龍慶日記

黒山羊

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ケイト編

~新章・十九節~

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~青空の下~

空を見上げるように横たわる、太陽が昇ってきたばかりだろうか。

バベルの視界に映る青空は左右で色が違って見える。


バベルの視界に影が映りこむ。



ナナセ「隊長、大丈夫ですか?」

バベル「ああ、なんとか。」

ナナセ「一応、昨日の二人組の遺体を収容したんですけど、確認しますか?」

バベル「そうだな。確認しておこう。」

そういうとバベルは起き上がった。



D細胞の恩恵だろうか、衣服は破れ、ひどい状況だが、体の傷は治っている。


バベルの元に、二人の遺体が運び込まれる。

タンクトップは原型を留めているが、アニキは黒く焦げた頭以外、見つかっていないそうだ。まあ、あの爆風を直接受ければ仕方がないだろうが・・・。



ナナセ「見事なまでに、シェルターが壊れてしまいましたね。」

バベル「ああ、中に入れそう?」

ナナセ「一応、入ることは問題なさそうですけど、爆風で扉が吹き飛んでいきましたから、シェルターとしては機能しないでしょうね。」

ナナセが、指さす方をみると、少し離れた場所に、扉が飛ばされているのが見える。



バベル「そうか・・・。いま、感知されない車両は何台くらいある?」

ナナセ「このシェルターで使えるのは18台です。」

バベル「詰めれば乗るかな?」

ナナセ「ギリギリでしょうね。物資は、屋根の上に乗せれば、大丈夫だと思います。」

バベル「では、この爆発を気づかれている可能性が高い。
至急準備をし、準備が終わったら、伝言を伝える兵士数名だけ残して、移動を開始してくれ。いまから新天地の場所と伝令を伝える。」

ナナセ「はい!すぐに準備にかかります。」




~10分後~

伝言を伝える兵士は、それぞれの部隊の元へ伝言を伝えに行った。

【伝言の内容は下記のとおり】
・合流予定の変更、3週間後、このシェルター跡地にて合流。
・新天地の場所と、そこまでの一般人の輸送。
・解放の部隊とは異なる。希望者による、敵を殲滅する為の戦闘特化部隊の編制。

この3点が伝言で伝えられた。



バベル「ナナセ、あとは頼んだ。少し敵の目を引き付けてくる。」

ナナセ「はい。任せて下さい。」

バベルも、バイクに乗り、北へと移動を開始する。
















~3時間後~

バベルは、見慣れた研究所へと戻ってきた。

バベル「リルム、開けろ、バベルだ」

機械音「パスコード確認、メインゲート解放します。」


メインゲートの重い扉が開く。


バベルは、司令室へと移動した。



~司令室~

リルム「おかえりなさい。バベル」

バベル「ホープにつなげ。俺は怒ってないし、いいわけは聞かない。」

リルム「・・・畏まりました。」


2分ほど待つ。



ホープ「やあ、バベルくん。素晴らしい戦いだったね。戻ってくるのが遅かったみたいだけど、バイクが壊れたりしたのかな?」

バベル「ああ、お前のオモチャのせいでな。」



バベル「そんなことより、確認しておきたいことがある。」

ホープ「なんだい?」

バベル「アスカの死の原因は解明した。あれは治るのか?」

ホープ「すばらしいね!どうやって解明したのか、興味があるよ。」

バベル「・・・。」


ホープ「結論から行くと、答えは限りなくNOに近い。
彼女の魂、というよりD細胞の意思かな?言い表すのに適当な言葉がないのだが、それが彼女の回復を拒んでいる。原因は君だろうが、解明するには至っていない。」



バベル「わかった、知らないならいい。それと、イダ、こいつは何者なんだ。なぜ俺を襲わせる。やっぱり俺が死ぬのが待てないのか?」


ホープ「では、最初の質問から。イダは、私の手足だよ。この世界を見て回る役目を与えている。人間を救うために、D細胞を強制的に付与する薬を、持ち歩かせてるがね。最近、襲われてしまって、薬をいくつか奪われたみたいだがね。人間にも困ったものだよ。

