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周遊編
93 リヒトの公務 01 (第一補佐官視点)
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リヒト様が7歳になられました。
第一王子お披露目の儀式は大々的に行われたわけですが、まさか帝国のオーロ皇帝が来るとは思いませんでした。
帝国傘下に入るための調印式は、オーロ皇帝が来なくとも使者の者に任せると思っていたのですが……
一年前にリヒト様はオーロ皇帝に呼ばれ、ルシエンテ帝国に滞在していたのですが、随分とオーロ皇帝に気に入られているようでした。
その後、リヒト様は帝国周遊の旅の手始めに天空都市と呼ばれるオルニス国へ出かけました。
想定よりも早く帰って来られましたので、影響力の強い上位貴族のパーティーの招待には応じることにしました。
最初のパーティーは公爵家の令息の誕生日パーティーです。
それまでもリヒト様への招待状は大量に届いていましたが、重要なもの以外は断るという方針は最初から決まっていましたので、今回の招待状が届くまでは全ての招待を断っていました。
公爵家の令息の誕生日パーティーがご自身のお披露目以外ではリヒト様の初めての公務となります。
「私にクリストフとエーリッヒのような友人ができたように、リヒトにも友達を作ってほしい」
そう王であるゲドルト様は言っていましたが、そううまくはいかないだろうと宰相であるクリストフと第一補佐官を務めさせてもらっている私は思っていました。
カルロとの接し方を見てもわかるように、リヒト様は同年代の子供たちを同年代とは思っていないご様子でした。
まるで、自身の年齢よりも随分と小さな子を扱うように接するのです。
さすがに、カルロに対して見せる息子を溺愛する父親のような姿を他の子供たちにも見せることはないでしょうが、時折、私たちにまでまるで見守るような慈愛に満ちた眼差しを向けてくるリヒト様ですので、同年代の子供たちにリヒト様が同年代のように接することはまずないでしょう。
ユスティーツ公爵家の令息の誕生会には多くの貴族の子供たちが参加しますが、当然、その親である大人たちも参加します。
そして、大人たちの目当ては当然、リヒト様ですし、子供たちにもリヒト様に気に入られるようにと言い含めているはずです。
獲物を狙う魔獣のような者たちの中にリヒト様だけを放り込むわけにはいかないので、私もリヒト様にお供しました。
もちろん、リヒト様の乳母であるヴィント侯爵を信用していないのではなく、多人数を一人で捌くのは流石に大変でしょうから、私は補佐としてのお供です。
もし、リヒト様の護衛騎士であるグレデンが立ち回りも上手く、話術も上手ければ私は必要なかったかもしれませんが、彼はあくまで剣の腕を買われた護衛ですから、舌戦まで行えというのは求めすぎでしょう。
王族が早めに会場に入ってしまうとその後は緊張で他の者、特に子供たちがパーティーを楽しむことができなくなってしまうため、基本的に王族は遅れて会場に入り、早めに会場を後にします。
そんな時間制限のある中で、特に友達を求めている様子もないリヒト様が友達を作れるのかはわかりませんが、リヒト様も少しでも楽しめたらいいのですが……
そう思いながら、誕生日の令息に祝いの言葉を述べ、誕生日プレゼントを渡しているリヒト様を見守ります。
リヒト様は元々、穏やかで優しく、大人以上に気遣いのできる性格ですので、令息が緊張しすぎないように上手く言葉をかけておられます。
その様子に他の子供たちも寄ってきて、会話が弾んでいきます。
一見、リヒト様を囲んで楽しそうに話している子供たちの様子なのですが、中心にいるリヒト様の目はやはり子供たちを穏やかに見つめる大人の目です。
「どうやら、リヒト殿下は我が息子を気に入ってくれたようですね」
そんな図々しいことを言い出したのは、本日誕生日を迎えた令息の親である公爵ではない。
ユスティーツ公爵は非常に厳格な人物で、我が国に長年蔓延っていたあの忌まわしい慣習に手を染めることもなく、家族も領民も大事にする優秀な人物です。
そんなユスティーツ公爵が安っぽい言葉でリヒト様に取り入ろうとするはずもなく、軽率なことを言ってきたのは子爵家の者でした。
