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悪魔召喚士
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「お父さんに、私の気持ちなんて分からないわよ!」
「千紘!
待ちなさい!」
少女は、勢いよく家を飛び出した。
飛び出した先は すでに日が沈みきっており、小雨まで降り始めていた為、視界が悪い。
慌てて後を追うように飛び出してきた父親は、娘を見失っているようだった。
少女は 雨にうたれながら、傘もささずに街の明かりに吸い寄せられるように歩き始めた。
「お父さんなんか・・・。」
少女は、友人にLINEを送るが既読が付かない。
「美鈴・・・LINE見てよ。」
雨にうたれないように、雨宿りを始めた千紘に、茶髪の男が声をかけてきた。
「ねぇ、雨が降ってるのに、傘もささずにどうしたの?
もしかして、傘を持ってないとか?」
千紘は 警戒しているのか、小さく頷く。
「まじか!
ちょうど俺、傘を持ってるんだけど、貸してあげようか。」
「傘を持ってるって、自分の分じゃないですか。」
「そうだよ。
でも、君に貸してあげるよ。」
「あなたが濡れちゃいますよ。」
「俺はいいんだよ。
頑丈だから。」
茶髪の男は、容姿に似合わず優しくしてくれる。
そんな男の言葉に、つい笑ってしまう。
「めちゃくちゃ笑顔が可愛いね。
よかったら、晩飯でも食いに行かない?
俺、傘がなくってさ、相合傘でもしてくれたら嬉しいんだけど。」
「ふふっ、
私、お金ないよ。」
「いいよ。
俺が奢るから、俺の知り合いの店に行こうよ。」
「はい。」
千紘は優しい笑顔に騙されたのか、茶髪の男についていくことに決めた。
茶髪の男に案内されるまま、雑居ビルの4階にある店にはいる。
ドン!
ガチャ!
千紘が先に店に入ると、茶髪の男は千紘を背後から店の奥の方に向けて強く押す。
バランスを崩して倒れこむ千紘を横目に、奥にいたスキンヘッドの男に挨拶する。
「先輩、おつかれさまっす。
こいつ家出少女みたいなんすよ。
これで俺の借金の利子はチャラっすよね。」
千紘は やっと騙されたと気づいたようで、慌てて店の奥にあるトイレに逃げ込み鍵をかけて閉じこもる。
ドン!ドン!ドン!ドン!
「おい、てめー出て来いよ!
ちょっと しゃぶって目つぶってればいいんだから、それぐらいサービスしろよ!
出てこねーなら、鍵をぶち破って殺しちゃうぞ!」
千紘は、助けを求めるためにスマホを出すが、圏外になっており助けを呼べないようだ。
(お願い、誰でもいいから通じて・・・。)
千紘がスマホを握りしめると、電波が届かず圏外のはずなのに Twitterが届いた。
誰かにつながってほしい、助けてほしい、そう願い Twitterを開いてみると、何かの宣伝のあとに、こう書かれていた。
「救われたければ、我らを求めよ。我らは力を求める者。」
(救われたければ・・・。)
その言葉の下にあるサイトを開いてみる。
すると、周囲の時が止まり、徐々に千紘の意識が遠のいていき、頭の中に声が響き渡る。
「我らを救えれば、我らも救おう。」
千紘は、そのまま意識を失ってしまった。
「千紘!
待ちなさい!」
少女は、勢いよく家を飛び出した。
飛び出した先は すでに日が沈みきっており、小雨まで降り始めていた為、視界が悪い。
慌てて後を追うように飛び出してきた父親は、娘を見失っているようだった。
少女は 雨にうたれながら、傘もささずに街の明かりに吸い寄せられるように歩き始めた。
「お父さんなんか・・・。」
少女は、友人にLINEを送るが既読が付かない。
「美鈴・・・LINE見てよ。」
雨にうたれないように、雨宿りを始めた千紘に、茶髪の男が声をかけてきた。
「ねぇ、雨が降ってるのに、傘もささずにどうしたの?
もしかして、傘を持ってないとか?」
千紘は 警戒しているのか、小さく頷く。
「まじか!
ちょうど俺、傘を持ってるんだけど、貸してあげようか。」
「傘を持ってるって、自分の分じゃないですか。」
「そうだよ。
でも、君に貸してあげるよ。」
「あなたが濡れちゃいますよ。」
「俺はいいんだよ。
頑丈だから。」
茶髪の男は、容姿に似合わず優しくしてくれる。
そんな男の言葉に、つい笑ってしまう。
「めちゃくちゃ笑顔が可愛いね。
よかったら、晩飯でも食いに行かない?
俺、傘がなくってさ、相合傘でもしてくれたら嬉しいんだけど。」
「ふふっ、
私、お金ないよ。」
「いいよ。
俺が奢るから、俺の知り合いの店に行こうよ。」
「はい。」
千紘は優しい笑顔に騙されたのか、茶髪の男についていくことに決めた。
茶髪の男に案内されるまま、雑居ビルの4階にある店にはいる。
ドン!
ガチャ!
千紘が先に店に入ると、茶髪の男は千紘を背後から店の奥の方に向けて強く押す。
バランスを崩して倒れこむ千紘を横目に、奥にいたスキンヘッドの男に挨拶する。
「先輩、おつかれさまっす。
こいつ家出少女みたいなんすよ。
これで俺の借金の利子はチャラっすよね。」
千紘は やっと騙されたと気づいたようで、慌てて店の奥にあるトイレに逃げ込み鍵をかけて閉じこもる。
ドン!ドン!ドン!ドン!
「おい、てめー出て来いよ!
ちょっと しゃぶって目つぶってればいいんだから、それぐらいサービスしろよ!
出てこねーなら、鍵をぶち破って殺しちゃうぞ!」
千紘は、助けを求めるためにスマホを出すが、圏外になっており助けを呼べないようだ。
(お願い、誰でもいいから通じて・・・。)
千紘がスマホを握りしめると、電波が届かず圏外のはずなのに Twitterが届いた。
誰かにつながってほしい、助けてほしい、そう願い Twitterを開いてみると、何かの宣伝のあとに、こう書かれていた。
「救われたければ、我らを求めよ。我らは力を求める者。」
(救われたければ・・・。)
その言葉の下にあるサイトを開いてみる。
すると、周囲の時が止まり、徐々に千紘の意識が遠のいていき、頭の中に声が響き渡る。
「我らを救えれば、我らも救おう。」
千紘は、そのまま意識を失ってしまった。
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