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君は動揺を気づかれないように平然とした顔で、リノの言うとおりに火種に手をかざし、火種を握るような動作をした。

すると、君が鞄に入れたいと思った火種は、光の粒になり君の鞄に吸い込まれていった。
その様子を見ていたリノが興奮しながら君に声をかけてきた。

「すっげー!
 紙を取り出さなくても使えるとか、最新式じゃんか!
 そんなの見たことないよ。
 やっぱ、六勇者様に渡す道具は一流品なんだな。」

「そ、そだな。
 リノが喜んでくれて、嬉しいよ。」

興奮するリノとは 対象的に、君は嘘がバレないか ドキドキしながら
リノと目を合わせずに支度を終わらせる。
支度が終わった君たちは、リノの先導のもと、キリエ山を目指し歩き始めた。

暫く歩いたところで、リノが急に立ち止まり、身を屈めた。

「リュート兄ちゃん、近くに魔物がいるみたいだよ。」

その言葉に 君は緊張しながら、リノに聞く。

「リノ、どうして分かったんだ?」
「だって、ほら、見てみなよ。」

リノが指を指した先に、少し大きめな野ウサギを見つけた。
野ウサギは、片方の耳を君たちの方に向けるが直ぐに君たちの反対側に向けなおした。

「リュート兄ちゃん。
 ここは、おいらに任せてよ。」
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