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2 今日のメニューはカレーだぜ
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いっぽう友利子はキッチンにバタバタと走った。
間もなく良い匂いが部屋中に漂う。
カレーか。
実に旨そうだ。
オレだってたまにはカレーを食いたい。
毎日毎日毎日ゴミばかりじゃ味気ない飽きてしまう。
美紅がひたひたとダイニングテーブルに歩み寄った。
ちょうどオレと目的地が一致する。
オレが今まさにテーブル下に潜ろうとしたとき、美紅は背伸びして自分のマグカップを取った……と思いきや。
危ない!
オレはとっさに身をかわした。すんでのところでオレはお茶の直撃を受けるところだった。
美紅がマグカップを逆さにし中身をぶちまけたのだ。
美紅は復讐の女神と化していた。
友利子に叱られたことを根に持っているのだ。
洗面所で濡らした袖口は搾れば水が滴り落ちてきそうなほど濡れている。
「ママー。美紅ちゃんがお茶こぼした!」
「はぁ?」
友利子がキッチンから回り込んで来る。
そこでマグカップを持ったままの美紅と床を濡らした液体を見比べた。
美紅が先手を取った。
マグカップを床に投げつけるとギャン泣き開始。
だが友利子は怒らなかった。
黙って渇いたタオルを持参しさっさと床を拭く。
「あーあ。今日は機嫌悪いバージョンね。そう言えば熱下がったのかしら」
友利子は美紅を抱き寄せると額に手を当てる。
そうか。
オレはすっかり忘れていたけど、友利子も忘れていたのだ。
美紅が今朝、熱を出していたことを。
三七度八分。よっしゃーー、行ける!
とか何とか言って無理矢理登園させ出勤していった友利子。
保育園では三八度以上だと預かってもらえないことになっているらしいが。
三七度八分じゃあ、立派に熱のある部類だろ。よーやるわ。
「よし。そんなに熱くないわ。これで安心ね」
友利子は美紅を放すと料理を再開した。
スプーンやフォークをテーブルに並べると、いや、まとめてどさりと置くとサラダ盛りを運んで来る。
次にカレーライスを並べた。
「ご飯よ」
と声を掛ける。
「今夜はあんたたちの大好きなカレーよ」
が、二人ともガン無視だ。
美紅も瑠衣と一緒にオレについて回っている。
瑠衣があみ出した遊びにたちまち美紅もハマったのだ。
オレの上に次々といろんな物を載せる。
やがてオレが限界を感じた頃、業を煮やした友利子が二人を抱え上げ椅子に座らせた。
夕食タイムの始まりだ。
どうでもいいが、せめて荷物降ろしてからにしてくれないか。
オレの上、中身が半分入ったペットボトルが載っかったままなんだけど。
オレの動きは否が応でも鈍くなる。
ダメだ。重い。
降ろしてくれ誰か~~。
シュオウウウーーン。
オレは呻き声というかモーター音をわざと大きく唸らせるが誰も気づいてはくれない。
「こら。美紅。カレーは遊び道具じゃないのよ。ちゃんと食べなさい」
カチャカチャカチャとスプーンが当たる音。
美紅はカレーをひたすらぐちゃぐゃに混ぜているのだ。
ん?
これはジャガイモをスプーンでカットしている音だな。
ジャガイモで遊ぶくらいだったらオレに食わせてくれないか。
「ミク。ちゃんと食べなさい」
姉さんぶって瑠衣が注意するが美紅は聞く耳持たず。
そのうちカレーにまみれたご飯がぼっとり床に落ちてきた。
よし。
これを逃す手はない。
オレはダッシュした。
ペットボトルを載せたまま。
ご飯目指して全力で走りきると見事にゲットした。
シューーン。ムシャムシャ。
なんてーーうまいんだろう(涙)
「バカ。どうして落とすのよ!」
ドスの利いた声を張り上げると友利子は立ち上がり美紅の椅子の裏に回り込んだ。
キョロキョロと床を探している。
すまん。
ご飯はオレが食った。
おかげで綺麗になったのだから文句ないだろ。
だが、次の瞬間オレはゾクリとする。
友利子が物凄い目でオレを睨んだのだ。
バレたのか。オレが食ったこと、バレたのか……orz
友利子はドスドスとオレに歩み寄ると荷物であるペットボトルをどけた。
「ったく。誰? 重い物載せたらダメだって言ったのに。壊れたら弁償よ。お年玉から引いちゃうからね」
良かった……軽くなった。
オレは仕事を再開する。軽くて気持ち良く仕事が進む。
間もなく良い匂いが部屋中に漂う。
カレーか。
実に旨そうだ。
オレだってたまにはカレーを食いたい。
毎日毎日毎日ゴミばかりじゃ味気ない飽きてしまう。
美紅がひたひたとダイニングテーブルに歩み寄った。
ちょうどオレと目的地が一致する。
オレが今まさにテーブル下に潜ろうとしたとき、美紅は背伸びして自分のマグカップを取った……と思いきや。
危ない!