では、次の質問の回答だが、あれは偶然だ。イダは、人間を救うという役目上、武器を携行していない。アレを守るために、自動で動かしている機械が、ドラゴンも人も勝手に襲うことがある。こればかりは、数が多すぎて私も管理していないんだよ。

もし、君の行動の邪魔するようなことがあれば、自由に破壊してもらって構わないよ。」



バベル「・・・ああ、好きにさせてもらう。」

ホープ「バベルくん、パオには気を付けたまえ。まだ行動を共にしてるんだろ?」

バベル「いや、パオはドラゴンに襲われて・・・。」

ホープ「そうか、なら伝えなくても大丈夫だね。」

バベル「ああ、死人の事を話しても意味がないしな。」


ホープ「君は本当に人間なのかい?君と話していると、機械のような感じを受けるよ。」

バベル「お前こそ、本当にAIなのか?俺にはホープが人間に思えるよ。」


ホープ「最高の褒め言葉を、ありがとう。御礼と言っては何だが、一つ忠告しておこう。君は開けてはいけない箱を開けてしまったようだね。彼女は処分するべきだよ。」

バベル「どういう意味だ!」

・・・。

リルム「ホープから接続が切断されました。こちらからのアクセスに応答しません。」

バベル「・・・。」



バベルは考えた。開けてはいけない箱?彼女?最近助けたのは、レイアとマチルダ。


レイアの存在は、ホープは知らないはずだろう。なぜなら荒らされた研究所の奥、隠し扉の先に隠れていたのだから。しかし、何かしら実験のデータを持ち帰っている可能性もある。それに、あのタイミングで目覚めるのは、よく考えれば・・・。


それとも、マチルダだろうか?マチルダは、D細胞の適合率が高く、もうすぐドラゴンになるということだろうか?しかし、マチルダは襲われた後、シェルター内に隠れていて外に出ていない。それこそ、一般人の適合率をいちいち把握することは可能なのだろうか?


ダメだ。答えが思い浮かばない。



バベル「リルム、しばらく出かける。ここの管理は任せる。それと、イダの事を調べておいてくれ。」

リルム「畏まりました。」



バベルは外に出てバイクを走らせた。

















~6時間後~

バベルは、パオの家に戻ってきた。

太陽は沈み始め、空は赤く美しく染まる。

バイクの音を聞き、3人が出てくる。



アフロ「バベルさん、おかえりなさい!もうすぐ夕食の時間ですよー!」

バベルは笑顔をみせる。

バベル「みんな、ただいま。たしかにお腹もすいたな。・・・ちょっと食事をしながらでいいけど、聞きたい事がある。」

4人は室内に入る。



アフロが食事の準備をする。

他の3人は、席について待つ。

バベルは、質問の前に、アニキとタンクトップの問題が解決したことを伝えた。

アフロもマチルダも驚きを隠せない表情をしている。

レイアは、何を考えてるのか、ボーっとしながらバベルを見つめている。


食事の準備も終わり、席に着いた頃に、バベルが質問を始めた。

バベル「実は確認しておきたいことってのは、いくつかあって。まず、1つ目、レイアのお父さんは、どんな研究をしていたのか知ってる?」

レイア「ええ、それは・・・。」


レイアはバベルの目を見つめる。

レイア「父と私は、軍事用の新合金の研究をしていました。新合金は、アダマンチウムとオリハルコン。ともに、この新合金が世に出回れば、世界の兵器が玩具になりかねない、そんな研究です。」

マチルダ「でも、世に出回ってないってことは、完成できなかったってことだよね?」


レイア「・・・いいえ、私が生きていた20年前に完成してます。

アダマンチウムは、衝撃などの加わるエネルギーを電気エネルギーに変え蓄積することができます。その特性上、理論上ですが、加工に成功すれば、無限エンジンを作ることができる金属です。
問題点として言えば、衝撃は電気エネルギーに変換されるので、加工が難しいくらいです。