一言二言挨拶程度の言葉を交わしただけで、どうしてリヒト様が気に入ったことになるのか、この男の目は完全なる節穴なのでしょう。
「どうですか? うちの息子をリヒト殿下の従者にすれば、リヒト殿下もお喜びになると思うのですが?」
図々しすぎて呆れます。
「お優しいリヒト様が挨拶を返された程度で従者にしていては、この国の子供たちを全員、従者にしなければいけなくなりますね」
私の返答に周囲の大人たちがくすくすと笑いました。
「それに」と、ヴィント侯爵がリヒト様から視線を逸らさずに言いました。
「カルロに勝てる子でなければ、狩られますよ?」
なんて物騒なことを言うのだろうと思いましたが、確かに、リヒト様の半歩後ろでリヒト様にピッタリくっついているカルロの目が他の子供たちを射殺そうな鋭さをしています。
我々、リヒト様の周囲の者はカルロのあのような一面をよく知っているのですが、どうやらリヒト様にはまだバレていないようです。
今も、リヒト様が「ねぇ、カルロ」と振り向いた瞬間にカルロは無邪気な子供の表情を見せています。
なんてわかりやすい二面性なのでしょうか。
空気を読める貴族の子どもたちはそんなカルロから視線を逸らし、誕生日の主役がリヒト様から贈られたプレゼントを開封するのを見つめます。
大きな箱の中から出てきたのは本日の主役であるヘンリック様の体格に合わせた子供用の剣です。
その美しさにヘンリック様初め、男の子たちが感嘆のため息で見つめます。
女の子たちの興味は無くなってしまったようですが。
「この剣、魔法陣が刻まれていますね」
「ヘンリックは剣の稽古に励まれていると聞きましたので、ヘンリックが得意とする火の属性の魔法陣を刻みました」
属性に合わせた魔法陣が刻んである剣は魔力の通りがよく、普通の剣よりも威力が増します。
ヘンリック様が火属性の魔法を使いこなせるようになれば、炎を纏わせることもできるようになりますから、水属性の魔獣を倒すのがラクになるでしょう。
ヘンリック様はよほど嬉しいのか、王族の登場に緊張していた表情を和らげてリヒト様にお礼を述べています。
「お兄ちゃん、剣もらったの!? いいな! 僕にも貸して!」
そう言ってヘンリック様から剣を奪ったのはヤンチャ過ぎると噂のフーゴ様です。
ヘンリック様の弟のフーゴ様は魔力量がヘンリック様よりも多いが勉強嫌いで魔法陣をなかなか覚えないため、その能力を活かし切れていないと聞いていますが、魔法陣が刻まれた剣は魔力を流し込めばそれなりに魔法が発動してしまいます。
一気に大人たちに緊張が走ります。
リヒト様に何かあればフーゴ様はもちろんのこと、剣を管理できなかったヘンリック様も子供への教育が足りなかった公爵も罰を受けることになるでしょう。
そうなれば、剣を贈られたリヒト様が一番傷つくことになります。
フーゴ様が剣を一振りすれば案の定、剣から炎が飛び出しました。
そして、その炎は天井に向かい、シャンデリアに直撃しそうです。
シャンデリアが落ちてきて、リヒト様がお怪我でもされたらどうしようかと思いましたが、シャンデリアの手前に唐突に闇の穴が広がり、炎を飲み込みました。
カルロが闇魔法の使い手だとは聞いていましたが、見事なものです。
闇属性の者は非常に少なく、私も初めて見たのですが……他の魔法を飲み込む魔法など見たことがありません。
私も驚きましたが、他の貴族たちも驚きと異質なものを見るような目でカルロを見ています。
その場が微妙な空気で満たされた時、明るい声がその空気を壊しました。
「ありがとう! カルロ!」
リヒト様がカルロの頭を撫でます。
「リヒト様、申し訳ございません!」
ヘンリック様が深く頭を下げました。
そんなヘンリックの肩に触れて、リヒト様はヘンリックの頭を上げさせました。
「ヘンリック、ダメですよ」
「はい! 申し訳ございません!」
「違います」
リヒト様の言葉の意味が読み取れずにヘンリックは「……え?」と聞き返しました。
正直、私も他の大人たちもリヒト様のお言葉の意味がわかりませんでした。
「ヘンリックが謝るべきことではないのに、誰かのために代わりに謝るのは相手の成長を妨げてしまいます」
どうやらリヒト様は、弟の代わりに謝ることは違うと言っているようです。
「しかし、いつも父上から弟の面倒を見るようにと……」
「下の者の責任は上の者の責任だと?」
「え?」