オレはとっさに身をかわした。すんでのところでオレはお茶の直撃を受けるところだった。
美紅がマグカップを逆さにし中身をぶちまけたのだ。
美紅は復讐の女神と化していた。
友利子に叱られたことを根に持っているのだ。
洗面所で濡らした袖口は搾れば水が滴り落ちてきそうなほど濡れている。
「ママー。美紅ちゃんがお茶こぼした!」
「はぁ?」
友利子がキッチンから回り込んで来る。
そこでマグカップを持ったままの美紅と床を濡らした液体を見比べた。
美紅が先手を取った。
マグカップを床に投げつけるとギャン泣き開始。
だが友利子は怒らなかった。
黙って渇いたタオルを持参しさっさと床を拭く。
「あーあ。今日は機嫌悪いバージョンね。そう言えば熱下がったのかしら」
友利子は美紅を抱き寄せると額に手を当てる。
そうか。
オレはすっかり忘れていたけど、友利子も忘れていたのだ。
美紅が今朝、熱を出していたことを。
三七度八分。よっしゃーー、行ける!
とか何とか言って無理矢理登園させ出勤していった友利子。
保育園では三八度以上だと預かってもらえないことになっているらしいが。
三七度八分じゃあ、立派に熱のある部類だろ。よーやるわ。
「よし。そんなに熱くないわ。これで安心ね」
友利子は美紅を放すと料理を再開した。
スプーンやフォークをテーブルに並べると、いや、まとめてどさりと置くとサラダ盛りを運んで来る。
次にカレーライスを並べた。
「ご飯よ」
と声を掛ける。
「今夜はあんたたちの大好きなカレーよ」
が、二人ともガン無視だ。
美紅も瑠衣と一緒にオレについて回っている。
瑠衣があみ出した遊びにたちまち美紅もハマったのだ。
オレの上に次々といろんな物を載せる。
やがてオレが限界を感じた頃、業を煮やした友利子が二人を抱え上げ椅子に座らせた。
夕食タイムの始まりだ。
どうでもいいが、せめて荷物降ろしてからにしてくれないか。
オレの上、中身が半分入ったペットボトルが載っかったままなんだけど。
オレの動きは否が応でも鈍くなる。
ダメだ。重い。
降ろしてくれ誰か~~。
シュオウウウーーン。
オレは呻き声というかモーター音をわざと大きく唸らせるが誰も気づいてはくれない。
「こら。美紅。カレーは遊び道具じゃないのよ。ちゃんと食べなさい」
カチャカチャカチャとスプーンが当たる音。
美紅はカレーをひたすらぐちゃぐゃに混ぜているのだ。
ん?
これはジャガイモをスプーンでカットしている音だな。
ジャガイモで遊ぶくらいだったらオレに食わせてくれないか。
「ミク。ちゃんと食べなさい」
姉さんぶって瑠衣が注意するが美紅は聞く耳持たず。
そのうちカレーにまみれたご飯がぼっとり床に落ちてきた。
よし。
これを逃す手はない。
オレはダッシュした。
ペットボトルを載せたまま。
ご飯目指して全力で走りきると見事にゲットした。
シューーン。ムシャムシャ。
なんてーーうまいんだろう(涙)
「バカ。どうして落とすのよ!」
ドスの利いた声を張り上げると友利子は立ち上がり美紅の椅子の裏に回り込んだ。
キョロキョロと床を探している。
すまん。
ご飯はオレが食った。
おかげで綺麗になったのだから文句ないだろ。
だが、次の瞬間オレはゾクリとする。
友利子が物凄い目でオレを睨んだのだ。
バレたのか。オレが食ったこと、バレたのか……orz
友利子はドスドスとオレに歩み寄ると荷物であるペットボトルをどけた。
「ったく。誰? 重い物載せたらダメだって言ったのに。壊れたら弁償よ。お年玉から引いちゃうからね」
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