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ねこ日記(ΦωΦ)
3月3日、雨
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少しだけ暖かくなり始めた季節。
まだまだ冷たい雨が降り注ぐ中、私は草むらに隠れている小さな住人に気づいてしまった。
慌てて近くのコンビニに駆けていく私。
なぜだろう、見過ごす事もできたのに、それをしなかった。
うちはマンションだから、ペットとかダメなのに。
「ほーら、
ネコちゃーん、
ご飯だよー。」
「にゃっにゃっ」
草むらから顔を見せた小さな小さな、産まれたばかりの仔猫。
雨でビショビショに濡れたからなのかな?
寒さから身を護る為に、小さな命を震わせながら生き延びてきた印象を受けた。
わたしは、怖がらせないように、そっと語りかける。
「うわ、ビショビショじゃない。
おいでおいでー、怖くないよー。」
「にゃー」
仔猫は、お腹が空いていたようで、草むらから出てきて、食事を始めた。
飼えないのは分かってた。
拾って帰れば、反対されるだろう。
だけど、わたしは......。
「よし、捕まえた!」
震える仔猫を抱きかかえ、制服のスカーフで寒くないように優しく包みこむ。
最初は激しく暴れていた仔猫も、落ち着いてくれたのか、スカーフの中から、わたしを見上げている。
そのまま、仔猫は安心してくれたのか、わたしの手の中で、おおきなアクビをしている。
「もう安心してね。
怖くない、怖くないよ。」
「にゃー」
両手でしっかりと、眠ってしまった仔猫を抱きかかえたまま、仔猫が濡れないように傘を調整し家へと帰り着く。
家に帰り着き、仔猫を保護したことをお母さんに告げると、お母さんが困った顔を見せる。
私は想像通りの反応に、ついニヤけてしまう。
「ちひろ、何が可笑しいのよ。
うちはマンションだし、お父さんもアレルギーだから飼えないわよ。」
「うん。分かってるよ。
だけど、この子を見捨てられない。」
まっすぐお母さんの目を見つめる私。
お母さんも、ヤレヤレといった表情を見せ口を開く。
「お父さんに聞きなさい。
マンションのオーナーも、お父さんの知り合いだから、お父さんなら話をしてくれるから。」
「ありがと、お母さん♪」
こうして、お父さんの帰りを待ち、話をすることに決まった。
私の予想では、お父さんは二つ返事でOKしてくれる。
わたしは、笑顔でお母さんに声をかける。
「ねぇ、お母さん♪」
「なに?」
「この子の名前、何がいいかなー?」
「...もう飼う気でいるのね。」
「えへへー♪
わたしは、ノラネコだったから、ノラにしようと思うんだー」
「ノラネコのノラ?
茶トラだから、とら。のが良くない?」
「おっ!
いいねー。
なら、この子の名前は、とら!
茶トラのとらに決ーめた。」
こうして、とらは家族の一員となることに決まった!
え?お父さん?
もちろん、二つ返事でOKだったよ。
まだまだ冷たい雨が降り注ぐ中、私は草むらに隠れている小さな住人に気づいてしまった。
慌てて近くのコンビニに駆けていく私。
なぜだろう、見過ごす事もできたのに、それをしなかった。
うちはマンションだから、ペットとかダメなのに。
「ほーら、
ネコちゃーん、
ご飯だよー。」
「にゃっにゃっ」
草むらから顔を見せた小さな小さな、産まれたばかりの仔猫。
雨でビショビショに濡れたからなのかな?
寒さから身を護る為に、小さな命を震わせながら生き延びてきた印象を受けた。
わたしは、怖がらせないように、そっと語りかける。
「うわ、ビショビショじゃない。
おいでおいでー、怖くないよー。」
「にゃー」
仔猫は、お腹が空いていたようで、草むらから出てきて、食事を始めた。
飼えないのは分かってた。
拾って帰れば、反対されるだろう。
だけど、わたしは......。
「よし、捕まえた!」
震える仔猫を抱きかかえ、制服のスカーフで寒くないように優しく包みこむ。
最初は激しく暴れていた仔猫も、落ち着いてくれたのか、スカーフの中から、わたしを見上げている。
そのまま、仔猫は安心してくれたのか、わたしの手の中で、おおきなアクビをしている。
「もう安心してね。
怖くない、怖くないよ。」
「にゃー」
両手でしっかりと、眠ってしまった仔猫を抱きかかえたまま、仔猫が濡れないように傘を調整し家へと帰り着く。
家に帰り着き、仔猫を保護したことをお母さんに告げると、お母さんが困った顔を見せる。
私は想像通りの反応に、ついニヤけてしまう。
「ちひろ、何が可笑しいのよ。
うちはマンションだし、お父さんもアレルギーだから飼えないわよ。」
「うん。分かってるよ。
だけど、この子を見捨てられない。」
まっすぐお母さんの目を見つめる私。
お母さんも、ヤレヤレといった表情を見せ口を開く。
「お父さんに聞きなさい。
マンションのオーナーも、お父さんの知り合いだから、お父さんなら話をしてくれるから。」
「ありがと、お母さん♪」
こうして、お父さんの帰りを待ち、話をすることに決まった。
私の予想では、お父さんは二つ返事でOKしてくれる。
わたしは、笑顔でお母さんに声をかける。
「ねぇ、お母さん♪」
「なに?」
「この子の名前、何がいいかなー?」
「...もう飼う気でいるのね。」
「えへへー♪
わたしは、ノラネコだったから、ノラにしようと思うんだー」
「ノラネコのノラ?
茶トラだから、とら。のが良くない?」
「おっ!
いいねー。
なら、この子の名前は、とら!
茶トラのとらに決ーめた。」
こうして、とらは家族の一員となることに決まった!
え?お父さん?
もちろん、二つ返事でOKだったよ。
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