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42.赤ゴリラ

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42.

君は振り返り、背後から聞こえてきた 低い声の正体を確認した。
その声の主は、全身が赤い毛に覆われた、2m弱のゴリラのような生き物だった。

赤ゴリラは、君と目が合うと、ニヤニヤしながら口を開き、威圧的な低い声で話しかけてくる。

「その獲物は、俺様が頂く。
 いま身を引くんなら、見逃してやろう。
 ムフゥ~ムフゥ~!」

君は怯えるように震えているリノと、赤ゴリラの間に立ち、赤ゴリラに言い返した。

「断る!と言ったら。」

なぜ、自分でも挑発的な態度を取ったのか分からないが、怯えているリノを見捨てることが出来なかった。君の反応に 赤ゴリラは、両腕を高く持ち上げ、威嚇するように激しく自分の頭を叩き始めた。
...地上のゴリラとは違うようだ。

「ムフゥ~ムフゥ~!
 モニュマール、俺様を怒らせるなよ。俺様は 四天王の一人、
 無風のムジョル様だぞ!」

(四天王...コレって完全に六勇者のイベントだろ!?)


無風のムジョルは、君の準備が整う前に先制攻撃を仕掛けてきた。
君は クモ狩りで鍛えられた動体視力と瞬発力を頼りに、ムジョルの攻撃を紙一重で回避していく。


一発目、二発目、三発目、
ムジョルの大振りな攻撃が空を切る。

四発目、五発目、六発目、
見た目より冷静なムジョルは 命中重視の小振りな攻撃に切り替えるが当たらない。

七発目、八発目、九発目、
ブン!ブン!ブン!と空を切る音が響き渡る。
君は ムジョルの攻撃を完全に見切っていた。

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