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「ネルとミラのおかげで魅惑の誘惑から逃れられたからよかったけど、二人とも早く精霊の森に帰らないとダメだよ?」
僕は二人を連れてゼノビアの屋敷から出て街の宿屋に3人一部屋の部屋を取った。
ゼノビアはネルとミラも屋敷にいればいいと言ってくれたけど、「お上品な礼儀作法がわからないから街の宿がいい」と言うミラの言葉にゼノビアたちは折れてくれたのだ。
おそらく、ミラのニーナへの態度を心配してのことだろう。
オスカーを庇っていること自体大事なのに、ニーナに何かあればオスカーの兄だけでなく、王までも挙兵するかもしれない。
王様は一人娘のニーナのことを溺愛しているそうだ。
それにしても、オスカーとニーナの父親であるこの国の王様は一体どんな人物なのだろうか?
第一王子が勝手に始めた王位継承権をかけた争いを放置しているなんて。
王様が介入して、誰を王太子にするのかはっきりしてしまえばいいのではないだろうか?
王子たちの能力を見るために争わせるにしても、その方法を提示したり、命の危険がないように配慮することくらいはできそうなのに。
第一王子が自分が王太子と決められても邪魔な存在は全て排除しないと気が治らないタイプだったとしても、それはまた別の話だし、優秀な者なんてそこかしこにいるから、そんな人たちを自分が不安だからと殺して回っていては国は立ち行かないだろう。
オスカーが先に反抗的な態度を見せたとかならばまだしも、第一王子の手の者に襲われるようなことがなければオスカーは大人しくしていただろうに……たぶん。
国が滅びそうなほど兄がばかだと判断した時には、妹や婚約者のために愚かな王太子や王様をあっさりと裏切る可能性もありそうだが。
今がその時なのだろうか?
この領地というか、この国にいること自体がヤバイような気がしてきた。
部屋の扉がノックされ、ガルフレッドが顔を出した。
「3人とも、飯どうする?」
「一緒に食べに行きます」
ガルフレッドはいつもゼノビアの屋敷ではなく宿屋を使っているらしい。
貴族の作法とは無縁なため、堅苦しい環境が苦手だという。
屋敷を出る時にオスカーとゼノビアを説得しやすかったのは、ガルフレッドの存在もある。
この宿もガルフレッドのおすすめだ。
安くて、宿屋の主人も気さくでいい人だという。
ただ、元冒険者で体格がかなり良く、頬に傷があることもあって見た目が怖い。
小さな子供が一目見て目に涙を浮かべるレベルの怖さだ。
そのため、冒険者以外の客がこの宿に泊まることは滅多にないらしい。
「子供たちよ、いっぱい食べろよ!」
受付でネルとミラを見た時の主人は感動していたが、今も食堂に来たネルとミラに山盛りの肉と野菜を持ってきてくれた。
お腹壊させる気か?
「あの、ご主人、こんな量を食べたらお腹を壊すので、普通の……小さなサイズでいいです」
「おう、そうか……でも、坊やは二人より大きいからこれくら食べられるだろう!」
宿の主人はそう豪快に笑って僕の前にさらに山盛りの皿を置いた。
「坊やって、僕のことですか?」
「そうだが?」
「僕はもうすぐ成人です!!」
僕の言葉にネルとミラ以外のその場の人々が驚いたように僕を見た。
ガルフレッドまで「え?」っていう顔をしている。
それからガーハッハッハっと一斉に笑い出す。
「わかるよ。大人に憧れる年頃だもんなー!」
「いっぱい食べていっぱい遊んで、早く大きくなれよ!」
「だが、酒はやめとけよ? 小さな体には悪いもんだからよ!」
「この宿を使ってるってことは冒険者希望か?」
「その小さな体じゃ一瞬で魔物の餌食になっちまう!」
「今はまだ年寄りの手伝い程度の依頼にしておけよ?」
大人に憧れる年頃ってなに!?
僕は本当に数ヶ月後には成人なんだけど!?
お酒といえば、貴族は成人になる誕生日に盛大なパーティーを開き、そこで乾杯する。
その時に万が一下戸だったら倒れてしまうかもしれないから、お酒に慣らすために14歳くらいからちょっとずつ飲まされたりするわけだが、僕にはその機会はなかった。
これまではお酒に興味はなかったし、節約していたというのもあって飲んでみようなんて思ったことはなかったけど、飲むとしたらお金に余裕のある今なのではないだろうか!?
ガルフレッドがいるから、僕が酔っ払っちゃってもネルとミラの面倒は見てもらえそうだし!
「店主! 僕にもお酒を一杯ください!」
「ガーハッハッハッ! あいよ!」
店主はジョッキ一杯の金色の飲み物を持ってきてくれた。
僕はそれをごくごくと飲んだ。
「っ!? 美味しい!!」
すごく爽やかでフルーティーな香りのするあま~いリンゴジュースだ!!
「美味しいけど、違う!!」
甘くてすごく美味しいけど、僕が求めているものとは違うんだ!!!
