BADEND

１

幼いころの記憶

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子供たちの楽しそうな声が響く放課後の公園。
鬼ごっこをして遊ぶ子もいれば砂場でお城を作って遊んでいる子もいる。

その子供たちの中に一人、何もせずにベンチに座りみんなを眺めている子供がいた。

彼の服はボロボロで何日もずっと着ているようにくたびれている。Tシャツ短パンから出た彼の細い手足にはいくつかあざがあるように見える。

彼はみんなの輪に入ろうとせずただ眺めているだけだった。

そして周りの子供もまた彼を遊びに誘うことはなかった。

良い子のチャイムが鳴り、だんだんと子供の数が減っていくが、彼はまだベンチに座ってたいた。

これが彼の日常なのだ。



彼の名は健一といい、公園にほど近いアパートの一室に住んでいる。彼が日常的に両親から暴力を受けていたことは彼の見た目からすぐわかったが、手を差し伸べるものはいなかった。

健一の父親は酒に浸っていて、一日中家におり健一がいるとよく暴力をふるった。
母親は夜の仕事をしており、家に帰ってくることは少なかった。やっと帰ってきても健一は甘えることも許されず、ストレス発散のためのサンドバッグ代わりにされる。

そういう経緯から健一は夜眠るため以外に家にいることはほとんどなかった。