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中編1
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「え、あの、その、具体的に何するんですか……?」
「あー、今回の短編は受けとのラブラブえっちがテーマだから、特別なことはないよ。まぁ前立腺の描写を中心にするから、そこを確かめたいって感じかな。挿入まではしないから安心してよ」
ラブラブえっち……前立腺……
ライは軽い調子で答えるが、その「前立腺」という単語に思わず聡は全身が固まる。
「口とか胸とかは女性との経験で何とか分かるんだけどさ、前立腺は女性にはないでしょ? だから受けの感覚とか反応とかを確かめたいんだよね」
あまりにさらりと言葉を述べるため、余計にその現実が聡に突き刺さった。
「ゆ、指つっこむんですか?」
緊張しながらもやっとの思いで口を開いた聡に、ライはなんでもないように言う。
「いや、まずは浣腸からでしょ? バイ菌とか危ないし、そこはきちんとしないとね。キツイと思うけど、まぁ頑張って」
そう言って無造作に箱に入った浣腸を手渡される。
(浣腸……! そうだよなぁ、現実まずそこからだよな)
と内心で聡は呻きながら、箱を受け取り、一人トイレへと向かった。
トイレにこもった聡は、作業を進めつつも冷や汗をかいていた。腹がゴロゴロと鈍い痛みが響くたびに、心の奥底からため息が漏れる。
(これが……仕事……? いやいや、林さんも何でもしてきたって言ってたし、これも編集者として必要なことだ)
そう言い聞かせるように呟き、ようやく準備を終える。
シャワーで体を清潔にした後も、とてつもない疲労感が聡の全身を覆う。事前に用意してあったバスローブを羽織り、寝室に向かうも、これから起こることを思うとその足取りは重くなった。
寝室の扉を開けると、ライは優雅にベッドに腰掛け、レイは椅子に座りスケッチブックに視線を落としていた。
聡が寝室に入るのに気づいたライが、明るく声をかける。
「お、『素材』くんお疲れ~。どう?準備大変だった?」
「マジで……浣腸とか初めてだったので、死ぬかと思いました」
聡はゲッソリとした表情でそう答える。
「ははっ、まぁ何度もすることでもないし、いい経験だと思っとけば?」
(っこいつな……! こんなのがいい経験な訳ないだろ!!)
怒りに震えそうになりながらも「俺は編集者、これは仕事、これは仕事……」と言い聞かせて心を落ち着かせる。
「じゃ、始めようか。まずは仰向けになって」
そう言われ、バスローブを脱ぎ、聡はベッドに横たわる。
ライはベッドの脇のローションを手に取り、中身をそっと指先に垂らす。その動きは妙に滑らかで慣れているようにも見えた。
「漫画みたいに、いきなり指を突っ込むなんて無理だから。ゆっくり慣らしていくね」
少し温めたのか、ぬるいローションの感覚が肌に触れる。
ライの指が聡の後ろに添えられると、全身が一気に硬直した。緊張から、周囲に聞こえそうなほど聡の心臓が大きく音を鳴らす。
「リラックスしてね。変に力むと切れるよ」
ライは軽く言うと、ゆっくりと指を聡の中へ滑り込ませた。少しずつ、じっくりと、無理をさせないようにしているのか、聡の反応を見て解していく。
そして軽く指を穴に沿ってくるりと回した。
「――ッ!」
ライの指の感覚をダイレクトに感じる。
(これっ、キツっ……)
小さく息を飲んで思わず体に力が入ると、ライは動きを止めた。
「ほらほら、そんなに力まないの」
そう言いながら、ライは軽く指を動かし浅い周囲をなぞるように刺激を加える。
「あーやっぱ時間かけないと難しいな。そこらへん女の子と違うよね」
そういうと指の滑りを良くするために、ローションを追加する。
ひと呼吸おいて、二本目の指がジワリと聡の中に押し入ってきた。
――くぅッ、マジきつい、これッ、
内臓に直接触れられているかのような感覚にふぅふぅと苦しむ聡の姿を見て、レイが口を挟む。
「おい、ライ。それ、本当に問題ないのか?」
