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7章・再会の喜び
準備5日目 新たな商売
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レヴィアは夜が明けると同時に、ハロルド商会に移動する。
ハロルド商会の店の前にたどり着くころには、空に太陽が昇っていた。
しかし、まだ店のドアには鍵がかかったままのようだ。
レヴィアは、お構いなしにドアをノックする。
「ハロルド、開けてくれ。」
ドアをノックをすると、店の奥から声が聞こえてくる。
しばらくすると、笑顔のハロルドがドアを開ける。
「レヴィア会長、久しぶりですね。」
「ハロルド会長 久しぶりだね。いつもミザリには世話になってるよ。
・・・ところで、特別ツアーの申し込みの件はどうなった?」
笑顔のハロルドは、持っていた名簿を見せるようにレヴィアに説明する。
「お得意様に声をかけて、30名の応募は満杯ですよ。」
「では、今回は30人ともに無料で招待しよう。
次回からは、ツアー参加者の1人当たり、金貨2枚の手数料を徴収するからね。」
「もちろん。その金額で、1泊3食付きの温泉入り放題でしたよね。」
「違う。1泊2食付き、初日の夜と、翌日の朝。送迎はなしの条件だ。」
ハロルドは条件を知っていたのだが、レヴィアと交渉しようとして様子を見ていたようだ。
レヴィアもハロルドも、なんだか可笑しくなり笑ってしまう。
「冗談ですよ。大丈夫、知ってますから。
ちなみに、レヴィア商会のツアーは いくらで募集するんですか?」
「そうだね。うちは さらに送迎と護衛をつけて、金貨4枚で募集しようと考えている。」
「なるほど、最安値プランだと、その付近が相場になるでしょうな。」
「そうだな。一般客への募集はそうなるな。
では、今日の出発の10:00の手配は宜しく頼んだよ。
今回の便には アルルとリリアスも便乗するが、その分の昼食代、馬車代はレヴィア商会に請求してくれ。」
「はい。まいど。」
レヴィアとハロルドは、店を出た。
ハロルドは、馬車や昼食の手配にミスがないか、集合場所まで移動していった。
レヴィアは、そのまま向かいにある開店準備中のウィンター商会に向かう。
準備中の札がかかっていたのだが、レヴィアは気にすることなく店内に入り、店長に声をかける。
「ウィンター会長をお願いする。」
「あの、申訳ございません。
アポイントのないお客様は、お通しすることができません。」
「そうか仕方ない。起きてないんだったら待つことにしよう。
しかし、私も多忙だから ウィンターには、急いでもらわないと困るんだが。」
レヴィアの堂々とした態度に、店長が困惑する。
「少々お待ちいただけますか?
すぐに確認してまいります。お客様の お名前を伺っても宜しいでしょうか。」
「ああ、レヴィアだ。」
レヴィアは、準備中の店内で待つことにした。
暫く待っていると、店長が駆け足で慌てて戻ってくる。
「レヴィア会長、お待たせいたしました。ウィンターが奥の部屋でお待ちしております。」
「すまないね。急がしい時間に。」
レヴィアは ウィンターの会長室に通された。
会長室には 立派な椅子に座ってウィンターが待っていた。
「教育がなってなかったようだね。すまない、レヴィア会長。」
「ああ、気にしてないよ。久しぶりの仕事だったからね。」
レヴィアは、応接椅子に座り話を続ける。
「ウィンター会長、木材の買い付けの際は 助かったよ。思ったより安く買い付けることができて、ミザリも面子が立ったようだ。」
「いやいや。ミザリの実力だろう。ところで、」
ウィンターは 葉巻に火をつけはじめる。
レヴィアは ウィンターが質問しようとすることの答えを先に答えた。
「そう、今回、温泉地を開拓した。」
ウィンターは 葉巻に火をつけ終わり、真剣な表情でレヴィアに忠告する。
「悪いことは言わない。あそこは辞めておけ。」
「・・・。」
「以前、私も下見をしたことがある。
温泉はいいのだが、場所が遠く、道中で事件や事故に巻き込まれる可能性が高い。」
「ああ、私もそこが気になったんだが、道中の警護は、フランダース傭兵団を雇い入れたんだよ。」
ウィンターは、咥えていた葉巻を落とす。
「あの傭兵団が護衛をするのか!!?」
「ああ、それがどうした?」
