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しおりを挟む知ってる話を書いていたらウトウト眠くなってクーにぃの膝を借りてお昼寝をしてしまった。
起きたら寝ぼけてクーにぃの膝に乗り、しがみついてスリスリしながら頬っぺたにキスしていた。
暫くして無意識に甘えて仕事の邪魔をしてしまったと気付いた。
「ごめんなさい」
「大丈夫ー。むしろもっと甘えて」
ギュッーと強く抱き締めてくれるクーにぃに、本当にいいのかなと思っても甘えてしまう。
「大好き、クーにぃ」
暫く甘えて話の続きを書く。
昔話のはちかづき姫を顔と身分を隠した下働き獣人娘にして、その邸の身分ある子息と結ばれるハッピーエンド話。
絶世の美人獣人が求婚者に無理難題をいい断り続ける。
でも無理矢理結婚しようとした王様がいて故郷から助けに来た者と夜に紛れて手の届かない所に逃げた。
王様の元に残ったのは愛した彼女に渡し続けたたくさんの贈り物だけ。王様でも手に入れらなかった失恋話になった。
恋愛話ばかりだなと思い、家族や友情の感動系から殺された獣人の復讐物語も。
心優しい竜と孤独な少年との話。最後は獣人仲間に囲まれ笑顔になれた少年を見届け竜は去って行く竜との友情物語。
日々、思い出した物語をアレンジしたり、妄想した自作話を書いて過ごしていたら我が家にブランコが出来ていた。
懐かしくて飛び付くように駆け寄った。
「すごい! 乗ってもいい?」
今日はルーにぃと一緒。庭にあまり出ない不健康な生活をしていたから体力は相変わらずない。
「いいよ。大人が乗っても平気だったからフィも大丈夫」
恰幅のいい大人でも大丈夫な頑丈造り。それなら安心だとブランコに座る。
さすがプロ職人。絵に書いて口説明だけなのに完璧再現。
頑丈な横の鎖を掴み地面を蹴って揺らす、身体を前後に傾けて反動をつける。
「フィ」
あんまり揺らし過ぎてルーにぃが心配そうにしていた。落ちないよ!
「楽しい!ありがとう、ルーにぃ」
カイやカリンたちと靴飛ばしたい。
「次は鉄棒!」
尻尾を揺らしながら次の遊具に向かう。大中小みたいな高さの鉄棒。
一番小さい背丈にあう鉄棒を掴み、地面を蹴ってくるんと回る。
「上手!?」
逆上がりできた褒めて!とルーにぃを見ると、いきなり回った事に驚いた顔をしている。
「上手、すごいね。フィ」
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