「あー、大丈夫でしょ。一応指二本は入ったしね。次、前立腺探してみるわ」
ライの軽い声に反して、その指の動きは真剣そのものだった。
指が内壁をくるくると触れるたび、苦しさからか聡の身体がびくびくと反応する。
「前立腺の場所、分かるのか?」
レイの疑問に、ライは笑いながら答える。
「一応解剖学の本とか読んだんだけどねー。結構難しいかも。あっなんかコリコリっとしたのある。これかな?」
ライの指先が小さなしこりの様な硬い感触に触れた。
豆粒ほどのそれを優しく撫でると、聡の身体がピクッと一瞬跳ねる。
「これ、どう?どんな感覚する?」
「なんか……少しムズムズする、ような……」
じんわりと腹の奥に膨らむ感覚を感じながら、聡は答える。
「ん~、さすがに最初は快感って感じじゃないかぁ。まぁ初めてはこんなもんだよね」
ライはまるで予想通りという反応をして、ふと聡の陰茎に視線を向けた。
「じゃ、ちょっとこっちも触るね」
「えっ! あの、そこも……?」
不思議そうに、そして不安げに見つめる聡に、ライはウインクしながら答える。
「勃起してると前立腺の位置もわかりやすくなるんだよ。ちなみにこれはとある知り合いからの情報ね」
軽く手で抜くように動かすと、聡はギュッと刺激に耐えるように体を丸くした。
「ッつ…んン……」
陰茎への刺激に、声がおもわず漏れそうになるも聡は必死に耐える。
それを見たライは、指先で前立腺をトントンと叩くように刺激した。
「うん、やっぱり勃起すると前立腺もぷっくり膨らんでわかりやすいね」
その様子を黙って見ていたレイが、突然低い声で尋ねる。
「俺も一応資料のために触ってみてもいいか?」
聡はどう答えればいいのか戸惑いながら、そのレイの提案に怯えた。
心の中で動揺を感じながらも、「編集者」という立場が重くのしかかる。
(え……レイさんも!? でもそうか、絵のためだもんな、それなら……)
聡は躊躇いながらも小さく頷いた。
ライは指を抜き、交代するようにレイが指を添える。
レイの指が聡の中へと入っていく感触は、先ほどのライとは少し異なった。
不慣れな手つきでライに指導を受けながら、前立腺の位置を探る。
「あぁ、これか。確かにしこりの様な感触があるな」
と妙に感心し頷きながらも、的確にそれに触れる。
だが力加減が分からないのかグイッと少し強めに押し込まれ、その瞬間ビリリと鋭い電流が駆け抜ける感覚が聡の背中に走った。
~~~っなんだっ、これッ、なんか妙に腹の奥にクる感じがする
じわじわと広がる妙な感覚に、頭がぼんやりとしていく。
「ライ、今日はこのくらいにしよう。小林君の負担が大きいだろう」
そう言ってレイは聡の後ろから慎重に指を引き抜いた。
(終わった……)
やっと解放されると聡は安堵の息をついたが、それはすぐに裏切られた。
「そうだね。刺激は分かるけどまだ『感じる』段階ではないよね? 」
ライがそう言いながら手元に視線を落とす。彼の手に収まっているのは勃起した聡の陰茎。ふるふると震えるそれが、聡の身体の反応を物語っていた。
「勃ったまま帰すわけにもいかないし……射精させとくね!」
無邪気な笑顔を浮かべ、ライが手を動かし始める。
「ちょっ、自分で処理しますからっ、やめッッ…っ、んん、んぁ!」
抵抗も虚しく、聡の身体はあっけなく絶頂へと追い込まれた。湧き上がる快感に身体を震わせながら、彼は精液を吐き出した。
っ恥ずかしすぎる……
羞恥で真っ赤になりながら、近くに置いたバスローブに手を伸ばす。早くこの状況から逃げ出したい一心で、聡は叫んだ。
「もう終わりですよね! 着替えます!」
と急ぎ足で部屋を抜けようとするが、背後から投げかけられた言葉に思わず足を止めた。
「じゃ、明日もよろしくね」
「あ、明日?」
振り返ると、ライは平然と頷きながら答える。
「そうそう、だって短編では受けが感じる描写が必要なんだよ。小林君はまだまだじゃん。これじゃあ、レイもリアルに描けないよ。な?」
そういってレイに声をかける。
レイはとても真剣な表情で、「ああ、明日も頼む」と聡に告げた。
――――これがまだ続くのか?