「往復の移動だけで、大金が動くだろ。
どうやって元金を稼ぐつもりなんだ?」
「ああ、彼らは従業員として動くから報酬は発生しない。」
「・・・。」
「それに、温泉施設は すでに完成していて、協賛金を出してもらったハロルド商会の得意客が本日の便で出発する。」
ウィンターは新しい葉巻に火をつけなおし、レヴィアの話を聞いている。
「・・・君の手腕には、驚かされるよ。」
さらにレヴィアは、話を続ける。
「それに、メイガス家にも招待状を送っておいた。予定では明日の便で出発する予定だ。」
「メイガス騎士団長か・・・素晴らしい!」
ウィンターは つけたばかりの葉巻の火を消し、レヴィアの話を興奮しながら聞いている。
レヴィアは その様子に笑みを浮かべ、ウィンターへの儲け話を話し出しだ。
「そこで、会長に持ってきた貴族用の豪華馬車のプランなんだが、貴族用の馬車を改良し、定員を半分に変更して、ゆっくりと長い道中も楽しめるようにしようと思う。」
「そのプランの詳細は?」
「ああ、道中をウィンター商会の偽装した山賊に襲わせる。
そこを護衛するフランダース傭兵団が模擬刀を使って倒す。
ようは、見世物として決闘を行うんだよ。」
「なるほど。貴族はスリルに飢えているからな。」
「しかも毎回、同じように襲うのではなく、時と場所、山賊の衣装なども変えながら行うんだ。」
「しかし、もし本物の・・・。」
ウィンターは口を閉じた。
もし仮に本物の山賊が現れたところで、フランダース傭兵団には歯が立たないのは分かっていた。
フランダース傭兵団は、近年では200名程の団体になっており、個々の実力もある為、王国騎士団以上の戦力を保有しているとも言われている。
もし、その付近がフランダース傭兵団の縄張りだと知れば、山賊はおろか、軍隊さえも近寄らないだろう。
「なるほど。理解した。」
「ありがとう。
それで、ウィンター会長への儲け話なんだが、この付加価値は サービスで行う。
そして、1泊2食+送迎と馬車内の食事を2食分つけて、1人当たり、金貨20枚で提供しよう。
ただし、一般人向けに、送迎なしの1泊2食で、金貨3枚のプランをハロルド商会向けに出しているから、そこは考慮してもらいたい。」
「面白い!
では、私が貴族への声かけを行おう。しかし、君の儲けは少ないようだが。」
レヴィアは、口角をあげて答える。
「ああ、それは問題ない。
いま考えているのは、レヴィア保険協会の設立を考えていて、ミザリに承認を取ってもらっていたんだ。
役人には仕組みが理解できないようで、まだまだ承認が下りないようだけどね。」
「保険協会?」
初めて聞く言葉に、ウィンターが身を乗り出して質問する。
「そうだよ。ウィンター副協会長!
保険協会とは、今回のツアーの道中で、万が一事故に会った場合、治療費の全額を負担したり 怪我の度合いに応じて保険金の支払いをする。
道中の山賊による物品の盗難も保険で補償する。少ない掛け金で安心を買うんだよ。」
「・・・。」
「保険金は、グレードによって掛ける金額が変わるが、少ない掛け金だと、補償される限度額も少ない。
しかし、事件や事故に会わなくても掛けた金額は戻ってこない。
手間はかかるが、出発前には 査定人に査定させて、事故があれば支払うといった形だ。
もちろん、レヴィア商会の仲介する護衛を雇わなければ、掛け金は跳ね上がるけどね。
・・・まあ、儲けは少ないが、詐欺さえ見破れれば、痛手を負うこともないだろう。」
「その仕組みは面白いな。フランダース傭兵団に護衛を任せるのであれば、まず事故にあうことはないだろうし、
今後、仕組みが確立すれば、ツアーや交易とセットで申し込みがあるだろう。
レイヴァ協会長。うまくいけば全国に査定人を配置し、保険という仕組みを独占しよう!」
レヴィアとウィンターは、固く握手をする。
「では、私は保険協会の根回しがあるので、失礼させてもらうよ。
レヴィア協会長は、自由にくつろいでいてくれたまえ。」
「いや、私も行くところがあるからね。根回しは任せたよ。」
レヴィアとウィンターは、店を出てそれぞれの目的地へ移動する。
~メイガスの館~
レヴィアは、メイガスの館に来ていた。
レヴィアがノックすると、執事(レタス)が出てきた。
「ああ、レタスさん。手紙は届いたかな?」
「はい。先日、大旦那様にお渡しいたしました。」
「大旦那様?