子供に対してそのような物言いをユスティーツ公爵はしなかったのでしょう。
ヘンリックは再び意味がわからずに聞き返します。
第一王子お披露目の儀式は大々的に行われたわけですが、まさか帝国のオーロ皇帝が来るとは思いませんでした。
帝国傘下に入るための調印式は、オーロ皇帝が来なくとも使者の者に任せると思っていたのですが……
一年前にリヒト様はオーロ皇帝に呼ばれ、ルシエンテ帝国に滞在していたのですが、随分とオーロ皇帝に気に入られているようでした。
その後、リヒト様は帝国周遊の旅の手始めに天空都市と呼ばれるオルニス国へ出かけました。
想定よりも早く帰って来られましたので、影響力の強い上位貴族のパーティーの招待には応じることにしました。
最初のパーティーは公爵家の令息の誕生日パーティーです。
それまでもリヒト様への招待状は大量に届いていましたが、重要なもの以外は断るという方針は最初から決まっていましたので、今回の招待状が届くまでは全ての招待を断っていました。
公爵家の令息の誕生日パーティーがご自身のお披露目以外ではリヒト様の初めての公務となります。
「私にクリストフとエーリッヒのような友人ができたように、リヒトにも友達を作ってほしい」
そう王であるゲドルト様は言っていましたが、そううまくはいかないだろうと宰相であるクリストフと第一補佐官を務めさせてもらっている私は思っていました。
カルロとの接し方を見てもわかるように、リヒト様は同年代の子供たちを同年代とは思っていないご様子でした。
まるで、自身の年齢よりも随分と小さな子を扱うように接するのです。
さすがに、カルロに対して見せる息子を溺愛する父親のような姿を他の子供たちにも見せることはないでしょうが、時折、私たちにまでまるで見守るような慈愛に満ちた眼差しを向けてくるリヒト様ですので、同年代の子供たちにリヒト様が同年代のように接することはまずないでしょう。
ユスティーツ公爵家の令息の誕生会には多くの貴族の子供たちが参加しますが、当然、その親である大人たちも参加します。
そして、大人たちの目当ては当然、リヒト様ですし、子供たちにもリヒト様に気に入られるようにと言い含めているはずです。
獲物を狙う魔獣のような者たちの中にリヒト様だけを放り込むわけにはいかないので、私もリヒト様にお供しました。
もちろん、リヒト様の乳母であるヴィント侯爵を信用していないのではなく、多人数を一人で捌くのは流石に大変でしょうから、私は補佐としてのお供です。
もし、リヒト様の護衛騎士であるグレデンが立ち回りも上手く、話術も上手ければ私は必要なかったかもしれませんが、彼はあくまで剣の腕を買われた護衛ですから、舌戦まで行えというのは求めすぎでしょう。
王族が早めに会場に入ってしまうとその後は緊張で他の者、特に子供たちがパーティーを楽しむことができなくなってしまうため、基本的に王族は遅れて会場に入り、早めに会場を後にします。
そんな時間制限のある中で、特に友達を求めている様子もないリヒト様が友達を作れるのかはわかりませんが、リヒト様も少しでも楽しめたらいいのですが……
そう思いながら、誕生日の令息に祝いの言葉を述べ、誕生日プレゼントを渡しているリヒト様を見守ります。
リヒト様は元々、穏やかで優しく、大人以上に気遣いのできる性格ですので、令息が緊張しすぎないように上手く言葉をかけておられます。
その様子に他の子供たちも寄ってきて、会話が弾んでいきます。
一見、リヒト様を囲んで楽しそうに話している子供たちの様子なのですが、中心にいるリヒト様の目はやはり子供たちを穏やかに見つめる大人の目です。
「どうやら、リヒト殿下は我が息子を気に入ってくれたようですね」
そんな図々しいことを言い出したのは、本日誕生日を迎えた令息の親である公爵ではない。
ユスティーツ公爵は非常に厳格な人物で、我が国に長年蔓延っていたあの忌まわしい慣習に手を染めることもなく、家族も領民も大事にする優秀な人物です。
そんなユスティーツ公爵が安っぽい言葉でリヒト様に取り入ろうとするはずもなく、軽率なことを言ってきたのは子爵家の者でした。
一言二言挨拶程度の言葉を交わしただけで、どうしてリヒト様が気に入ったことになるのか、この男の目は完全なる節穴なのでしょう。
「どうですか? うちの息子をリヒト殿下の従者にすれば、リヒト殿下もお喜びになると思うのですが?」
