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第六章 王都テルフレイラ
ワズワース
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ダリアとカリスタが、リィカの様子を見て、泣きそうな顔になる。
「……二人とも、この子を医務室に連れてってやってくれんか? ワシみたいな年寄りでも、今のこの子に男が触れるべきではないじゃろうからな」
ワズワースの言葉に、ダリアとカリスタが黙って頭を下げる。
体を起こし、上にかけられただけの上着を着せる。肌が見えないようにしてから、カリスタがワズワースに声をかけた。
「ワズワース様、あの三人は……」
「今のうちにふん縛っとくとするよ。国王共々、この子の前に突き出してやらねばな」
カリスタがわずかに笑う。
体を動かしても、リィカは何も反応を見せない。呼吸は早く、光がなく虚ろな目からはずっと涙が零れたままだ。
「リィカさん……」
ダリアが声をかけるが、何も反応がない。
カトレナの護衛をして、ここまで戻ってくる旅の中で、何度も話をした。
遠慮がちに丁寧な言葉遣いをするリィカに、ダリアは笑ったものだ。
ダリアは、父が騎士爵の地位にあるが、それは一代限りだ。自分は平民だから普通に話して欲しいと言ったら、リィカは驚いた顔をしていた。
カリスタもそうだ。
男爵家の出身だが、領地も何もない、貧乏男爵家。
暮らしぶりは平民と変わらない。
貴族として扱われた方が逆に戸惑うから、と伝えた。
『それでも、王子様や王女様の護衛をするんだね』
ぎこちないながらも言葉から敬語がなくなって、そう聞かれた。
『貴族も位が上になると、女性が軍に入ることなんてほとんどないんだよ』
『そうそう。だから、他にいる貴族女性の軍人も、似たり寄ったりの貴族位だよ』
ダリアとカリスタがそう言って笑ったら、へえ、とリィカは感心したようにつぶやいていた。
そんなやり取りをつい思い出してしまった二人は、今のリィカを見て泣きたくなる。
それを堪えて、リィカの両脇を抱えて、カリスタとダリアが動こうとした時、
「リィカ!!」
アレクが、勇者一行がその場に駆け込んできた。そして、リィカを見て全員が息を呑んだ。
「――リィカ……?」
恐る恐るアレクが近づこうとすると、声がかかった。
「おやめなされ。お仲間であっても、今は男性がその子に近づくべきではありませんぞ」
「――あなたは?」
アレクが若干きつい目をワズワースに向ける。が、その質問に答えたのは、バルだった。
「ゲーテ公爵閣下!?」
「いや、公爵は息子に譲ったからな。今は引退した、ただのワズワースという口うるさい老人じゃよ。久しぶりじゃのぉ、バルムート」
驚く勇者一行を見つつ、ワズワースは、ダリアとカリスタに視線を送る。頷いてリィカを連れていく二人を見送りつつ、アレクはワズワースに向き直った。
「あなたが有名なゲーテ公爵だったんですね。初めまして、アレクシス・フォン・アルカトルです」
「有名かどうかは存じませぬが、先ほども申したように、すでに公爵ではございません。ワズワースとお呼び下され」
「有名ですよ。あのミラー騎士団長が、勝てないと言い切った方ですから」
「……すでに、あ奴の方が断トツで強いんじゃがのう。ワシじゃもう手も足も出ぬのに」
困った、という顔をする。
暁斗が、バルの服をクイッと引っ張る。
「……バルのお父さんの、知り合いなの?」
「ああ。親父が若い頃、だいぶこの人に煮え湯を飲まされたと言ってた。おれは、親父に連れられて、ここに来たときに会ったことがあんだよ。何かあったときには頼りになると言ってたな」
「おや、あのラインハルト殿がそんな殊勝なことを言うとは思えぬな」
聞きとがめたワズワースが、わざとらしく「意外だ」という表情を作る。
ラインハルトとは、バルの父親、ミラー騎士団長の名前だ。名前で呼ぶのだから、相当仲が良いんだろうな、と暁斗は思う。が、もしそれをミラー騎士団長が聞いたら、全力で否定するだろう。
『絶対、あいつだけは敵に回すなよ』
そう父が言っていたことを、バルは知っている。その言葉をかなり迂遠にした結果が、頼りになる、という言い回しだったりする。
ワズワースが、暁斗と泰基に頭を下げた。
「勇者様方には、お初にお目に掛かりまする。ワズワースと申します。若い頃は剣を振り回して色々やらかしたものですが、今では王宮に寄生する口うるさい老人ですな。主に、国王の相談役のような事をしております」
「国王の……」