くらくらと眩暈を覚えながらも、「はい、仕事ですもんね……。また明日、失礼します」と小さく頭を下げた。
高麗先生のマンションを後にする聡の足取りは、行きと同様、とても重かった。
「あー、今回の短編は受けとのラブラブえっちがテーマだから、特別なことはないよ。まぁ前立腺の描写を中心にするから、そこを確かめたいって感じかな。挿入まではしないから安心してよ」
ラブラブえっち……前立腺……
ライは軽い調子で答えるが、その「前立腺」という単語に思わず聡は全身が固まる。
「口とか胸とかは女性との経験で何とか分かるんだけどさ、前立腺は女性にはないでしょ? だから受けの感覚とか反応とかを確かめたいんだよね」
あまりにさらりと言葉を述べるため、余計にその現実が聡に突き刺さった。
「ゆ、指つっこむんですか?」
緊張しながらもやっとの思いで口を開いた聡に、ライはなんでもないように言う。
「いや、まずは浣腸からでしょ? バイ菌とか危ないし、そこはきちんとしないとね。キツイと思うけど、まぁ頑張って」
そう言って無造作に箱に入った浣腸を手渡される。
(浣腸……! そうだよなぁ、現実まずそこからだよな)
と内心で聡は呻きながら、箱を受け取り、一人トイレへと向かった。
トイレにこもった聡は、作業を進めつつも冷や汗をかいていた。腹がゴロゴロと鈍い痛みが響くたびに、心の奥底からため息が漏れる。
(これが……仕事……? いやいや、林さんも何でもしてきたって言ってたし、これも編集者として必要なことだ)
そう言い聞かせるように呟き、ようやく準備を終える。
シャワーで体を清潔にした後も、とてつもない疲労感が聡の全身を覆う。事前に用意してあったバスローブを羽織り、寝室に向かうも、これから起こることを思うとその足取りは重くなった。
寝室の扉を開けると、ライは優雅にベッドに腰掛け、レイは椅子に座りスケッチブックに視線を落としていた。
聡が寝室に入るのに気づいたライが、明るく声をかける。
「お、『素材』くんお疲れ~。どう?準備大変だった?」
「マジで……浣腸とか初めてだったので、死ぬかと思いました」
聡はゲッソリとした表情でそう答える。
「ははっ、まぁ何度もすることでもないし、いい経験だと思っとけば?」
(っこいつな……! こんなのがいい経験な訳ないだろ!!)
怒りに震えそうになりながらも「俺は編集者、これは仕事、これは仕事……」と言い聞かせて心を落ち着かせる。
「じゃ、始めようか。まずは仰向けになって」
そう言われ、バスローブを脱ぎ、聡はベッドに横たわる。
ライはベッドの脇のローションを手に取り、中身をそっと指先に垂らす。その動きは妙に滑らかで慣れているようにも見えた。
「漫画みたいに、いきなり指を突っ込むなんて無理だから。ゆっくり慣らしていくね」
少し温めたのか、ぬるいローションの感覚が肌に触れる。
ライの指が聡の後ろに添えられると、全身が一気に硬直した。緊張から、周囲に聞こえそうなほど聡の心臓が大きく音を鳴らす。
「リラックスしてね。変に力むと切れるよ」
ライは軽く言うと、ゆっくりと指を聡の中へ滑り込ませた。少しずつ、じっくりと、無理をさせないようにしているのか、聡の反応を見て解していく。
そして軽く指を穴に沿ってくるりと回した。
「――ッ!」
ライの指の感覚をダイレクトに感じる。
(これっ、キツっ……)
小さく息を飲んで思わず体に力が入ると、ライは動きを止めた。
「ほらほら、そんなに力まないの」
そう言いながら、ライは軽く指を動かし浅い周囲をなぞるように刺激を加える。
「あーやっぱ時間かけないと難しいな。そこらへん女の子と違うよね」
そういうと指の滑りを良くするために、ローションを追加する。
ひと呼吸おいて、二本目の指がジワリと聡の中に押し入ってきた。
――くぅッ、マジきつい、これッ、
内臓に直接触れられているかのような感覚にふぅふぅと苦しむ聡の姿を見て、レイが口を挟む。
「おい、ライ。それ、本当に問題ないのか?」
「あー、大丈夫でしょ。一応指二本は入ったしね。次、前立腺探してみるわ」
ライの軽い声に反して、その指の動きは真剣そのものだった。