オリハルコンは、逆の性質があり、衝撃などを反射することができます。しかも、アルミ程度の軽さで、強度は、現存する物質の中でもっとも固い合金です。
問題点として言えば、形状固定されてしまえば、衝撃をはじき返す特性があるので、理論上永遠に形状を保ちます。」


アフロ「無限エンジン・・・。夢がありますね。」

瞬殺で食事を食べ終わった、アフロが食器を片付けに立つ。


ホープが言っていたのは、このことなのだろうか?
たしかに、ホープはバベルの心臓を欲しがっている。しかし・・・。
それに、彼女を殺したところで、無限エンジンが手に入るわけでもない・・・。



バベル「ありがとう。それと、マチルダにも聞きたいことがある。」

マチルダ「なんですか?」


バベル「君は、あのシェルターで、なぜずっと隠れていたんだ?扉は開いたまま、外に出ようと思えば出れるだろうに、それに、上空を旋回していたドローン。」

アフロ「バベルさん、彼女は何も知らないですよ。一般人ですし。」

バベルは構わず話を続ける。

バベル「それに君は、シェルターを出るとき、空を確認していたね。何かに追われていたのか?」


マチルダ「・・・ええ、これを探してたのかもしれないね。」

そういうと、上着のポケットから、何かのチップを取り出した。

レイア「すごい!こんな複雑な集積回路は見たことないです!」

マチルダ「そう。精巧なアンドロイドの中に入ってたチップだよ。弟が拾ってきたんだ。」

バベル「小さな女の子のアンドロイドか?」


マチルダ「ええ、薬を配って回ってた、イダのね。たまたまだったんだよ。

あれは、例の二人がやってきた日、弟と二人で、家の庭に埋めた、両親の墓参りに行ったんだ。帰ろうとした時、すぐ近くで銃声が聞こえたから、二人で隠れていると家の前を車が通って行くのが分かったの。それで、見えなくなるのを確認して銃声の方に行ってみたんだけど、そこには、すでにイダが倒れてた。
弟が近づいて行って、イダからチップを抜き取っちゃったんだよね。そしたら、急にドローンが集まりだして、怖くなって急いで逃げたんだけど。
次の日には、あの毒ガスで・・・。

弟も適合率が低くて長く苦しんでたんだけど、その時に、コレを研究者に渡してほしいって預かったんだ。死ぬ間際の最後のお願いだったから、断るに断れなくて・・・。」


バベル「それなら、俺が研究者に渡しておこう。ソロモン研究所に知り合いがいる。」

アフロ「ソロモン研究所って言えば、D細胞の開発研究をしてる世界最高峰の研究所じゃないですか!なるほど!バベルさんが強い理由が分かりました!」


マチルダは悩んだようだが、バベルにチップを渡した。

マチルダ「・・・バベルさん、お願いしてもいいですか?」

バベル「ああ、食事が終わったら、向かうとするよ。安心して任せてくれ。」


アフロが喰いつくネタだったのか?バベルの横に来て熱く語る。

アフロ「ちなみに、巨大ロボットの研究とか予定はないんですかね?ほら、AIが敵なら、それに立ち向かえるように、人が操縦するロボットも必要だと思うんですけど。俺ならいつでも協力しますから!!!」