暁斗が顔をしかめる。それを見て、ワズワースが再度頭を下げた。
「話は、カトレナ姫とテオドア殿下より伺っておりまする。魔王誕生以来すっかり弱気になって、最近では寝室に籠もっておったので放置しておったら、まさかこんな失態をやらかすとは思わなんだ」
ワズワースが周りを見て、倒れている三人を示す。
「こ奴らを取り調べて、国王へ説教をした上で、まとめてリィカ嬢に突き出すことをお約束致す。――事前に防ぐことができず、申し訳ござらぬ」
誰も何も言葉を発せずにいると、バタバタと足音が聞こえて、何人か騎士が姿を現わした。
「ワズワース様! ……勇者様もこちらにいらっしゃったんですね! お邪魔して申し訳ございません!」
真っ直ぐに尊敬の視線を向けられ、暁斗が怯む。
国王みたいなのも困るが、これもこれでどうしていいか分からない。
「構わぬ、どうしたのじゃ?」
「……その、ダリアに会いまして、ワズワース様の手伝いをしてほしいと」
「そうか」
リィカにも会って、何が起こったのかを聞いているのだろう。ひどく言いにくそうにしている。
「あの三人を取り調べるのでな。縄に繋いでくれ。それと、一人は勇者様方を医務室に案内してくれぬか」
騎士達が一斉に敬礼をした。
こうして、一行は医務室に向かうこととなった。
※ ※ ※
ワズワースと騎士達がビリエル達三人を縛っていると、そのビリエルが目を覚ました。
「……な、なんだこれは!?」
「起きたか、ビリエル」
「ワズワース!? なんのつもりだ、これは!? 今すぐに解け!」
「強姦の現行犯を、解くわけなかろうに」
「……は?」
ビリエルが一瞬疑問の声を上げ、すぐにその顔が怒りに変わる。
「ふざけるな、平民の女をどうしようと、おれ様の勝手だろう! たかだか平民ごときのために、ライト侯爵家の跡取りたるおれ様が、なぜこんな目に合わねばならないのだ!」
ワズワースが無言でビリエルを踏んづけた。
「――ぐぇっ!」
「良いか。貴族といえども、平民を好きにしていい決まりなど、どこにも存在せぬ。まして、貴様が手を出した女性は、勇者様のご一行の一人じゃ。この国を救ってくれた方に対して、何ということをしてくれたのじゃ!」
ゲホゲホとむせ込んでいるビリエルを、ワズワースはそれ以上見なかった。
「取り調べまで、とりあえず牢に放り込んでおけ。ワシは、先に国王の所へ行く」
騎士達に指示を出し、自らは国王の私室へと足を向けた。
「……二人とも、この子を医務室に連れてってやってくれんか? ワシみたいな年寄りでも、今のこの子に男が触れるべきではないじゃろうからな」
ワズワースの言葉に、ダリアとカリスタが黙って頭を下げる。
体を起こし、上にかけられただけの上着を着せる。肌が見えないようにしてから、カリスタがワズワースに声をかけた。
「ワズワース様、あの三人は……」
「今のうちにふん縛っとくとするよ。国王共々、この子の前に突き出してやらねばな」
カリスタがわずかに笑う。
体を動かしても、リィカは何も反応を見せない。呼吸は早く、光がなく虚ろな目からはずっと涙が零れたままだ。
「リィカさん……」
ダリアが声をかけるが、何も反応がない。
カトレナの護衛をして、ここまで戻ってくる旅の中で、何度も話をした。
遠慮がちに丁寧な言葉遣いをするリィカに、ダリアは笑ったものだ。
ダリアは、父が騎士爵の地位にあるが、それは一代限りだ。自分は平民だから普通に話して欲しいと言ったら、リィカは驚いた顔をしていた。
カリスタもそうだ。
男爵家の出身だが、領地も何もない、貧乏男爵家。
暮らしぶりは平民と変わらない。
貴族として扱われた方が逆に戸惑うから、と伝えた。
『それでも、王子様や王女様の護衛をするんだね』
ぎこちないながらも言葉から敬語がなくなって、そう聞かれた。
『貴族も位が上になると、女性が軍に入ることなんてほとんどないんだよ』
『そうそう。だから、他にいる貴族女性の軍人も、似たり寄ったりの貴族位だよ』
ダリアとカリスタがそう言って笑ったら、へえ、とリィカは感心したようにつぶやいていた。
そんなやり取りをつい思い出してしまった二人は、今のリィカを見て泣きたくなる。
それを堪えて、リィカの両脇を抱えて、カリスタとダリアが動こうとした時、
「リィカ!!」
アレクが、勇者一行がその場に駆け込んできた。そして、リィカを見て全員が息を呑んだ。
「――リィカ……?」
恐る恐るアレクが近づこうとすると、声がかかった。
「おやめなされ。お仲間であっても、今は男性がその子に近づくべきではありませんぞ」
「――あなたは?」
