幸せ

幸せ。

当日、私はとても緊張していた。
けれど、あなたも同じだったらしい。
それを知って少し安心した。
その日私たちはカラオケに行った。
そのカラオケであなたの友達がバイトしていた時は驚いた。
しかし、その友達にはとても感謝している。その友達のおかげで付き合うことになったのだから。
その友達にお互い呼び出され気持ちを確認された。
そして相手の気持ちをお互いに教えられた。
なんと2人とも付き合ってみたいと思っていたのだ。
その日、晩御飯を食べて帰る流れになった時、あなたは私を呼び止めてイルミネーションの中のベンチに座らせた。
いくら鈍感と言われる私でもこれから告白されることはわかった。
しかし、そこで言われた言葉は
「俺の事どう思ってる？」
だった。
驚いたが私は好きという気持ちがわかっておらず、楽しければ付き合えばいいのではないかと思っていたので
「一緒にいて楽しかったし、付き合ってみたいなと思ってる」
と、伝えた。
この時付き合わない選択肢を取れていたら今の私とあなたの関係はもっと綺麗なものだったのかもしれない。
しかし、伝えてしまったのでもう遅い。
付き合うことになった。
好きという気持ちが分からないと言ったが、今考えるとやっぱり付き合う前から好きだったのだと思う。
付き合っている間はとてもとても幸せだった。嬉しかった。楽しかった。
こんなに人に私のことを好いてもらったことがなかったのだ。
浮かれまくっていた。
そこから半年以上私は幸せだった。
1週間と空けずにずっと会っていた。
何度も何度も好きだと伝えて、伝えてくれて、幸せだった。
あなたに近づきたくてあなたの好きなバンドの曲を聞き、ギターも始めた。
あなたのお下がりのギターを貰った。
嬉しかった。何度も何度も練習した。
付き合い始めたのは1月だったが、
2月には観覧車ではじめてキスもして
8月には初めても捨てた。
あなたのためならなんでも出来ると思っていた。
幸せだった。