メイガス様が、旦那様でしょ。大旦那様って?」
「はい、大旦那様は、メイガス様の隠居されている父上になります。」
「ああ、それなら話が早い。
よかったら、大旦那様に温泉の土産があるんだけど渡してもらえるかな。」
「はい。こちらでお預かりいたします。」
レヴィアは、土産の品を渡す。
土産の品を受け取った執事のレタスは、不思議そうな顔をする。
「こちらの首飾りは?」
「大旦那様に見せれば分かるよ。」
執事(レタス)は、扉を閉め、確認に行ったようだ。
10分ほど レヴィアが待っていると扉が勢いよく開く。
そこには、慌てて走ってきたのか、息を切らせる執事のレタスがいた。
「レヴィア様、この首飾りは!?」
「大旦那様に、思い人が60年待っていると伝えてよ。
最後に会って謝りたいって言ってたんだ。
では、明日の朝一番に迎えの馬車と護衛をよこすから、大旦那様に宜しく伝えておいてね。」
「はい。畏まりました。
確かに伝えさせていただきます。」
レヴィアは、レタスに伝言を頼み、乗ってきた馬に乗り、アマゾネスの村を目指すことにした。
途中、誰かが呼び止めたような気がしたが、先を急いだ。
レヴィアの後を追うように、三姉妹が扉を開けて出てくる。
「残念、逃げられたようね。」
「ドーラ姉さん、あの女の子は?」
「エイト先生を連れて行ったレヴィアよ。」
「お姉ちゃん、だったら、おじいさまに一緒に連れて行ってもらったら?」
「ラーナ、さえてるわね!」
三姉妹は、館の中に急いで引き返す。
「「「おじいさまー♪」」」
ハロルド商会の店の前にたどり着くころには、空に太陽が昇っていた。
しかし、まだ店のドアには鍵がかかったままのようだ。
レヴィアは、お構いなしにドアをノックする。
「ハロルド、開けてくれ。」
ドアをノックをすると、店の奥から声が聞こえてくる。
しばらくすると、笑顔のハロルドがドアを開ける。
「レヴィア会長、久しぶりですね。」
「ハロルド会長 久しぶりだね。いつもミザリには世話になってるよ。
・・・ところで、特別ツアーの申し込みの件はどうなった?」
笑顔のハロルドは、持っていた名簿を見せるようにレヴィアに説明する。
「お得意様に声をかけて、30名の応募は満杯ですよ。」
「では、今回は30人ともに無料で招待しよう。
次回からは、ツアー参加者の1人当たり、金貨2枚の手数料を徴収するからね。」
「もちろん。その金額で、1泊3食付きの温泉入り放題でしたよね。」
「違う。1泊2食付き、初日の夜と、翌日の朝。送迎はなしの条件だ。」
ハロルドは条件を知っていたのだが、レヴィアと交渉しようとして様子を見ていたようだ。
レヴィアもハロルドも、なんだか可笑しくなり笑ってしまう。
「冗談ですよ。大丈夫、知ってますから。
ちなみに、レヴィア商会のツアーは いくらで募集するんですか?」
「そうだね。うちは さらに送迎と護衛をつけて、金貨4枚で募集しようと考えている。」
「なるほど、最安値プランだと、その付近が相場になるでしょうな。」
「そうだな。一般客への募集はそうなるな。
では、今日の出発の10:00の手配は宜しく頼んだよ。
今回の便には アルルとリリアスも便乗するが、その分の昼食代、馬車代はレヴィア商会に請求してくれ。」
「はい。まいど。」
レヴィアとハロルドは、店を出た。
ハロルドは、馬車や昼食の手配にミスがないか、集合場所まで移動していった。
レヴィアは、そのまま向かいにある開店準備中のウィンター商会に向かう。
準備中の札がかかっていたのだが、レヴィアは気にすることなく店内に入り、店長に声をかける。
「ウィンター会長をお願いする。」
「あの、申訳ございません。
アポイントのないお客様は、お通しすることができません。」
「そうか仕方ない。起きてないんだったら待つことにしよう。
しかし、私も多忙だから ウィンターには、急いでもらわないと困るんだが。」
レヴィアの堂々とした態度に、店長が困惑する。
「少々お待ちいただけますか?
