ろした斧が、リィカの魔法を断ち切った。
もちろん、ただ振り下ろしただけで魔法を断ち切れるわけがない。
「……今の、剣技?」
斧に、剣技と同じように魔力が纏っていたように感じた。
「うん、そんな感じがする。斧でできるなんて知らなかったけど……」
リィカの疑問に、暁斗が半分疑問を織り交ぜつつ答えた。
剣技と言うだけあって、剣のみで発動できる技だ、と聞いた事がある。
もう一度確認するべく、今度は暁斗が魔法を発動させた。
「《火柱》!」
下から出てくる、火の柱。
それが、今度は老爺を直撃した。
「――やっ……?」
やった、と言いかけて、暁斗が黙る。
相手が不死なら、例え倒せなくても少なくないダメージを与えられるはず。
だが、再び斧が振られる。
火の柱が、二つに断たれる。
そこから姿を現した老爺は、ほとんどダメージを受けていなかった。
「――なんで!?」
暁斗が思わず声を上げる。
「………………あいつ、もしかして不死じゃないのかも」
リィカから、予想外の言葉が飛び出した。
「……どういうこと?」
どこからどう見ても、見た目は完全に不死だ。
リィカも、確信はないのか、悩むように言った。
「なんか違和感があるの。不死とは、違う気がする。でも、確かに魔物の魔力を感じる。けど、どこかちぐはぐな気がするんだけど」
「……ちぐはぐ?」
リィカの言葉は、暁斗には意味が分からない。
リィカは、老爺を見つめたまま言った。
「イグナシオ様に話を伺おう? けどその前に、あいつを何とか追い返さないと……」
少し考えて、リィカは魔法を唱えた。
「《紅炎》」
炎の中級魔法。中級魔法ながら、広域に効果のある魔法だ。
二人と老爺の間に、炎の壁ができる。
「……キキッ……キハハッ……!」
それを見て、老爺が口から出したのは、笑い声にも聞こえた。
何かしてくるかと身構えた暁斗とリィカだが、老爺は炎を凝視するだけだ。
やがて諦めたようにその場で踵を返して、古い教会へと向かっていった。
「「……………………はぁ……」」
それを見て、暁斗もリィカも大きく息を吐いた。
だが、安心してばかりもいられない。
みんながいる古い教会に、行かせてしまったのだ。
「暁斗、話を聞きに行こう」
「うん」
二人は闇の教会へと走り出した。
※ ※ ※
泰基が風の手紙での話を終えると、疑問の視線が突き刺さった。
「何を頼んだんだ?」
「今の何? リィカやアキトと話してたの? どうやって?」
とは言っても、アレクたちの疑問と、ダランの疑問とは全く違うものだったが。
泰基は、まずダランに目を向ける。
「仲間同士で、離れていても話ができる道具、みたいのがあってな。それで話をしたんだ。それで納得してくれ」
目を輝かせて、さらに細かく聞きたそうにしているダランに、泰基はそれだけ説明する。
ダランは不満そうだが、泰基はそれには答えずにアレクたちに目を向けた。
「推測……と呼ぶのもおこがましい、下手すれば妄想と言ってもいい部類の話だけどな。
俺たちの世界で……過去に凄惨な事件が起こった場所で、その時の被害者なりが不死となって復讐劇を巻き起こす、みたいな話があって」
疑問を浮かべている三人を見つつ、泰基は続ける。
「あの現れた女の霊も何か意味ありげだったからな。もしかして、過去この教会で何か人の死に関わるような事件が起きていないか、と思って、話を聞いてこいと頼んだんだ」
なおも疑問を浮かべる三人だが、ユーリが首を傾げつつも泰基の意図を確認する。
「……人の死、ということは、あの女が魔物ではなく、元は人だった、ということですか? 人が何らかの形で死んでも残って、何かを成し遂げようとしている……?」
「ああ。――この世界でそういう話ってないか?」
泰基の問いに、ユーリは悩む様子を見せた。
それを不思議そうに見たアレクとバルが交互に答える。
「俺は聞いた事ないな」
「ああ、おれもだ。不死の魔物は死んだ人間が魔物として蘇った姿だ、って説もあるにはあるが、それだってはっきりそうと分かってる訳じゃねぇし」
不死の生息区域で命を落とした人がいた場合、可能な限り浄化魔法を掛けることが推奨されている。
浄化魔法を掛けないと、不死の数が増えている事が多いためだ。
そのため、死者が不死の魔物となっている、というのは、ほぼ間違いないとされてはいる。
それが確定していないのは、死してそのまま不死になっているなら、衣服など生前のものを身に付けていてもおかしくないはずなのに、そういった不死がいないからだ。
