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4 ルンバ、ピンチに陥る!
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ところで。
友利子の成功者としての人生に不可欠な存在である二人の娘たちだが。
遊び続けるうち、二人の間に不穏な空気が芽生えていた。
二人が火花を散らし本格的なケンカに発展するまでそれほど時間は掛からない。
小さい美紅が先に手を出す。
瑠衣はやり返したりはしないが怒りを抑えきれず癇癪を起こす。
叫び声を上げながら瑠衣は、そこら辺に転がった物という物を投げつけ始めたのだ。
「瑠衣! 止めなさい」
友利子が制止した。
「ミクが悪いの」
「ミク悪くない。ルイが悪いの」
気が強い美紅は絶対に引き下がらない。
「瑠衣はどうして怒ってるの?」
「ミクがお家を壊したのよ!」
「じゃあ、ママが直してあげる」
友利子の提案は、火に油を注ぐ結果となった。
「いやっっ」
それでは気がすまないのか瑠衣は絶叫すると、手近にあったオモチャの電話をフローリングに投げつけた。
ガッシャーーン!!
けっこうボリュームのあるサイズだが大丈夫か……?
「瑠衣!」
間髪を入れず瑠衣はテレビのリモコンをあろうことかテレビの画面に投げつけた。
「もう許さないわよ」
友利子の声がうんと低くなった。
瑠衣はドタドタと逃げる。
オレの横を通り過ぎた。
踏まれなくて良かった。
友利子が追いかける。
フロアは物が散らばり足の踏み場もないが、友利子はオレも含めて上手に物体をよけて走る。
瑠衣が一周して戻ってきた。今度は両手でルンバを持ち上げた。
ルンバとはつまりオレ。このオレ……。
うわぁっ。やめてくれ。助けてくれー。
「やめてっ」
金切声を上げ友利子が両手でオレを引っ掴んだ。
ついでに瑠衣の手をひっぺがしオレを奪う。
その際、痛かったのか瑠衣が大声で泣き、すっかりオモチャと化している電卓の上にでんと尻を載せ、大音響で喚いた。
そのとき、インターホンが鳴る。
友利子の顔がさっと青ざめた。
友利子の成功者としての人生に不可欠な存在である二人の娘たちだが。
遊び続けるうち、二人の間に不穏な空気が芽生えていた。
二人が火花を散らし本格的なケンカに発展するまでそれほど時間は掛からない。
小さい美紅が先に手を出す。
瑠衣はやり返したりはしないが怒りを抑えきれず癇癪を起こす。
叫び声を上げながら瑠衣は、そこら辺に転がった物という物を投げつけ始めたのだ。
「瑠衣! 止めなさい」
友利子が制止した。
「ミクが悪いの」
「ミク悪くない。ルイが悪いの」
気が強い美紅は絶対に引き下がらない。
「瑠衣はどうして怒ってるの?」
「ミクがお家を壊したのよ!」
「じゃあ、ママが直してあげる」
友利子の提案は、火に油を注ぐ結果となった。
「いやっっ」
それでは気がすまないのか瑠衣は絶叫すると、手近にあったオモチャの電話をフローリングに投げつけた。
ガッシャーーン!!
けっこうボリュームのあるサイズだが大丈夫か……?
「瑠衣!」
間髪を入れず瑠衣はテレビのリモコンをあろうことかテレビの画面に投げつけた。
「もう許さないわよ」
友利子の声がうんと低くなった。
瑠衣はドタドタと逃げる。
オレの横を通り過ぎた。
踏まれなくて良かった。
友利子が追いかける。
フロアは物が散らばり足の踏み場もないが、友利子はオレも含めて上手に物体をよけて走る。
瑠衣が一周して戻ってきた。今度は両手でルンバを持ち上げた。
ルンバとはつまりオレ。このオレ……。
うわぁっ。やめてくれ。助けてくれー。
「やめてっ」
金切声を上げ友利子が両手でオレを引っ掴んだ。
ついでに瑠衣の手をひっぺがしオレを奪う。
その際、痛かったのか瑠衣が大声で泣き、すっかりオモチャと化している電卓の上にでんと尻を載せ、大音響で喚いた。
そのとき、インターホンが鳴る。
友利子の顔がさっと青ざめた。
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