すぐに確認してまいります。お客様の お名前を伺っても宜しいでしょうか。」
「ああ、レヴィアだ。」
レヴィアは、準備中の店内で待つことにした。
暫く待っていると、店長が駆け足で慌てて戻ってくる。
「レヴィア会長、お待たせいたしました。ウィンターが奥の部屋でお待ちしております。」
「すまないね。急がしい時間に。」
レヴィアは ウィンターの会長室に通された。
会長室には 立派な椅子に座ってウィンターが待っていた。
「教育がなってなかったようだね。すまない、レヴィア会長。」
「ああ、気にしてないよ。久しぶりの仕事だったからね。」
レヴィアは、応接椅子に座り話を続ける。
「ウィンター会長、木材の買い付けの際は 助かったよ。思ったより安く買い付けることができて、ミザリも面子が立ったようだ。」
「いやいや。ミザリの実力だろう。ところで、」
ウィンターは 葉巻に火をつけはじめる。
レヴィアは ウィンターが質問しようとすることの答えを先に答えた。
「そう、今回、温泉地を開拓した。」
ウィンターは 葉巻に火をつけ終わり、真剣な表情でレヴィアに忠告する。
「悪いことは言わない。あそこは辞めておけ。」
「・・・。」
「以前、私も下見をしたことがある。
温泉はいいのだが、場所が遠く、道中で事件や事故に巻き込まれる可能性が高い。」
「ああ、私もそこが気になったんだが、道中の警護は、フランダース傭兵団を雇い入れたんだよ。」
ウィンターは、咥えていた葉巻を落とす。
「あの傭兵団が護衛をするのか!!?」
「ああ、それがどうした?」
「往復の移動だけで、大金が動くだろ。
どうやって元金を稼ぐつもりなんだ?」
「ああ、彼らは従業員として動くから報酬は発生しない。」
「・・・。」
「それに、温泉施設は すでに完成していて、協賛金を出してもらったハロルド商会の得意客が本日の便で出発する。」
ウィンターは新しい葉巻に火をつけなおし、レヴィアの話を聞いている。
「・・・君の手腕には、驚かされるよ。」
さらにレヴィアは、話を続ける。
「それに、メイガス家にも招待状を送っておいた。予定では明日の便で出発する予定だ。」
「メイガス騎士団長か・・・素晴らしい!」
ウィンターは つけたばかりの葉巻の火を消し、レヴィアの話を興奮しながら聞いている。
レヴィアは その様子に笑みを浮かべ、ウィンターへの儲け話を話し出しだ。
「そこで、会長に持ってきた貴族用の豪華馬車のプランなんだが、貴族用の馬車を改良し、定員を半分に変更して、ゆっくりと長い道中も楽しめるようにしようと思う。」
「そのプランの詳細は?」
「ああ、道中をウィンター商会の偽装した山賊に襲わせる。
そこを護衛するフランダース傭兵団が模擬刀を使って倒す。
ようは、見世物として決闘を行うんだよ。」
「なるほど。貴族はスリルに飢えているからな。」
「しかも毎回、同じように襲うのではなく、時と場所、山賊の衣装なども変えながら行うんだ。」
「しかし、もし本物の・・・。」
ウィンターは口を閉じた。
もし仮に本物の山賊が現れたところで、フランダース傭兵団には歯が立たないのは分かっていた。
フランダース傭兵団は、近年では200名程の団体になっており、個々の実力もある為、王国騎士団以上の戦力を保有しているとも言われている。
もし、その付近がフランダース傭兵団の縄張りだと知れば、山賊はおろか、軍隊さえも近寄らないだろう。
「なるほど。理解した。」
「ありがとう。
それで、ウィンター会長への儲け話なんだが、この付加価値は サービスで行う。
そして、1泊2食+送迎と馬車内の食事を2食分つけて、1人当たり、金貨20枚で提供しよう。
ただし、一般人向けに、送迎なしの1泊2食で、金貨3枚のプランをハロルド商会向けに出しているから、そこは考慮してもらいたい。」
「面白い!