「……あまり言い触らせる事ではありませんが、そういった事例がなくはありません」
ユーリが悩みつつも口を開いた。
泰基の言葉の肯定に、アレクとバルが驚きを見せる。
「あるのか!?」
「ええ。ですが、本当にあまり口外していい話ではないので、ここだけの話にして頂きたいのですが」
言いつつユーリが視線を向けたのは、いわば部外者であるダランだ。
だが、ダランは心外そうだ。
「ボクだって、闇の教会で祝福を受けた神官だよ。そりゃあ、冒険者なんかやってるし、教会での仕事なんてしたことはないけど、それでも守るべき事はちゃんと守るよ」
ダランは、軽い様子もなく、真剣にユーリに向けて言った。
冒険者としても仕事を受けた相手の個人情報なんかを、周囲に言い触らしていいはずがない。
神官であろうと冒険者であろうと、日本で言う所の守秘義務のような意識を持っていなければ、まともな仕事などできないのだ。
「……そうですね。すいませんでした」
ユーリもそれが分かったのだろう。ダランに対して謝罪した。
「人は死んだ後に霊になる。不死のレイスと似ているようでいて、全く違う存在です」
ユーリが語る。
恨みでも何でもいいが、何かしらの心残りや後悔を抱いて死んでしまった人が、死してなお、その心残りや後悔を解消するために行動する、というのは、稀に見られる現象だ。
だが、それは一般には知られていない事柄だ。
教会内部でも、その事実を知る者はごく一部だけ。
王族にすらその事実は伏せられている。
その理由は、混乱が起きてしまうから、というのが最大の理由だ。
それを気にして、あるいはそうなる事を願って、そうした存在が増えてしまうことを危惧しての事でもある。
「そうした存在は浄化魔法で対応できます。言葉を話す者も稀にいるようですが、あの霊のように強い魔力を持っているという話は聞きません。……まあ事例が少なすぎるので、絶対にないとまでは言い切れませんが」
「そうか……」
話を聞いて、泰基が考え込む。だが、答えが出るはずもない。
「暁斗とリィカが、何かしら情報を仕入れてくれることを願うしかないか」
「そうですね……。あの二人の組み合わせで、ちゃんと話を聞けるのかが不安ではありますが」
ユーリの言葉に、泰基も渋い顔をする。
暁斗は当てにならない。
リィカならできるだろう。――相手が身分ある人間でさえなければ。
かなり落ち着いてきたとはいっても、リィカが身分ある人と正面から話ができるとも思えない。
つまりは、暁斗にやり取りをしてもらうしかなく……要するにそれが不安なのだ。
とは言っても、他にどうしようもなかったのだから、しょうがない。
「次にあの女の霊に遭遇したら、浄化魔法を使ってみましょう」
ユーリに言われて頷いた。
そして、さらに奥に進み出して少し経った頃。
アレクとバルが、立ち止まった。
「どうしたんですか?」
ユーリの問いに、二人が戸惑ったように答えた。
「今、何かがこの教会に入ってきた気配がした」
「強ぇ何かの気配だったが、一瞬で消えた」
泰基が目を細める。
「出て行ったではなく、入ってきた……? 何かが最初から外にいたのか……?」
近隣の人たちにも不死らしい存在の被害が出ている。
つまりは、教会の外の活動している不死もいるということだ。
それが中に入ってきた、と言うことは、その不死も、間違いなく何かしらの関係があるということだ。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
あの夏の日、私は確かに恋をした
田尾風香
恋愛
夏の祭礼の終盤、私は婚約者である王子のエーリスに婚約破棄を言い渡されて、私が"精霊の愛し子"であることも「嘘だ」と断じられた。
何も言えないまま、私は国に送り返されることになり、馬車に乗ろうとした時だった。
「見つけた、カリサ」
どこかで見たことがあるような気がする男性に、私は攫われたのだった。
***全四話。毎日投稿予定。四話だけ視点が変わります。一話当たりの文字数は多めです。一話完結の予定が、思ったより長くなってしまったため、分けています。設定は深く考えていませんので、サラッとお読み頂けると嬉しいです。
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる