伝説の六勇者(従者リュートの物語)

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86.

「おっはよー！」

リノの元気な声で 君は目を覚ます。

「いつになくテンションが高いな。」

「だってランドライガーを借りれるんだぜ！
　アイツらの速さがあれば、明るいうちにキリエ山に到着できるよ！」

「いよいよ決戦だな。」

「そだね！
　やっと、長かったよ。」

君は優しくリノの頭を撫でると、身支度を整えた。
無風のムジョル、フカワ、重装のネット、名だたる強敵を倒し取り込んできた君は、空飛ぶ大蛇にも勝てる自身があった。
もう怖いものなどない。
君は、そう思っていた。


そう、彼女に出会うまでは。



ランドライガー（軽自動車ほどの大きさのイヌ科のような生物）に乗った君たちは、途中で休憩を挟みながらも、その日のうちに なんとかキリエ山の麓。
滅びの町、グランツにたどり着いた。

「リュート兄ちゃん、大丈夫かい？」

「そだな、、、いや、大丈夫くないかな。」

「だろうね。顔色が悪すぎだよ。
　ライガー酔するなら言ってくれよ。そしたら馬を借りたのに。」

「すまない、ライガーに乗った事なくって。」

「まあ、そろそろ眠りの夜になるから、明るくなると同時に空飛ぶ大蛇を探して急襲をかけような！」

「そだな。
　とりあえず、今夜は休もう。」


君たちが野営の準備をしていると、そこに一人の女性が迷い込んできた。