では、私が貴族への声かけを行おう。しかし、君の儲けは少ないようだが。」
レヴィアは、口角をあげて答える。
「ああ、それは問題ない。
いま考えているのは、レヴィア保険協会の設立を考えていて、ミザリに承認を取ってもらっていたんだ。
役人には仕組みが理解できないようで、まだまだ承認が下りないようだけどね。」
「保険協会?」
初めて聞く言葉に、ウィンターが身を乗り出して質問する。
「そうだよ。ウィンター副協会長!
保険協会とは、今回のツアーの道中で、万が一事故に会った場合、治療費の全額を負担したり 怪我の度合いに応じて保険金の支払いをする。
道中の山賊による物品の盗難も保険で補償する。少ない掛け金で安心を買うんだよ。」
「・・・。」
「保険金は、グレードによって掛ける金額が変わるが、少ない掛け金だと、補償される限度額も少ない。
しかし、事件や事故に会わなくても掛けた金額は戻ってこない。
手間はかかるが、出発前には 査定人に査定させて、事故があれば支払うといった形だ。
もちろん、レヴィア商会の仲介する護衛を雇わなければ、掛け金は跳ね上がるけどね。
・・・まあ、儲けは少ないが、詐欺さえ見破れれば、痛手を負うこともないだろう。」
「その仕組みは面白いな。フランダース傭兵団に護衛を任せるのであれば、まず事故にあうことはないだろうし、
今後、仕組みが確立すれば、ツアーや交易とセットで申し込みがあるだろう。
レイヴァ協会長。うまくいけば全国に査定人を配置し、保険という仕組みを独占しよう!」
レヴィアとウィンターは、固く握手をする。
「では、私は保険協会の根回しがあるので、失礼させてもらうよ。
レヴィア協会長は、自由にくつろいでいてくれたまえ。」
「いや、私も行くところがあるからね。根回しは任せたよ。」
レヴィアとウィンターは、店を出てそれぞれの目的地へ移動する。
~メイガスの館~
レヴィアは、メイガスの館に来ていた。
レヴィアがノックすると、執事(レタス)が出てきた。
「ああ、レタスさん。手紙は届いたかな?」
「はい。先日、大旦那様にお渡しいたしました。」
「大旦那様?
メイガス様が、旦那様でしょ。大旦那様って?」
「はい、大旦那様は、メイガス様の隠居されている父上になります。」
「ああ、それなら話が早い。
よかったら、大旦那様に温泉の土産があるんだけど渡してもらえるかな。」
「はい。こちらでお預かりいたします。」
レヴィアは、土産の品を渡す。
土産の品を受け取った執事のレタスは、不思議そうな顔をする。
「こちらの首飾りは?」
「大旦那様に見せれば分かるよ。」
執事(レタス)は、扉を閉め、確認に行ったようだ。
10分ほど レヴィアが待っていると扉が勢いよく開く。
そこには、慌てて走ってきたのか、息を切らせる執事のレタスがいた。
「レヴィア様、この首飾りは!?」
「大旦那様に、思い人が60年待っていると伝えてよ。
最後に会って謝りたいって言ってたんだ。
では、明日の朝一番に迎えの馬車と護衛をよこすから、大旦那様に宜しく伝えておいてね。」
「はい。畏まりました。
確かに伝えさせていただきます。」
レヴィアは、レタスに伝言を頼み、乗ってきた馬に乗り、アマゾネスの村を目指すことにした。
途中、誰かが呼び止めたような気がしたが、先を急いだ。
レヴィアの後を追うように、三姉妹が扉を開けて出てくる。
「残念、逃げられたようね。」
「ドーラ姉さん、あの女の子は?」
「エイト先生を連れて行ったレヴィアよ。」
「お姉ちゃん、だったら、おじいさまに一緒に連れて行ってもらったら?」
「ラーナ、さえてるわね!」
三姉妹は、館の中に急いで引き返す。
「「「おじいさまー♪」」」
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