指が内壁をくるくると触れるたび、苦しさからか聡の身体がびくびくと反応する。
「前立腺の場所、分かるのか?」
レイの疑問に、ライは笑いながら答える。
「一応解剖学の本とか読んだんだけどねー。結構難しいかも。あっなんかコリコリっとしたのある。これかな?」
ライの指先が小さなしこりの様な硬い感触に触れた。
豆粒ほどのそれを優しく撫でると、聡の身体がピクッと一瞬跳ねる。
「これ、どう?どんな感覚する?」
「なんか……少しムズムズする、ような……」
じんわりと腹の奥に膨らむ感覚を感じながら、聡は答える。
「ん~、さすがに最初は快感って感じじゃないかぁ。まぁ初めてはこんなもんだよね」
ライはまるで予想通りという反応をして、ふと聡の陰茎に視線を向けた。
「じゃ、ちょっとこっちも触るね」
「えっ! あの、そこも……?」
不思議そうに、そして不安げに見つめる聡に、ライはウインクしながら答える。
「勃起してると前立腺の位置もわかりやすくなるんだよ。ちなみにこれはとある知り合いからの情報ね」
軽く手で抜くように動かすと、聡はギュッと刺激に耐えるように体を丸くした。
「ッつ…んン……」
陰茎への刺激に、声がおもわず漏れそうになるも聡は必死に耐える。
それを見たライは、指先で前立腺をトントンと叩くように刺激した。
「うん、やっぱり勃起すると前立腺もぷっくり膨らんでわかりやすいね」
その様子を黙って見ていたレイが、突然低い声で尋ねる。
「俺も一応資料のために触ってみてもいいか?」
聡はどう答えればいいのか戸惑いながら、そのレイの提案に怯えた。
心の中で動揺を感じながらも、「編集者」という立場が重くのしかかる。
(え……レイさんも!? でもそうか、絵のためだもんな、それなら……)
聡は躊躇いながらも小さく頷いた。
ライは指を抜き、交代するようにレイが指を添える。
レイの指が聡の中へと入っていく感触は、先ほどのライとは少し異なった。
不慣れな手つきでライに指導を受けながら、前立腺の位置を探る。
「あぁ、これか。確かにしこりの様な感触があるな」
と妙に感心し頷きながらも、的確にそれに触れる。
だが力加減が分からないのかグイッと少し強めに押し込まれ、その瞬間ビリリと鋭い電流が駆け抜ける感覚が聡の背中に走った。
~~~っなんだっ、これッ、なんか妙に腹の奥にクる感じがする
じわじわと広がる妙な感覚に、頭がぼんやりとしていく。
「ライ、今日はこのくらいにしよう。小林君の負担が大きいだろう」
そう言ってレイは聡の後ろから慎重に指を引き抜いた。
(終わった……)
やっと解放されると聡は安堵の息をついたが、それはすぐに裏切られた。
「そうだね。刺激は分かるけどまだ『感じる』段階ではないよね? 」
ライがそう言いながら手元に視線を落とす。彼の手に収まっているのは勃起した聡の陰茎。ふるふると震えるそれが、聡の身体の反応を物語っていた。
「勃ったまま帰すわけにもいかないし……射精させとくね!」
無邪気な笑顔を浮かべ、ライが手を動かし始める。
「ちょっ、自分で処理しますからっ、やめッッ…っ、んん、んぁ!」
抵抗も虚しく、聡の身体はあっけなく絶頂へと追い込まれた。湧き上がる快感に身体を震わせながら、彼は精液を吐き出した。
っ恥ずかしすぎる……
羞恥で真っ赤になりながら、近くに置いたバスローブに手を伸ばす。早くこの状況から逃げ出したい一心で、聡は叫んだ。
「もう終わりですよね! 着替えます!」
と急ぎ足で部屋を抜けようとするが、背後から投げかけられた言葉に思わず足を止めた。
「じゃ、明日もよろしくね」
「あ、明日?」
振り返ると、ライは平然と頷きながら答える。
「そうそう、だって短編では受けが感じる描写が必要なんだよ。小林君はまだまだじゃん。これじゃあ、レイもリアルに描けないよ。な?」
そういってレイに声をかける。
レイはとても真剣な表情で、「ああ、明日も頼む」と聡に告げた。
――――これがまだ続くのか?
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