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君は重装のネットから、周囲の人形に狙いを定める。

ゴスッ!
ゴスッ!

パ、パーン!

君の攻撃が命中するたびに、激しく弾け飛び粉々になる人形たち。

「あと、4体。」

「クソ!」

ゴスッ、パン!


「あと、3体。」

「人形に攻撃しても無駄だと言ってるだろうが!
 人形の変わりは、常時1000体以上はあるからな!」


ゴスゴスッ、パパーン!

「あと、1体。
 おまえ、バカだろ。」

「く、くそがー!」

ゴスッ!



パン!


最後の一体を攻撃し、周囲を飛び交っていた9体の人形を全て壊し終えた。
周囲は気味が悪いほどに静まりかえる。


「まさかと思ったが、そのまさか。だったんだな。
 本体が人形で、人形が本体とか、ありきたりすぎて気づかなかったよ。」


君は周囲に動く気配が無いことを確認すると、建物から出ようとした。



しかし、その時!



背後から恐ろしいまでの殺気を感じ取る。


君は 背後の殺気から、全身の毛穴が開き、背筋を流れる自分の汗を とても冷たく恐ろしいものと感じてしまうほどの殺気だ。
背後の凄まじい殺気に、後ろを振り返るのも躊躇してしまうほどだ。


そんな君に、背後から低く枯れた声が響く。

「あああ、なんと悲しきことか。
 よくも、わしの可愛い道化の指たちを、壊してくれたな。
 その代償、安くはないぞ。」


君は意を決して振り返る。
声の主は、先程まで動くことなく君の攻撃を受け切っていた、ニタニタと笑う姿の老人だった。
しかし、先程までと違い、その表情は とても険しく恐ろしいものであった。




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