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第二章 旅の始まりと、初めての戦闘

捜索②

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捜索開始から二日目。
一日目と状況は変わらない。

足場の悪さに阻まれて、思うように先に進めなかった。
二人の姿は欠片も見えない。


捜索三日目。
変化が見られた。

「川の流れが、穏やかになってきたな」

それだけではなく、今まで切り立った崖の下の方に川が流れていたが、川が近くなってきた。
これなら、川から上がることもできそうだ。

その先に人がいるのが見えて、ユーリが声をかける。

「あの、すいません。少し伺いたい事があるんですが」

年を取った男性だ。
大きな瓶を持っているから、水くみに来たんだろうか。

「……は、はいっ!?」
ユーリが声をかけると、やたらとビクッとなった。

「あの、実は人を探していまして。男女の二人組……だと思うんですが。男の方は、多分怪我を負っていて、何か心当たりは……」

「……ひぃっ!!」

話している最中で、悲鳴を上げて逃げ出した。
ユーリは唖然として、それを見送る。

「……僕、なんか怖がらせるようなこと、言いましたかね?」
「……言ってねぇ、と思うが」

「追い掛けるぞ。何か知ってるかもしれない」
ポカンとしている二人に、泰基が声をかけた。

「……は?」
「……何をだ?」

「その男女の二人組に心当たりがあるんじゃないか? で、その二人組が何かをやらかして、その結果、あんな反応になった」

説明をされても、納得してなさそうな様子の二人に構わず、泰基は走り出そうとして……、止まった。

その視線の先にあったのは、赤黒く染まった場所。
まるで、その場所で大量の出血があったと見られる場所だった。

「…………これは」

思い出すのは、アレクの受けた傷だ。
あの傷なら、これだけの出血があってもおかしくない、と思えるほどの……。

「行こう」

そう言って走り出したのは、暁斗だった。
相変わらず無表情のまま。

ここに来るまで、暁斗はほとんど口を開いていなかった。
自分たちの後を付いてきているだけで、自発的に行動することもほとんどなかった。

何でここに来て急に、とバルが考えて、暁斗の顔を見れば、無表情なんかじゃなかった。

その顔は、何かを恐れているような、そんな表情をしていた。


そして、四人がたどり着いたのは、年寄りしかいない村だった。
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