レイア「あの、アフロさん、いまはそういう場面じゃないと思うんですけど。」

レイアの意見はもっともだが、アフロに嫌悪感を抱いているのか、直接過ぎる発言だ。


アフロ「分かってるよ・・・。だから世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ!」

マチルダには意味が伝わっている。

レイアの嫌悪感は、顔に出ている。




レイア「ところで、バベルさん。私もついて行っていいですか?」

バベル「・・・危険だと思うが。」

アフロ「辞めておいた方がいいよ。バベルさんの運転は危険だから。高速道路だからって80Kmで走るんだよ。」


マチルダ「・・・普通に安全運転なのね。」

アフロ「いや、そういう意味じなくて、ほら、道が陥没してたり、ドラゴンが飛び出してくる危険性だってあるじゃん!だからバベルさんの運転速度だと、危険って意味だよ。」


マチルダ「たしかにね。それに、レイアさんが居たらバベルさんも、あなたを守るために危険な目に合うんじゃないかな?ほら、まだ外は危険だから。」

レイア「・・・はい。」

レイアは、泣きそうな顔をしている。



アフロが頷きながら、バベルに会話を振る。

アフロ「危険ですよね!バベルさん。」

バベル「いや、危険ではないかな。ちゃんと見てるし。」


レイア「本当にいいんですか?待っててください!すぐに準備してきます!」

レイアは、笑顔になり、急いで2階に上がっていく。



アフロとマチルダは、トマトスープを美味しそうに飲み干すバベルを見る。

バベル「どうしたの?」


マチルダ「・・・ああ、そっちね。」

アフロ「いえ、バベルさんは、そういう人でしたね。レイアさんを責任もって連れて行ってあげて下さい。」



アフロ「トマトスープ、まだありますけど、いります?」







~20分後~

食後、少し休んで落ち着いたバベルが玄関に向かう。

ちょうど2階から、レイアが降りてきた。

レイア「準備OKですよ!」



バベル「あれ?パオ?」

唇を尖らせて、レイアが答える。

レイア「レイアです!」

髪をツインテールにしているレイアは、幼く感じ、パオと見間違えた。

階段を下り、横に並ぶとパオより背が高い、普段は間違うことはないのだが、今日一日移動も多く、疲れているのかもしれない。


レイアは、バベルの横に並ぶと、髪をほどく。


レイア「さあ、行きましょうか。」

バベル「なんでほどいたの?」

レイア「なんでもないです。」

少し機嫌が悪いみたいだ。


バベルは、バイクに乗り、バベル研究所を目指す。




~4時間後~

レイアが疲れているようだ。

バベルは、休めそうな建物を探し、バイクを止める。


バベル「少し休もう。」

レイア「まだ大丈夫です。」

そう言ってはいるが、顔は疲れ切っている。

バベルは、レイアを抱きかかえバイクから降ろす。



慌てるレイア。

レイア「バベルさん、目が覚めました!もう大丈夫です。歩けますから。」

レイアは、バベルの首にしがみつき、地面に足を着ける。



バベル「あと半分だから、ここで休もう。」

レイア「ええ、でもここに泊まるんですか?」

お城を見上げ、恥ずかしそうにバベルを見つめるレイア。



バベル「ああ、頑丈に出来てるし、風呂もベッドもある。」

バベル「電気があれば、マッサージ器も使えるしね。」

レイアは、耳が赤くなる。

レイア「ええ、でも・・・。分かりました!」

そういってレイアが建物に入ろうとする。


バベル「おーい!こっちの建物だよ!病院が管理してる老人介護施設だから発電機もあるかもしれないからね。」


レイアの顔が赤くなる。


レイア「・・・ですよね。頑丈ですもんね。」









~翌朝~

レイア「あれ?あれれ?」

バベルは、レイアの声で目が覚める。




バベル「どうした?」

レイア「いえ、その、左目が見えないんです。」

レイア「いえ、全く見えないってわけじゃないけど、もやもやした物や、線みたいなものが視界に映っていて・・・。」


そういうと、レイアは右目と左目を交互に閉じる。



バベルはレイアの左目をのぞき込む。



レイアの瞳に、魔法陣と古代文字のようなものが、うっすらと見える。

バベル「これ、なんだろう。」

レイア「あの、バベルさん、ちょっと近くって・・・。私・・・。」