アレクが若干きつい目をワズワースに向ける。が、その質問に答えたのは、バルだった。
「ゲーテ公爵閣下!?」
「いや、公爵は息子に譲ったからな。今は引退した、ただのワズワースという口うるさい老人じゃよ。久しぶりじゃのぉ、バルムート」
驚く勇者一行を見つつ、ワズワースは、ダリアとカリスタに視線を送る。頷いてリィカを連れていく二人を見送りつつ、アレクはワズワースに向き直った。
「あなたが有名なゲーテ公爵だったんですね。初めまして、アレクシス・フォン・アルカトルです」
「有名かどうかは存じませぬが、先ほども申したように、すでに公爵ではございません。ワズワースとお呼び下され」
「有名ですよ。あのミラー騎士団長が、勝てないと言い切った方ですから」
「……すでに、あ奴の方が断トツで強いんじゃがのう。ワシじゃもう手も足も出ぬのに」
困った、という顔をする。
暁斗が、バルの服をクイッと引っ張る。
「……バルのお父さんの、知り合いなの?」
「ああ。親父が若い頃、だいぶこの人に煮え湯を飲まされたと言ってた。おれは、親父に連れられて、ここに来たときに会ったことがあんだよ。何かあったときには頼りになると言ってたな」
「おや、あのラインハルト殿がそんな殊勝なことを言うとは思えぬな」
聞きとがめたワズワースが、わざとらしく「意外だ」という表情を作る。
ラインハルトとは、バルの父親、ミラー騎士団長の名前だ。名前で呼ぶのだから、相当仲が良いんだろうな、と暁斗は思う。が、もしそれをミラー騎士団長が聞いたら、全力で否定するだろう。
『絶対、あいつだけは敵に回すなよ』
そう父が言っていたことを、バルは知っている。その言葉をかなり迂遠にした結果が、頼りになる、という言い回しだったりする。
ワズワースが、暁斗と泰基に頭を下げた。
「勇者様方には、お初にお目に掛かりまする。ワズワースと申します。若い頃は剣を振り回して色々やらかしたものですが、今では王宮に寄生する口うるさい老人ですな。主に、国王の相談役のような事をしております」
「国王の……」
暁斗が顔をしかめる。それを見て、ワズワースが再度頭を下げた。
「話は、カトレナ姫とテオドア殿下より伺っておりまする。魔王誕生以来すっかり弱気になって、最近では寝室に籠もっておったので放置しておったら、まさかこんな失態をやらかすとは思わなんだ」
ワズワースが周りを見て、倒れている三人を示す。
「こ奴らを取り調べて、国王へ説教をした上で、まとめてリィカ嬢に突き出すことをお約束致す。――事前に防ぐことができず、申し訳ござらぬ」
誰も何も言葉を発せずにいると、バタバタと足音が聞こえて、何人か騎士が姿を現わした。
「ワズワース様! ……勇者様もこちらにいらっしゃったんですね! お邪魔して申し訳ございません!」
真っ直ぐに尊敬の視線を向けられ、暁斗が怯む。
国王みたいなのも困るが、これもこれでどうしていいか分からない。
「構わぬ、どうしたのじゃ?」
「……その、ダリアに会いまして、ワズワース様の手伝いをしてほしいと」
「そうか」
リィカにも会って、何が起こったのかを聞いているのだろう。ひどく言いにくそうにしている。
「あの三人を取り調べるのでな。縄に繋いでくれ。それと、一人は勇者様方を医務室に案内してくれぬか」
騎士達が一斉に敬礼をした。
こうして、一行は医務室に向かうこととなった。
※ ※ ※
ワズワースと騎士達がビリエル達三人を縛っていると、そのビリエルが目を覚ました。
「……な、なんだこれは!?」
「起きたか、ビリエル」
「ワズワース!? なんのつもりだ、これは!? 今すぐに解け!」
「強姦の現行犯を、解くわけなかろうに」
「……は?」
ビリエルが一瞬疑問の声を上げ、すぐにその顔が怒りに変わる。
「ふざけるな、平民の女をどうしようと、おれ様の勝手だろう! たかだか平民ごときのために、ライト侯爵家の跡取りたるおれ様が、なぜこんな目に合わねばならないのだ!」
ワズワースが無言でビリエルを踏んづけた。
「――ぐぇっ!」
「良いか。貴族といえども、平民を好きにしていい決まりなど、どこにも存在せぬ。まして、貴様が手を出した女性は、勇者様のご一行の一人じゃ。この国を救ってくれた方に対して、何ということをしてくれたのじゃ!」
ゲホゲホとむせ込んでいるビリエルを、ワズワースはそれ以上見なかった。
「取り調べまで、とりあえず牢に放り込んでおけ。ワシは、先に国王の所へ行く」
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