店主はネルとミラにも同じものを持ってきてくれ、二人もごくごくと飲んで満足そうにしている。
「森の果実には劣るけど、まぁまぁね」
「森のものより風味は劣るけど、これこれで」
二人には「精霊の森」や「青の果樹園」「白の泉」なんて言葉は言わないように前もって注意しておいた。
ちなみに、りんごはこの領地の特産らしい。
どおりで甘くて瑞々しくて美味しいわけだ。
僕は二人を連れてゼノビアの屋敷から出て街の宿屋に3人一部屋の部屋を取った。
ゼノビアはネルとミラも屋敷にいればいいと言ってくれたけど、「お上品な礼儀作法がわからないから街の宿がいい」と言うミラの言葉にゼノビアたちは折れてくれたのだ。
おそらく、ミラのニーナへの態度を心配してのことだろう。
オスカーを庇っていること自体大事なのに、ニーナに何かあればオスカーの兄だけでなく、王までも挙兵するかもしれない。
王様は一人娘のニーナのことを溺愛しているそうだ。
それにしても、オスカーとニーナの父親であるこの国の王様は一体どんな人物なのだろうか?
第一王子が勝手に始めた王位継承権をかけた争いを放置しているなんて。
王様が介入して、誰を王太子にするのかはっきりしてしまえばいいのではないだろうか?
王子たちの能力を見るために争わせるにしても、その方法を提示したり、命の危険がないように配慮することくらいはできそうなのに。
第一王子が自分が王太子と決められても邪魔な存在は全て排除しないと気が治らないタイプだったとしても、それはまた別の話だし、優秀な者なんてそこかしこにいるから、そんな人たちを自分が不安だからと殺して回っていては国は立ち行かないだろう。
オスカーが先に反抗的な態度を見せたとかならばまだしも、第一王子の手の者に襲われるようなことがなければオスカーは大人しくしていただろうに……たぶん。
国が滅びそうなほど兄がばかだと判断した時には、妹や婚約者のために愚かな王太子や王様をあっさりと裏切る可能性もありそうだが。
今がその時なのだろうか?
この領地というか、この国にいること自体がヤバイような気がしてきた。
部屋の扉がノックされ、ガルフレッドが顔を出した。
「3人とも、飯どうする?」
「一緒に食べに行きます」
ガルフレッドはいつもゼノビアの屋敷ではなく宿屋を使っているらしい。
貴族の作法とは無縁なため、堅苦しい環境が苦手だという。
屋敷を出る時にオスカーとゼノビアを説得しやすかったのは、ガルフレッドの存在もある。
この宿もガルフレッドのおすすめだ。
安くて、宿屋の主人も気さくでいい人だという。
ただ、元冒険者で体格がかなり良く、頬に傷があることもあって見た目が怖い。
小さな子供が一目見て目に涙を浮かべるレベルの怖さだ。
そのため、冒険者以外の客がこの宿に泊まることは滅多にないらしい。
「子供たちよ、いっぱい食べろよ!」
受付でネルとミラを見た時の主人は感動していたが、今も食堂に来たネルとミラに山盛りの肉と野菜を持ってきてくれた。
お腹壊させる気か?
「あの、ご主人、こんな量を食べたらお腹を壊すので、普通の……小さなサイズでいいです」
「おう、そうか……でも、坊やは二人より大きいからこれくら食べられるだろう!」
宿の主人はそう豪快に笑って僕の前にさらに山盛りの皿を置いた。
「坊やって、僕のことですか?」
「そうだが?」
「僕はもうすぐ成人です!!」
僕の言葉にネルとミラ以外のその場の人々が驚いたように僕を見た。
ガルフレッドまで「え?」っていう顔をしている。
それからガーハッハッハっと一斉に笑い出す。
「わかるよ。大人に憧れる年頃だもんなー!」
「いっぱい食べていっぱい遊んで、早く大きくなれよ!」
「だが、酒はやめとけよ? 小さな体には悪いもんだからよ!」
「この宿を使ってるってことは冒険者希望か?」
「その小さな体じゃ一瞬で魔物の餌食になっちまう!」
「今はまだ年寄りの手伝い程度の依頼にしておけよ?」
大人に憧れる年頃ってなに!?
僕は本当に数ヶ月後には成人なんだけど!?
お酒といえば、貴族は成人になる誕生日に盛大なパーティーを開き、そこで乾杯する。
その時に万が一下戸だったら倒れてしまうかもしれないから、お酒に慣らすために14歳くらいからちょっとずつ飲まされたりするわけだが、僕にはその機会はなかった。
これまではお酒に興味はなかったし、節約していたというのもあって飲んでみようなんて思ったことはなかったけど、飲むとしたらお金に余裕のある今なのではないだろうか!?
ガルフレッドがいるから、僕が酔っ払っちゃってもネルとミラの面倒は見てもらえそうだし!
「店主! 僕にもお酒を一杯ください!」
「ガーハッハッハッ! あいよ!」
店主はジョッキ一杯の金色の飲み物を持ってきてくれた。
僕はそれをごくごくと飲んだ。
「っ!? 美味しい!!」
すごく爽やかでフルーティーな香りのするあま~いリンゴジュースだ!!
「美味しいけど、違う!!」
甘くてすごく美味しいけど、僕が求めているものとは違うんだ!!!
店主はネルとミラにも同じものを持ってきてくれ、二人もごくごくと飲んで満足そうにしている。
「森の果実には劣るけど、まぁまぁね」
「森のものより風味は劣るけど、これこれで」
二人には「精霊の森」や「青の果樹園」「白の泉」なんて言葉は言わないように前もって注意しておいた。
ちなみに、りんごはこの領地の特産らしい。
どおりで甘くて瑞々しくて美味しいわけだ。
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