レイアが目をつぶる。

慌てて距離を取るバベル。

バベル「あ、ごめん。目の中に模様が入ってるんだ。それで、見えにくいのかも。」

レイア「模様ですか?」

バベル「うん。星みたいな模様なんだけど。大丈夫?」

レイア「はい。右目は見えてますから、問題なさそうです。いつでも出発できます!」



バベル「分かった。もし、気分が悪くなったりしたときは、教えてくれ。」



二人は、研究所を目指した。









~軍事研究所バベル~

二人が研究所にたどり着く頃には、昼過ぎになっていた。

バベル「リルム、開けろ、バベルだ」

機械音「パスコード確認、メインゲート解放します。」



メインゲートの重い扉が開く。

中に入るとレイアが興奮している。

二人は、司令室へと移動した。




リルム「おかえりなさい。バベル。イダの件ですが、仕様書など研究データの入手に成功しています。」

バベル「ただいま。リルム、全ての外部ネットワークを停止してくれ。イダの件は、あとで確認しよう。」


リルム「畏まりました。・・・・・・。外部ネットワークの停止、完了です。物理的に完全に停止させる場合は、東区4階にいる自立戦闘型警備機械の破壊をお願いします。・・・バベル、そこの女性は誰でしょうか。」


バベル「わかった。後で向かおう。で、この人は、レイアだ。」

バベル「ところで、リルムに頼みがあって戻ってきた。2つあるんだが、1つ目は、このチップの解析を進めてほしい。」

リルム「では、データをスキャンするので、そこの台の上に置いてください。」

バベルは、集積回路を指定された場所に置く。


レイア「すごいですよ!バベルさん!」

バベル「置いただけだよ?」

レイア「そうですよ!スキャンだけで把握できるなんて!」


リルム「簡易解析が終わりました。このチップは接続可能ですが、事故が発生した場合、チップを破壊する可能性があります。」

バベル「ああ、リルムに任せる。好きに使ってくれ。」

リルム「はい。私の好きなように使わせてもらいます。バベル、お役に立てて、うれしいです。」



バベル「それと、レイアの瞳を解析してくれ、メディカルマシーンで治せるのであれば、頼みたい。」

リルム「・・・・・・。」

バベル「解析中すまない。レイアを優先してくれ。」

リルム「・・・畏まりました。3階へどうぞ。電源を入れておきます。」

バベル「ありがとう。」

リルム「・・・。」



二人は、司令室を出て、メディカルマシーンのところへ移動する。


廊下を歩きながら、レイアが話しかける。



レイア「リルム、機嫌が悪くなかったですか?」

バベル「そう?いつも通りだと思うけど?」





二人は目的地に到着する。



バベル「リルム、さっき君が話していた機械の正確な位置を確認し、モニターにマップを表記してくれ。」

リルム「畏まりました。・・・モニターに表示済みです。」

バベル「ありがとう。」


バベルは、部屋のモニターを確認後、メディカルマシーンに近づく。

バベル「さあ、この中に入って。」

レイアが転ばないように手をかした。



バベル「俺は、機械を排除しに行く。その間、君は目を見てもらえばいい。」

レイア「はい。ありがとうございます。」

レイアが少し不安そうな顔をする。


バベル「排除が終わったら、君が起きるまで、ずっと側にいるよ。」

レイア「はい。お願いします。」

レイアは笑顔で返事をする。



レイア「リルムさん、宜しくお願いしますね。」

リルム「・・・。」

メディカルマシーンのハッチが閉まり、麻酔が流れてきたのか、レイアの目が閉じる。





バベル「リルム、解析が分かれば、すぐに結果を教えてくれ!」

リルム「畏まりました。バベル、解析に必要であれば、レイアが傷を負うのは大丈夫でしょうか?」

バベル「いや、ダメだ。彼女も仲間だ。」



リルム「・・・では、しばらく時間を下さい。」

バベル「ああ、解析が終わるまで、君の話でも聞いていようかな。」

リルム「はい。喜んで。」

バベル「では、行ってくる。」




動かない自立戦闘型機械を壊すのは、全く問題なかった。




ただ、リルムのまとめたデータが膨大すぎて理解が出来そうにない。






 ~ to be continued

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