図々しすぎて呆れます。
「お優しいリヒト様が挨拶を返された程度で従者にしていては、この国の子供たちを全員、従者にしなければいけなくなりますね」
私の返答に周囲の大人たちがくすくすと笑いました。
「それに」と、ヴィント侯爵がリヒト様から視線を逸らさずに言いました。
「カルロに勝てる子でなければ、狩られますよ?」
なんて物騒なことを言うのだろうと思いましたが、確かに、リヒト様の半歩後ろでリヒト様にピッタリくっついているカルロの目が他の子供たちを射殺そうな鋭さをしています。
我々、リヒト様の周囲の者はカルロのあのような一面をよく知っているのですが、どうやらリヒト様にはまだバレていないようです。
今も、リヒト様が「ねぇ、カルロ」と振り向いた瞬間にカルロは無邪気な子供の表情を見せています。
なんてわかりやすい二面性なのでしょうか。
空気を読める貴族の子どもたちはそんなカルロから視線を逸らし、誕生日の主役がリヒト様から贈られたプレゼントを開封するのを見つめます。
大きな箱の中から出てきたのは本日の主役であるヘンリック様の体格に合わせた子供用の剣です。
その美しさにヘンリック様初め、男の子たちが感嘆のため息で見つめます。
女の子たちの興味は無くなってしまったようですが。
「この剣、魔法陣が刻まれていますね」
「ヘンリックは剣の稽古に励まれていると聞きましたので、ヘンリックが得意とする火の属性の魔法陣を刻みました」
属性に合わせた魔法陣が刻んである剣は魔力の通りがよく、普通の剣よりも威力が増します。
ヘンリック様が火属性の魔法を使いこなせるようになれば、炎を纏わせることもできるようになりますから、水属性の魔獣を倒すのがラクになるでしょう。
ヘンリック様はよほど嬉しいのか、王族の登場に緊張していた表情を和らげてリヒト様にお礼を述べています。
「お兄ちゃん、剣もらったの!? いいな! 僕にも貸して!」
そう言ってヘンリック様から剣を奪ったのはヤンチャ過ぎると噂のフーゴ様です。
ヘンリック様の弟のフーゴ様は魔力量がヘンリック様よりも多いが勉強嫌いで魔法陣をなかなか覚えないため、その能力を活かし切れていないと聞いていますが、魔法陣が刻まれた剣は魔力を流し込めばそれなりに魔法が発動してしまいます。
一気に大人たちに緊張が走ります。
リヒト様に何かあればフーゴ様はもちろんのこと、剣を管理できなかったヘンリック様も子供への教育が足りなかった公爵も罰を受けることになるでしょう。
そうなれば、剣を贈られたリヒト様が一番傷つくことになります。
フーゴ様が剣を一振りすれば案の定、剣から炎が飛び出しました。
そして、その炎は天井に向かい、シャンデリアに直撃しそうです。
シャンデリアが落ちてきて、リヒト様がお怪我でもされたらどうしようかと思いましたが、シャンデリアの手前に唐突に闇の穴が広がり、炎を飲み込みました。
カルロが闇魔法の使い手だとは聞いていましたが、見事なものです。
闇属性の者は非常に少なく、私も初めて見たのですが……他の魔法を飲み込む魔法など見たことがありません。
私も驚きましたが、他の貴族たちも驚きと異質なものを見るような目でカルロを見ています。
その場が微妙な空気で満たされた時、明るい声がその空気を壊しました。
「ありがとう! カルロ!」
リヒト様がカルロの頭を撫でます。
「リヒト様、申し訳ございません!」
ヘンリック様が深く頭を下げました。
そんなヘンリックの肩に触れて、リヒト様はヘンリックの頭を上げさせました。
「ヘンリック、ダメですよ」
「はい! 申し訳ございません!」
「違います」
リヒト様の言葉の意味が読み取れずにヘンリックは「……え?」と聞き返しました。
正直、私も他の大人たちもリヒト様のお言葉の意味がわかりませんでした。
「ヘンリックが謝るべきことではないのに、誰かのために代わりに謝るのは相手の成長を妨げてしまいます」
どうやらリヒト様は、弟の代わりに謝ることは違うと言っているようです。
「しかし、いつも父上から弟の面倒を見るようにと……」
「下の者の責任は上の者の責任だと?」
「え?」
子供に対してそのような物言いをユスティーツ公爵はしなかったのでしょう。
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